家庭菜園から農業を変えようプロジェクト

自分で野菜作ってて、すんごく楽しいことのひとつ。
それはね、花や木の様子を観察することで、野菜と話ができるってことです。
今何が欲しいのか。よーく見てるとわかるようになります。
ソロモンの指環じゃないけどさ、植物の声が聞こえるようになりますよ。
標記のようなことができないかしら。てなことを最近考えた。
例えば家庭菜園をするとき、人は農薬をまこうとは考えない。
なぜか? 自分が作るので見た目は気にしなくていいし、
どんな形のものでもいとおしいし、安全な野菜が食べたいからだ。
中には家庭菜園だから農薬まくってな人もいるけど、
そういう方は少数派であろう。だいたい農薬代もったいないし、
農薬買ったら動力噴霧器とか必要だし、
マスクや合羽だって必要だからめんどくさい。
(もしかしてそういう人たち空手でまいてる?)
それよりも虫が出たと言っては自家製資材を工夫したり、
ぐひ~とか言いながら幼虫をつぶすのもまた、
家庭菜園ならではの楽しみであり、経験でもある。
家庭菜園の楽しみは、
小面積で、家族が食べるぶんを耕せばいいので、
少量多品目栽培ができるところ、珍しいものが作れるところ、
自分の畑だから何をしても自由なところにある。

自家製資材に凝り始めるとマニアになり、マニアが高じて
失敗したりなんつーのも楽しいのよね。まあ悲しくもあるんだけどさ。
自家製資材は手段なのに、そのうち目的になる人も多いから要注意だ。
コンパニオンプランツ・バンカープランツの利用や、
草生栽培(っていうか下農の粗放栽培含)、自然農法、
何をやっても誰にもとがめられることはない。
自分が食べるんだから、自分の責任において作ればいいからね。
草ぼうぼうにして隣の敷地のじいさまに
「たまには草を取らなきゃね」とやんわりと注意されるぐらいだ。
それも気にしなければなんてことないのだ。
(ごめんなさい、隣のじいさま)
都市部では土地の確保が難しいが、
プランターでも作物は作ることができるからそれでもいい。
プランターの場合は土の量が少ないため、
環境の影響をモロに受けやすく、管理が多少めんどくさいけどね。
でもまあ、それなりにやり方はあり、
作物が少しずつ育っていくのを見るのは楽しいものだ。
大量に害虫が発生して全滅なんてこともあるが、
それもまた良し。愛しがいがあるってもんじゃありませんか。
経験してみればさ、
野菜作りって簡単じゃないってことがわかるでしょ?

やたらと虫の名前に詳しくなるのも、家庭菜園家のいいところ。
葉っぱの食害あとをみただけで「ウリハムシだね~」なんちて言うようになると、
なんつーか「あんた何ものっすか?」みたいな人になっちゃうけど。
さてしかし。
ほんとに家庭菜園から農業を変えることができるんだろうか。
このアイディアは先日ほんたべイベントで
天敵観察会の講師をしてくださった、根本久さんの考えである。
根本先生はNHKの『趣味の園芸』という雑誌に、
最近、家庭菜園をする人々をターゲットにした連載を始めた。
家庭菜園向けの病害虫管理がテーマなのだが、
それがほんと、プロ向けの内容でさあ、情報密度が濃いのよね。
家庭菜園をする主婦の人々、定年後のおじさま方に
IPMなどの考え方をレクチャーし、さらに天敵や
コンパニオンプランツにも詳しくなれる内容なのだ。
おお、すごいぞ。ゲラを見せてもらって感動したわたくし。
IPMなんて言葉を知らなくてもいいのだ。
名前はどうでもいい、農薬を使わず、野菜を作ることができる技術。
それが家庭菜園家に広まるとどうなるか。
「家庭菜園では無農薬でできるのに普通の野菜はなぜ農薬使うの?」
いつか皆がそう思うようになるだろう。

小さなタネが、お日様と雨と土の力できれいな花を咲かせ
それがおいしい野菜になるのを目の前で見られるなんて、すごくないすか?
わたくし毎回その不思議に魅せられております。何度経験しても不思議です。
大規模農業と家庭菜園を同レベルで論じるなと言われるのはわかっている。
そうしたらなぜ大規模農業にならざるを得ないのか、
農薬と化学肥料で栽培される野菜について、疑問を持つことにつながる。
現在は疑問すら持たない状態だから、
皆農薬の散布回数などにも全く興味がない。
自分で作ると、その回数が現実味を帯びてくる(んじゃないかなあ、違う?)
まず自分で無農薬野菜を作ってみる。
そしてスーパーで売られている野菜のことを考える。
そのうち日本の農業に疑問を持つ。なんてのが理想である(無理かな?)。
現在ほんたべでは、このアイディアを一緒にあっためてくれる方、
プロジェクトの参加者を募集中です。
ほんとにできるかどうかは全く不明。でもいつかなんかやりたいよね。
大きな野望を胸に、最初の一歩を宣言してみましたよ。
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