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映画「エンゼル・ハート」（原題：Engel Heart, 1987）を見る。ミステリー・ホラー。

俳優・女優・監督 映画全般 洋画1970～00年代

「エンゼル・ハート」（原題：Engel Heart, 1987）を見る。原作は“悪魔のバイブル”と評されるウィリアム・ヒョーツバーグの小説「堕ちる天使」。

監督は「ミッドナイト・エクスプレス」のアラン・パーカー。ミステリータッチでスタイリッシュなオカルト映画。主演は「ナイン・ハーフ」のミッキー・ローク。共演はロバート・デ・二―ロ、シャーロット・ランプリングなど。

全体的に冷たい映像がいい。ミステリーであり、終盤はほとんど「ローズマリーの赤ちゃん」や「エクソシスト」を思わせるようなホラー映画だった。性的な過激シーンが幻想と相まって映し出され複数のシーンが重なってかなりな衝撃映像もある。

小道具などのアップも多用され、タバコのCAMEL（銘柄）、鍵、何度も登場する換気扇(ファン）、投げ出された靴、冷蔵庫のヤク（モルヒネのびん）、50年代の各種自動車、電話機、拳銃、ナイフ、探偵の口述を録音するテープレコーダー（オープンリール式）などなどが時代を感じさせる。

　

　

エンジェルが、ジョニー捜しのために、聞き込み調査を進めていくと、どこへ行っても「すでに死んだはず」「墓の中だろう」という言葉が返ってきた。一向にジョニーの姿が現れないのだ。実はこのあたりが物語の伏線となっている。

　

爪を長くのばしたルイ・サイファーを演じるロバート・デ・ニーロは最初と最後くらいしか出てこないが、怪演ぶりを見せて存在感がある。占い師で謎めいた女性マーガレットを演じるのがシャーロット・ランプリング！（毅然としていてクール）。

どんでん返しがあるという記述をどこかで読んだことがあるが、あとから考えると、この映画の10年後の「ファイト・クラブ」を連想（←完全ネタバレ。笑）。

アメリカ南部のニューオーリンズなどで信仰されている民間信仰とされるブードゥー教と教会などが登場するが、その儀式は太鼓を使ったダンスや歌、動物の生贄、神が乗り移る「神懸かり」とされる。

この映画では、主だった登場人物が実は、そうした悪魔崇拝者だったということが明かされていく。ロバート・デ・ニーロが持っているステッキも雰囲気が悪魔的であった。

　

ファンの速度が遅くなったり、逆に回ったりの時間経過、ファンの陰と投げられた靴、病院のカルテの改ざん（まだボールペンがなかったがボールペンの筆跡があった）、夢と現実の境目・区別など注意深く見ていないとわかりにくいところもある。

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舞台は1955年のニューヨーク・ブルックリン。「バットマン」のゴッサムシティのような廃墟、はきだめのようなところで、野良猫、野良犬がいがみ合っている。いきなり食いちぎられたような人間の死体が無造作に転がっている。

そんなハーレムのような街を歩く一人の男。しがない私立探偵ハリー・エンジェル（ミッキー・ローク）だ。

ハリーのもとに、ダイヤル式の黒電話が鳴り、電話に出ると弁護士ワインサップ（ダン・フロレク）を通じて、ある紳士ルイス・サイファー（ロバート・デ・ニーロ）という人物から人探しの依頼が持ち込まれる。

普段は、小さな仕事で細々と生きているハリーにとって、依頼内容は、かつての人気歌手「ジョニー・フェイバリット」を探し、生死を確認することというものだった。

ハリーは、調査を進めるうちに、手に負えないといったんは断ったが、サイファーが即金で5,000ドルを払うというので、迷っていたハリーも目の色が変わり継続して引き受けるのだった。

サイファーという人物は大金を投じてまでなぜある男の生死を確認したかったのか…？

　

　

　この目、怖っ！

はたと気づく。この子誰の子だっけ…。

・・・
「Angel Heart」（1987、アメリカ）
監督／脚本：アラン・パーカー
原作：ウィリアム・ヒョーツバーグ
製作：アラン・マーシャル、エリオット・カストナー
製作総指揮：マリオ・カサール、アンドリュー・ヴァイナ
撮影：マイケル・セレシン
編集：ジェリー・ハンブリング
音楽：トレヴァー・ジョーンズ
出演：
■ミッキー・ローク：ハリー・エンジェル

ブルックリンに事務所を構えるしがない私立探偵。鶏が苦手。

■ロバート・デ・ニーロ：ルイス・サイファー

ハリー・エンジェルに高額で人探しを依頼。実は正体を隠しているが…。

■シャーロット・ランプリング：マーガレット・クルーズマーク

謎の占い師。イーサンの娘。

■リサ・ボネット：エピファニー

父ジョニーと母エバンジェリンの娘。17歳だが赤ん坊がいる。

■ストッカー・フォンテリュー：イーサン・クルーズマーク…マーガレットの父。

■マイケル・ヒギンズ：ファウラー

医師。ジョニーの担当医だった。モルヒネを隠し持つ中毒者。

■ブラウニー・マッギー：トゥーツ・スウィート…ライブハウスでの演奏者。

 

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