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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「Coda コーダ あいのうた」(原題:CODA、2021):アカデミー賞3部門(作品賞・脚色賞・助演男優賞)受賞。

「Coda コーダ あいのうた」(原題:CODA、2021)はオリジナル版「エール!」(2014、フランス)を見ているので、見逃していたが、せっかくNetflixで配信しているので、陸上トラック三周遅れで見た(今ごろ見た?と突っ込むところではないです。笑)。

家族の中で自分だけが聴覚のある17歳の女子高生で、漁業の仕事を手伝いながら歌手になるという夢を持つ主人公ルビーが自らの人生に向き合っていく姿を描く。

劇中、ルビーが音楽大学の歌唱テストで、両親と兄が二階席に潜り込んで見守る中、手話を交えて「青春の光と影」を唄うシーンは感動的。

家族らは、ルビーの歌がうまいというのは理解していなかったが、兄はルビーの歌のうまさを他の人から聞いていたので「(通訳ばかりで)家族の犠牲になるのは止めろ。お前が生まれるまでは家族は(全員がろう者で)幸せだった」という言葉も思いやりがあるようできつく切ない。

監督・脚本はシアン・ヘダー。聴覚障害者の両親をもつ10代の少女(ルビー)をエミリア・ジョーンズ、聴覚障害者の両親をマーリー・マトリンとトロイ・コッツァー、聴覚障害者の兄をダニエル・デュラントが演じている。

第94回アカデミー賞3部門(作品賞・助演男優賞・脚色賞)を受賞。サンダンス映画祭史上最多の4冠獲得。家族の中でたった一人“聴者”である少女・ルビーは「歌うこと」を夢みた。そして、彼女が振り絞った一歩踏み出す勇気が、愉快で厄介な家族も、抱えた問題もすべてを力に変えていくー。

ルビーが、大学に行くために家を出るときに車で家族に見送られるが、車をストップして、走ってもどり両親と兄の3人と抱擁するシーンがいい。

エミリア・ジョーンズは、子役から映画出演しているようで、歌唱力がすばらしかった。両親を演じる役者があっけらかんとしていて、下ネタに毒されている(笑)ものの憎めないほどうまい。


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「エール!」と「Coda コーダ」は、舞台が酪農から漁業に変更されているものの基本的なストーリーは同じ。ろう者ゆえに、船で漁に出るときに通訳者が必要だったり、監視付きにされたり、売り上げの6割も仲買業者に搾取される厳しさも描かれる。

一方で、ルビーの父親の要望をルビーが通訳して訴え、やがて環境は改善されて、明るい希望も描かれるエンディングとなっている。

ルビーが淡い恋心を抱いている合唱サークルのマイルズと、崖から海に飛びこむシーンなどもいい。

「青春の光と影」(曲:Both Sides Now)を聴くだけでも価値ありの映画だった。

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<主要人物>
■ルビー・ロッシ: エミリア・ジョーンズ…女子高生。家族の中で唯一の聴者。必要に応じて家族の手話通訳を行う。音楽好き。
■フランク・ロッシ:トロイ・コッツァー…ルビーの父親。
■レオ・ロッシ:ダニエル・デュラント…ルビーの兄。プレイボーイで出会い系サイトで女の子を探すほどの女好き。
■ジャッキー・ロッシ:マーリー・マトリン…ルビーの母親。美人コンテストで優勝したこともあった。息子の出会い系を手伝うなど、どこか節操がない。
■ベルナルド・ヴィラロボス/V先生:エウヘニオ・デルベス…音楽教師。合唱サークルの顧問。風変りだが熱心な教育的姿勢を持つ。
■マイルズ:フェルディア・ウォルシュ=ピーロ…合唱サークルのメンバー。ルビーが思いを寄せている相手。
■ガーティー:エイミー・フォーサイス…ルビーの友人。

 

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