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映画「室井慎次 生き続ける者」(2024)を見る。2部作(第1部は「室井慎次 敗れざる者」)の後編。

「室井慎次 生き続ける者」(2024)をMOVIXさいたまで見る。「踊る大捜査線」シリーズの登場人物の一人、室井慎次を主人公とした2部作(第1部は「室井慎次 敗れざる者」)の後編。刑事、捜査ドラマといった描写はほとんどなく、室井の優しい人物像を描く人間ドラマとなっている。

高校3年のタカが大学受験の勉強をしていると、杏が「なんで勉強なんかしているの」と聞くと、タカは「将来、警察官になるんだ」という答えが返ってくる。タイトルの生き続ける者とは、”室井死すとも魂(正しいと思ったことを成し遂げる精神)死なず”ということか。

<あらすじ>
27年前の青島との約束、それは「警察内部の組織改革であり現場の刑事が信念を曲げずに捜査ができるようにすること」で、それを果たせなかったことをいまも悔やむ室井は、警察を辞めて故郷の秋田に戻ってくる。

タカとリクという2人の少年の里親となり穏やかに暮らす彼の前に、かつて湾岸署を占拠した猟奇殺人犯、日向真奈美の娘、杏が現れる。

さらには、他殺が疑われる死体が近所で見つかったことで、その捜査に協力することになる室井。そこへ、服役を終えて出所してきたリクの父親が訪ねてくる。

・・・
室井慎次が里親として暮らすタカ、リクという2人の少年と杏という娘の3人の子供たちに対して「家族でいる時間には限りがある。あとは自分1人で生きていくんだ」と遺言のように言う。

出所したリクの父親が室井の愛犬しんぺいの首輪を外してしんぺいが雪の中にでて行方不明になり、室井がその後を追うのだが…。警察の大勢の捜索隊が、行方不明となった室井を探す。

警察の無線による放送が流れる。

「犬が遭難者から離れません」「犬が離れません。犬が離れません」

・・・

【以下、一部ネタバレあり】

室井から「お願いがある」と「何かあったら」と頼まれていたという猟友会の石津百男が、3人の子供たちに手渡したのは、3人それぞれの名義の預金通帳だった。

室井は心筋梗塞の持病があり薬を飲んでいて、万一のためのコツコツと貯金をしていたのだった。

後編は、家族を中心としたホームドラマのようなストーリーだった。
ラストで、この映画では「踊る」シリーズの過去シーンしか登場しなかった、あの緑の人物が登場。

そして、エンドロールに流れた言葉は…。
ODORU LEGEND STILL CONTINUES(「踊る」の伝説は続く)
だった。続編ありの予告だ。

腑に落ちないところもいくつかある。あれほど敵対していた猟友会が、心変わりして、室井の見方をするなど、やや都合がよすぎるところも見受けられる。

不登校だった子供や、殺人鬼の娘も室井と暮らすうちに成長し、3人でそろって新たな計画を掲げ、それに向かって挑戦していく姿がさらりと描かれる。

子供たちにとっては、実の親代わりであり恩人が亡くなっても、室井が言うように自立した大人として成長していくだろうということが暗示されていた。

今回も、秋田犬のシンペイが名演を見せている。主(あるじ)亡き後のシンペイが少々しんぺい(心配←訛り)。

この2部作、1本にコンパクトにまとめたほうがいい。後編は、ダラダラ感もありゆったりしていた。

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