fc2ブログ

Adobe Fonts提供のヒラギノについて互換性を確認してみる

今年のフォントの日あわせでの、Adobe Fontsでの新フォント提供のうちに、ヒラギノ明朝とヒラギノ角ゴシックの追加がありました。

で、追加はいいんだけど、すでにmacOSにも入ってるし、MORISAWA PASSPORTとかにも入ってるわけで、それらとの互換は果たしてどうなってるのかってことで疑問が出るのはきわめて自然な話なんで、ちょっと検証してみたり。
合間見ながらデータ作ったりとかしてたんでちょっと時間かかりましたが。

今回のテストでは、Adobe Fonts版のほうが後で出てるってこともあるので、「Windows 10環境のMORISAWA PASSPORTでデータ作っておいて、別のWindows 11環境とmacOS 13でAdobe Fontsのヒラギノフォントをアクティブしてない状態で開く」ってことでやってみました。確認に利用したのは共通してIllustrator Ver.27.4.1。

用意したデータは下記の状態で、オプティカル設定をしたうえ、その状態で下位レイヤーにアウトライン化して色付けたものを敷いてます。

230412_AdobeFontsHiragino_01
230412_AdobeFontsHiragino_02
230412_AdobeFontsHiragino_03



そしてWindows 11環境に持っていって開いてみると……。

230412_AdobeFontsHiragino_04

フォント部分は代替フォントの強調表示状態になって全部小塚ゴシックで見えてるのがわかります。
そして同時に「環境にないフォント」のウィンドウが開いてますけど、そこでヒラギノの一部については「Adobe Fontsから入手可能です」と記載の上で、チェックがONになってます。
なのでそのまま「フォントをアクティベート」ボタンを押すと……。

230412_AdobeFontsHiragino_05
230412_AdobeFontsHiragino_06

同期が行われ、フォントがアクティブになった時点でウィンドウが閉じ、該当部分がAdobe Fontsのヒラギノフォントで表示されました。
今回の場合は明朝と角ゴシックがそれぞれ2書体ずつの提供なので、ちょうどその部分が実際に置き換わったことに。

そして拡大して見ても、特に違いなどはなさそうな感じで、アウトライン化したものがずれて見えることもない状態に。

230412_AdobeFontsHiragino_07
230412_AdobeFontsHiragino_08
230412_AdobeFontsHiragino_09
230412_AdobeFontsHiragino_10



ということで問題はぱっと見ではなさそうな感じなので、次はmacOSのほうで開いた場合を。

230412_AdobeFontsHiragino_11

Windows環境とは異なり、すでに見えてるアートボード部分についてはすべてが代替フォントでの表示ではなかったりします。
もちろん「環境にないフォント」のウィンドウが開いてますけど、「フォントをアクティベート」ボタンも押せる状態になっていないわけなので、同期チェックも入ってないということになります。
なのでふつうに閉じるボタンくらいしか押せないことになるわけです。

230412_AdobeFontsHiragino_12

そしてWindows環境と同様に拡大しての確認をしてみると……。 230412_AdobeFontsHiragino_13
230412_AdobeFontsHiragino_14
230412_AdobeFontsHiragino_15
230412_AdobeFontsHiragino_16

アウトライン部分との差がはっきりと。
なので食い違いが出ている、ということに。

これは結構簡単な話で、ヒラギノフォントのサポートページに書いてある件と同じだったりします。

OS X El Capitan(10.11.2)搭載のヒラギノフォントと弊社製品版フォントについて

今回の場合は「macOSの場合はOSに付属しているものがあり、製品版やMORISAWA PASSPORTとの互換がない部分があるうえで、Adobe Fonts提供分は製品版相当なので、macOS版とは完全な互換があるわけではなく、そして自動アクティベーションとしてもAdobe Fontsの反応がなく、Adobe Fonts分はmacOSでは使えない」ということになるかと。

実際にアクティベーションしても下記の状態なので、利用できないという……まあ、macOSでは製品版やMORISAWA PASSPORT分も利用できないのでそれと同じだったりするわけですけど。

230412_AdobeFontsHiragino_17



ともあれ、Adobe Fontsで提供されてもOS間の互換性があるわけではないってことになるので、「同名で警告なく開く別物フォント」として気を付けて利用するしかないだろうってところです、はい。
少なくともデータ開くときはBridgeとかで作成バージョンとともにOSバージョンも判定してからデータ開くのに臨んだ方がいいですね、はい。


下記でも濁点・半濁点の件は触れてたりするわけだけど、その細部が利用に影響することもあるとは思うわけだけどなあ……。

ヒラギノフォントがWindowsでも使いやすく! Adobe Fontsに“追加”の裏側 【+Digital】

このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - Adobe Fonts提供のヒラギノについて互換性を確認してみる

コメント

非公開コメント

最近の記事

はてブ数順傾向

プロフィール

あさうす

  • Author:あさうす
  • DTP業界を中心に主観だらけの毒を吐いてます。後ろ盾なし、保証なし。あくまでも独断と偏見に満ちているだけで、何かの圧力とかはありません。たぶん。いやないです。信じてください。

    なお、名無しコメント&煽り、勝手にトラックバックやリンクなどはご自由に。spam認定したもの以外は削除しません。ただしFC2の都合でTBは弾かれるかもしれません。

    当blogは、Firefoxを推奨します。

    何かお問い合わせございましたら [[email protected]] までどうぞ。

月別アーカイブ