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これからのIllustraorでPDF作るなら「書き出し形式」を使うべき

ということで、タイトルだけで終わってはいるし7月の件だから多少古い話ですが、あえて詳細を記す件です。

Illustrator Ver.28.6からは書き出しメニューのほうでPDFを生成できるようになりました。
今までだと「別名で保存」「コピーを保存」(古いのだと「複製を保存」)あたりでPDFを作ることがお約束だったわけですが(※)、それ以外の選択肢が増えた、というわけで。

Illustrator 機能の概要(2024 年 7 月リリース)

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従来のメニューは残っているので「じゃあ面倒だから今までと同じでいいでしょ」と思う人もいるかもしれませんけど、これからなら、書き出し一辺倒にするべきだけの理由があるわけで。

なので敢えてそこを深堀りする、というのが今回です、はい。

まず、今回の追加機能としての書き出しメニューを使う場合は「書き出し形式」を使います。
なのでメニュー的には今まであったのと同じです。

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このメニューを利用すると、まずは書き出し先のダイアログが出てくる状態に。
そこで「ファイルの種類」より「Adobe PDF」を選べるようになっているので、それを選択。
ファイル名はai保存時と同名になりますが(拡張子は種類による自動変更)、任意で変更することもできる、というのはあるものの、普通はそのままにすることも多いような。
ちなみにそのダイアログ左上に注目すると「書き出し」と書いてあります。

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次の画面では、おなじみのPDF設定のダイアログ表示が。
ただ、ダイアログの名称が「Adobe PDFを書き出し」になっているのが、こちらを使った場合の表示だったりするけれど、設定できるのは従来の保存関連と変わらずです。

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書き出しなので、終了後のタブバー表示のファイル名も、元のaiのままです。 240816_AIExport_05



さて次、「別名で保存」を使った場合。
これはショートカットキーもデフォルトで用意されてるので、そちら使う人も多いかもしれないなあ、というところ。

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これを使っている場合は「次回から表示しない」などで設定を固定化してない限り、ローカル保存とクラウド保存の選択が出てくるようになっているのが、書き出しとは異なる部分。
今回はローカルのほう選んでます(でないとPDF作れない)。

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そしてファイル保存先のダイアログが表示されることに。
最初の書き出しとは違い、ダイアログ左上の表記も「別名で保存」です。
ファイルの種類やファイル名などの設定関連は同じように見えるんですが、2点異なっていて、別名で保存は「Creative Cloudに保存」のボタンでの切り替えがある、書き出しのほうは「サフィックス」があるので、その点も違うところ。
ファイル名は、本来はaiファイルと同じ名称になるんですが、前述の「書き出し」したファイルが残っているので、今回は便宜上変更してます。

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そしてPDF設定のダイアログ表示ですが、「Adobe PDFを保存」になっているので、書き出しとは違う操作をしている、というのはわかるかと。
処理方法で表記が異なるのは、一時的に席を離れた場合で戻ってきても、表記をチェックすれば、どの処理だったのかわかるのは親切なところかと。

あと、Adobe PDFプリセットについてなんですが、(ちょっと断言はできないものの)書き出しのほうの初回だと「最小ファイルサイズ(PDF 1.6)」が、別名で保存だと「Illustrator 初期設定」がデフォルトで選ばれてる感じ。

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PDF/Xなど、編集機能がなくなるような設定を選んでいる場合には、デフォルトだと警告ダイアログ出ます。
これを再表示OFFにしておくと、後に書いてあることとセットで、自分で罠にはまることになるので、気を付けておきましょう。 240816_AIExport_10


そして保存終了後なんですが、この「別名で保存」はここが問題になりえることに。
タブバー表示のファイル名について、拡張子がaiからpdfに変化してます。
これはあくまでも「保存」なので、保存後としての開いているファイルとしての結果は、あくまでも、元のaiではなく、現在保存したPDFになってしまった、ということなわけです。
もしIllustrator編集機能をONにせずにPDF保存したファイル、またはPDF/Xなどの編集機能を保持できないPDFとして保存したうえで、追加で編集を掛けたうえで、保存(上書き保存)すると、編集機能が残らないままPDFのみ作られる、という状態になるので、各所の識者は「PDF作るのにこれ使うな」と口酸っぱくして言ってたりするわけで。
これでPDF作った場合はすぐにファイル自体を閉じるくらいの考えでやらないといけないわけなので、改めて再認識しておきましょう。
(上記にある警告があるので引っかかりにくい気もするんですが、それでも忘れる時には忘れるわけで……自分で罠にはまりにいくようなもんです)

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ではもう一つの「コピーを保存」。
こちらもショートカットキーはあるんですが、それがちょっと使いづらいのもあることや、上記の「別名で保存を使うな」部分の把握をしていない方はあんまり使ってないかもしれないなあ……という代物です。
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こちらを使った場合はローカル・クラウド保存の選択画面は飛ばされて、ファイル保存先のダイアログ表示です。
ダイアログ左上の表示も「コピーを保存」ですが、他の保存/書き出しとは違って、クラウド保存の切り替えも、サフィックスの設定もありません。
こちらで課題になるのは、ファイル名について「のコピー」がいったん必ず付くところで、ファイルの種類がなんであれ、元のaiファイル名そのままにするには手入力での修正が必須、という点があるわけで……。
これが面倒で「別名で保存」を使ってる人もいるんじゃないかと思わなくはないです。面倒だし。

ちなみに「のコピー」が付くのは以前のバージョンから同じだったりします。そう、以前の名称「複製を保存」の時から。

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後の保存関連ダイアログについては、別名で保存と差はありません。
一応それぞれで用意したので、せっかくなので出しておきます。

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そしてこの「コピーを保存」の場合は、終了後のタブバー表示のファイル名も、元のaiのまま。
オリジナルを残す保存、という扱いなので、保存形式がどれであっても、元のファイルとして維持するので、このまま次の編集を行ったうえで、保存(上書き保存)をしても、あくまでも元のaiファイルに対して保存され続けるわけで、編集情報はちゃんと生かされたまま保存されますし、PDFとして保存したファイルにも影響しない、という。

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ただまあ、「書き出し形式」と「コピーを保存」の操作ステップ数を考えた場合、明らかに「書き出し」のほうが労力が少ないのは明確なわけです。
なのでこの比較をした場合でいえば、これからは書き出し形式一辺倒になるんじゃないか、ということに。
欠点は「キーボードショートカットがデフォルトで用意されていない」ことなので、その点は何かしら登録するなどでカバーするしかないところ。
もうひとつは「旧バージョンじゃ逆立ちしても書き出しからはできない」わけで、当面併用するような場合は結局、バージョンごとに処理分けるしかないってところです。

それでも結局、今後は旧バージョンも入れ替えしなきゃどうにもならないわけだし、基本操作としてのPDF生成は、タイトル通りの結論のみになると思いますです、はい。







そして(※)の件についてちょっと補足を。

実際には今までも「書き出し」の中にある「スクリーン用に書き出し」(または「アセットの書き出し」パネル)からもPDF書き出しはできたんですが、詳細な設定ができないし(プリセットは一応選べるけど面倒)、印刷用には向かないなどの理由があるので正直使いやすいとは言えないかと。

まず、メニューについてはファイルメニューにある「スクリーン用に書き出し」があるのでそっち使います。
または「アセットの書き出しパネル」を使うことなんですが、書き出し設定に「PDF」があるのでそれ選べるかってことになりそうなんですが、PDFの場合はそれだけで書き出しはできないので、最下部にある四角っぽいアイコン(スクリーン用に書き出しダイアログを開く)を選んで、ファイルメニューと同様にメニュー出しが必要になるという。 240816_AIExport_17


ダイアログなんですが、左上に「スクリーン用に書き出し」とあるので、間違いなくスクリーン用。
そして保存や書き出し形式にあるような、PDF設定用の詳細なダイアログではなかったりするわけで……裁ち落としのON/OFFはあるんですが、それくらいであって、解像度、圧縮、トンボやICCプロファイルなどの設定は一切ないという。

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かなり目立たないですが、歯車アイコンをクリックすることで、保存しているPDFプリセットからは選択ができるので、用意したプリセットを使うときであればこれは使えるかな、くらいです。 240816_AIExport_19


この「スクリーン用に書き出し」でのメリットでいえば、他のファイル形式も同時に書き出すことができるので、それを一発で行いたい場合には利用できるかもしれない、くらいのところです。
この書き出しはもともと名称通りのものだし、比較的最近になって3Dオブジェクトの書き出し周りに使えるようになった、というのはあるものの、PDFを書き出しするにはあんまり向いてないだろうなあ、と思う次第です、はい。

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