今回については、「InDesign+MPで作成し、MPが入っていない環境で開いた場合の結果」としての流れでやってます。
まず、もともとTypekitで提供されているのはそれぞれ下記の10書体ずつです。
■モリサワブランド
- A-OTF リュウミン Pr6N LーKL
- A-OTF 太ミンA101 Pr6N Bold
- A-OTF 見出ミンMA31 Pr6N MA31
- A-OTF 中ゴシックBBB Pr6N Med
- A-OTF 太ゴB101 Pr6N Bold
- A-OTF 見出ゴMB31 Pr6N MB31
- A-OTF じゅん Pro 101
- A-OTF UD新ゴ Pr6N L
- A-OTF UD黎ミン Pr6N L
- A-OTF UD新丸ゴ Pr6N L
■タイプバンクブランド
- TBシネマ丸ゴシック Std M
- TBちび丸ゴシックPlusK Pro R
- Ro篠Std M
- Ro日活正楷書体Std L
- RoぶらっしゅStd U
- Roサン Std M
- TBカリグラゴシック Std E
- 漢字タイポス415 Std R
- TB新聞明朝 Std L
- TB新聞ゴシック Std M
そしてそのうち、MPで提供されているのは13書体分。赤字部分が「提供されていないもの」です。
なのでこの13書体に絞ってどうなるか、という確認になります。
てことで、まずはMP側で下記のようなファイルを作りました、というところから。
書体見本帳かなんかですかというか、もう色気もなにもないようなレイアウトです。例文はお約束的なものを使うのがお約束。
そして、MPも入っていない、なんも同期とかしていない状態の、別マシンのInDesignにこれを突っ込みます。
当然ながら該当部分(今回全部ですが)のフォント表示は環境設定にあわせて代替フォントのハイライト表示になり、同時に「環境にないフォント」という表示が出ました。
そしてあわせて、各フォントは「Typekitから同期可能」の表示が行われたうえで、右側のチェックが自動的にONになります。
この状態で「フォントを同期」のボタンを押すことによって……。
しばらく待って同期が完了すると同時に、ハイライト表示もダイアログ内の表示もキレイサッパリな状態になってくれましたとさ、という。
ということで、MP→Typekitで特に何もせずに互換が保てた、ということがわかるわけです。
やる必要もなさそうですが、逆側についても然り、というか、事前にアクティブになっていればたぶん何も考えなくとも勝手に開いて即時編集体制に入れる状態ともいえます。
ただまあ……そもそも13書体で何ができるの? みたいな話でもあるので、これで同期がとれたとしても、MPで提供されているフォントのひとつでも入ってこようものなら、その時点でお買い上げありがとうございます的な話にしかならないんですが。
「使える」といっても「一部の書体がファミリーではなく単体でしか使えない」というだけなので、結局は「小は大を兼ねない」というオチにしかならないような気がしますですよ。
まあそれが狙いなんでしょうけれども。
ちなみに、具体的なフォント名に関することがあまりわからないっていうのもデメリットのひとつかもしれません。
リュウミンLなんて、もともとOpenTypeだとしても、Pro/Pr5/Pr6/Pr6Nの4種類が提供されている訳なので、TypekitでPr6Nだけ使えてもある意味やはり片手落ちな部分があるわけでして。
MP側でProを使って置き換えても完全な互換性があるわけではなく、むしろ結果は変わるわけなので、この辺の整合性を保ちつつ使うという点では結構シビアだという事実なんてのも。
ともあれ実運用的に使い物になるかどうかはまったく別として「共通して提供されているものは互換性があるか」といえば「ある」というお話でした、はい。
元ネタ: モリサワパスポート(typekit内のものと、そうではないものとの関係)
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