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Suitcase Fusion 7の実質使えない新機能

Suitcase Fusion 7の日本語版がいつの間にか出てました。いつだよ。

で、そこにはもちろん新機能があるんですが……日本語環境だとほとんど意味がないんじゃないかなあ的な内容になっているのがアレです。

まあまずは製品サイトをご覧いただくとして。

Mac、Windowsに対応!フォント管理ツール - Suitcase Fusion 製品概要:

内容としては、スクロールさせての下のほうにあります。







なにかというと、これです。

■TypeSyncによるフォントライブラリの同期機能

フォントコレクションをクラウドに保存して、ユーザーがインストール可能な2台のマシン上で同期することができます。

でまあ、その直下にある文書とセットで読まなきゃならんわけですが。

免責事項:フォントはソフトウェアであり、ライセンスの制限の対象となっています。この製品に含まれるフォントの使用、コピー、バックアップ機能においては、フォントに含まれているライセンスに関して考慮する必要があります。Suitcase Fusionでフォントを使用する場合、事前にお使いのフォントの使用許諾についてフォントベンダーへお問い合わせください。この製品でフォントを使用したことから生じた損害に対し、弊社では一切の責任を負わないものとします。

要は「クラウドで2台のマシンに同期する機能ができたけど、フォントライセンスのことは考えてないからお前ら勝手に確認してやれ」ということになるわけで……。



まあ言うまでもなくですが、市販されている大抵の日本語フォントでは、おおむね下記の制限利用規約がつくことが多いです(あくまでも一般論的なもの)。

  • インストールできるのはPC1台だけ
  • 使えるのはあくまでも印刷に順ずるものだけ
  • フォントファイルや中のデータ取り出したらあかん
  • ロゴとして商標登録とかするな
  • サーバとかにフォント入れるな

つうか最初のだけで既にこの新機能的には駄目なわけですが、サーバに入れるのもほとんどの場合は駄目(というかサーバライセンス以外に良いケースを聞いたことがない)って考えると、どうにもならないわけでして。
「クラウドなんだからサーバじゃないだろ」という人もいるかもしれませんが、ファイル保存型のクラウドなんてぶっちゃけて単なるファイルサーバと変わりありませんがな……。



この新機能、英語版が出た時点で知っていたわけですが、日本語版だとどうするんだろうと思ったら、免責事項を持ち出してきたわけで……まあほかにないだろうけれども。
ともあれこれ、使えるとしたらライセンス的に制限の緩いフリーフォントやオープンソース系フォントくらいしかないわけで、それらをわざわざ市販のフォント管理ソフト使うだけのメリットがどこまであるんだろう的な話になると思いますです、はい。



ちなみにこの免責事項に関する文言、Extensisの本家のほうでは書いてないっぽいです。なのでまあ、日本語版としてTooが書いたものだろうと思うけれども、まあ、Too的には各種日本語フォントの販売代理店やってるわけだから、そりゃまあ、気遣って当然の状態だろうと思います。
むしろ欧文系フォントにおいてもサーバに入れたらいかんとは思うんだけれども(昔見たLinotypeのEULAでは確かそうなってた記憶あり)、その辺の兼ね合いってどうなっているのだろうかと。Extensis的にはそんなことは知らんって話なのかもしれない。



ちなみに日本語版の発表は8月19日で発売予定が9月1日だったらしいですというのがなぜが8月24日付のページに入っているのがいまいちわからん……あと英語版は今年の春くらいには出てたと思いますです。本当はその時点でネタにする予定だったのだけどすっかり忘れてました。

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