十河存保とは (ソゴウマサヤスとは) [単語記事]

「十河存保」（そごう・まさやす 1554 ～ 1586）とは、「鬼十河」と呼ばれた十河一存が早世した後に家督を継ぎ、長宗我部元親と四国で争った武将であり、衰退する三好家の中で気を吐いたが、後に戸次川の戦いで散った悲劇の人物。

概要

三好四兄弟の次男・三好義賢の子に生まれ、実子が三好長慶の養子となっていた鬼十河こと十河一存が湯治中に落馬した傷が元で急死した後、十河家の養子となって家督を継いた。

その後も三好家に従っていた十河存保だったが、あっという間に父・三好義賢が戦死し、叔父・安宅冬康が死に、当主・三好長慶も死んでしまって後ろ盾が弱くなった事から、四国の雄・長宗我部元親の侵攻を防げないと判断して、敵対していた織田信長に降る道を選んだ。

土佐の海賊王出来人こと長宗我部元親が三好家の本領である阿波や讃岐に侵攻してくると、阿波で対抗していた実兄・三好長治が異父弟の細川真之に自害に追い込まれて阿波を失陥すると、四国での三好家の代理となった十河存保が勝端城に入って兄の仇である細川真之を敗死させ、長宗我部元親の軍勢と戦い、ひどい豪雨により長宗我部元親の軍勢が洪水に見舞われたところに攻め込んで激戦を繰り広げたが、名のある武将の多くが戦死してしまったため、十河存保は讃岐へとを撤退し、三好康長と共に織田信長の四国遠征軍に参加していたが、本能寺の変により事態が急変し、時をあわせて讃岐に攻め込んできた長宗我部元親との中富川の戦いにおいて水攻めに敗れて四国を脱出した。

その後、豊臣秀吉に臣従して四国征伐に協力した事から旧領の讃岐十河城を取り戻したが、今は味方同士ながら内心は仇敵である長宗我部氏と共に、豊臣秀吉の命により仙石秀久をリーダーとする九州征伐軍に参加し、先鋒を担当して九州に上陸した。

大友宗麟が約定を破って攻め込んできたから自衛の為に北九州へと攻め込んだ島津家の軍勢に攻撃されていた鶴ヶ城の救援に赴いて戸次川に陣を置いたた九州征伐軍は、

「敵はしょせん小勢である。戸次川を渡り、敵を蹴散らせば鶴ヶ城は救えるだろう」

と言う仙石秀久の「わたしにいい考えがある」級の浅はかさに、仇敵・長宗我部元親・長宗我部信親の親子と共に

それこそ敵の思うがつぼであり、ここは川を挟んで敵と対陣し、出方をうかがい、本体との合流を待つべきである

と反対したが、駄目司令官モード全開となった仙石秀久に意見を退けられて、川を渡って攻撃することになった。
※なお、資料によっては十河存保は仙石の案に反対するどころか、むしろ長宗我部への対抗心からか、積極的に賛成したと言う説もある。

しかしそこはすでに戦国最強の釣り師・島津家久により釣堀と化していた。

島津勢の釣り野伏によりおびき出された九州征伐軍は、島津軍の包囲攻撃により混乱・瓦解した上、
真っ先に司令官の仙石秀久が逃亡してしまった為に混乱を収拾することが出来ず、戦いの最中に奮戦していた十河存保は討ちとられてしまい、長宗我部信親と共に島津家久の朱功コレクション入りしてしまうのだった。

享年33歳。

その後、十河家は当主討ち死により改易。
後に生駒親正に養育されていた長男も不審死遂げ、十河家は断絶した。

※その他「十河存保」の詳細についてはWikipediaの該当記事参照の事。

補足

「信長の野望」（PC）シリーズにおける十河存保（三好存保）の能力一覧。

	軍事能力						内政能力
戦国群雄伝(S1)	戦闘			47			政治	36	魅力	81	野望	53
武将風雲録(S1)	戦闘			69			政治	31	魅力	61	野望	58	教養	58
覇王伝	采配	71	戦闘	68	智謀	58	政治	32			野望	58
天翔記	戦才	140(A)			智才	96(C)	政才	114(B)	魅力	71	野望	66
将星録	戦闘			68	智謀	49	政治	56
烈風伝	采配	68	戦闘	57	智謀	38	政治	47
嵐世記	采配	62			智謀	28	政治	40			野望	55
蒼天録	統率	63			知略	43	政治	40
天下創世	統率	63			知略	42	政治	40					教養	48
革新	統率	72	武勇	75	知略	47	政治	43
天道	統率	72	武勇	75	知略	47	政治	43
創造	統率	69	武勇	70	知略	50	政治	47