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ドーハの歓喜とは、1993年にカタール・ドーハで行われた1994 FIFAワールドカップのアジア地区最終予選の最終戦で後半ロスタイムに同点ゴールを決められ本大会出場を逃したドーハの悲劇の対義として以下の試合のことを指す。
2022年5月19日に行われた2022 FIFAワールドカップの抽選で日本はグループEに割り振られたが、グループ内には2010 FIFAワールドカップ優勝のスペインと2014 FIFAワールドカップ優勝のドイツが入り、日本にとって予選突破は非常に厳しい状況となってしまった(最後の1枠はこの時点で決まっていなかったが、6月14日に行われた大陸間プレーオフでニュージーランドを破ったコスタリカが入った)。
各国のメディアは「グループEはスペインとドイツがグループ突破の鉄板、日本とコスタリカはノーチャンス」という予想が大多数で、特に日本は事前の強化試合でFIFAランキング41位で36年ぶり2回めのワールドカップ出場となるカナダに1-2で敗れるなど調子がいいとは言い難く、「スペインとドイツにとって日本は敵ではない」「初戦(ドイツ戦)はどっちが勝つかではなくドイツが日本から何点取るか」という様相を呈していた。
日本時間午後10時に日本対ドイツ戦がキックオフ。前半8分に伊東純也からのクロスから前田大然がシュートを放つもオフサイドを取られノーゴール。その後はドイツがボールを完全に支配しシュートの雨を降らせ、前半31分にGK権田修一が相手を押し倒す形でPKを取られ、これを決められ先制点を許してしまう。終了間際にあわや2点目を取られ万事休すと思われたが、VARでオフサイドと判定されたことで助けられ、前半終了。この時点でドイツのシュート数が14に対して日本はわずか1、パス成功数は422に対して日本は62、支配率にいたってはドイツが81%に対して日本が19%と一方的展開で、「これで1点に抑えられたのが奇跡」とまで言われていたが、後半は日本が耐えられなくなり大量失点で完膚なきまでに叩きのめされる…と誰もがそう思った。
後半早々、森保一監督はドイツに対応するべく様々な策を講じる。まず久保建英に替えて冨安健洋を投入しシステムを4-2-3-1から3-4-2-1に変更。その後も三笘薫、浅野拓磨、堂安律を次々と投入して攻撃力を強めていった。ドイツは前半同様日本のゴールに襲い掛かるが権田修一の好セーブで点が取れず、逆に日本の攻撃にDFが次第に疲弊していく。そしてついに後半30分、ドイツGKマヌエル・ノイアーがはじいたボールを堂安律が押し込み同点。さらに8分後の後半38分にはクロスボールを受けた浅野拓磨がドリブルで攻め込み、最後は右サイドから強烈なシュートでゴールを決め逆転した。終盤はシステムを5-2-3にしてドイツの反撃をかわしてそのままホイッスルが鳴り、2-1で勝利をおさめた。
最終的にシュート数はドイツ26に対して日本12、ボール支配率はドイツ69%に対して日本は31%と一方的展開だった状況での勝利に日本は狂喜乱舞。ドーハの歓喜またはドーハの奇跡という言葉がSNSで溢れかえった。
なお、この試合の直後に行われたスペインとコスタリカの試合はスペインが終始圧倒し、7-0(炭鉱スコア)で勝利、しかもコスタリカはシュート0という圧倒的状況となった。日本がドイツを破ったことで勝ち点6だけでは得失点差でグループリーグを突破できない可能性があると判断し大量得点を得る必要があったこと、コスタリカが2014 FIFAワールドカップのグループDでウルグアイ、イタリア、イングランド(コスタリカ以外の3チームは優勝経験があり、死の組と言われていた)相手に2勝1分の快進撃を見せて首位で突破したことがあることから、勢いに乗せてはいけないと踏んでスペインが本気を出したと思われる。
日本時間午後7時に第2戦のコスタリカ戦がキックオフ。FIFAランキング的に下位のコスタリカが相手ということもあり、ドイツ戦とうってかわって攻撃に転じる。しかしコスタリカは前の試合で7失点で負けた教訓から5バックでガチガチに守ったこと、またドイツ戦からメンバーを大幅に入れ替えたものの連携がうまくいかず点が取れずに時間だけが過ぎいった。そして後半36分に吉田麻也のクリアミスからコスタリカのDFケイセルがボールを奪い、そこから空きスペースを狙ってミドルシュートを放ち、権田修一が取れずにゴールに吸い込まれて失点。そして試合終了となり、コスタリカ相手に敗れてしまった。
ドイツ戦の歓喜が嘘のような敗北劇にネットもメディアも大荒れ。監督や選手の戦犯探しは勿論、「テレビ朝日が放送したから試合に負けた」という理由(ワールドカップでの日本戦3連敗)でテレビ朝日も叩かれ、しまいにはドーハの歓喜という言葉もフラグ扱いで叩かれてドーハの悲劇再びやドーハのぬか喜びという言葉まで出るあり様であった。
ちなみにコスタリカであるが、前述のグループリーグを首位で突破した2014 FIFAワールドカップにおいて、決勝トーナメントでもEURO2004優勝のギリシャに勝利しベスト8になるなど、FIFAワールドカップでは日本より好成績をおさめているので、そもそも格下扱いは失礼である。
1勝1敗で迎えたグループステージ最終戦。相手のスペインはコスタリカ戦の7-0大勝に続きドイツ相手にも1-1で引き分け1勝1分とポット1にふさわしい成績で日本戦に挑むことになった。
最終戦は同グループ内の他試合(ドイツvsコスタリカ)と同時進行ということもあり日本時間午前4時にキックオフ。すると最初からスペインの猛攻が始まり、前半11分にアルバロ・モラタのゴールでスペインが早くもリードし、「スペインがこの後日本から何点取るか」という状況になった。しかしその後はスペインがボールをキープしつつもあまり無理をしなかったこともあり、前半を0-1で折り返す。
後半開始時に森保一監督は堂安律と三笘薫を投入すると、ドイツ戦の再来が起こるとこになった。まず後半3分に伊東純也が相手と競り合って流れたボールを堂安律がミドルシュートで決め、まず同点。さらに3分後、堂安律がゴールから外れたボールを三笘薫が拾い上げ、このボールを田中碧がゴールに押し込む。このプレーはVAR判定となった(三笘の1mm)がゴールが認められ、ついに逆転に成功した。一方逆転されたうえコスタリカがドイツが2-1とリードしている(この時点でコスタリカが2位となり、グループステージ突破の可能性があった)ことからこのままではグループステージ敗退の危機があったスペインが再度襲い掛かるも得点を与えず試合終了。シュート数はスペイン12本に対して日本は6本、ボール支配率はスペイン80%に対して日本は20%(ポゼッション率だとスペイン82.3%に対して日本17.7%)とドイツ戦以上に差があったうえでの勝利にドーハの歓喜が再び巻き起こり、これにより日本は大会前の予想を覆し2勝1敗の首位でグループステージを突破した。
同時進行の試合ではドイツが逆転し4-2でコスタリカを破ったことでスペインとドイツが勝ち点で並んだが、得失点差でスペインが2位で突破し、一方でドイツは2018 FIFAワールドカップに続いて2大会連続グループステージで敗退することになった。もし日本とスペインが引き分けだった場合スペインが1位ドイツが2位で日本がグルーステージ敗退となっていたことからスペイン戦の勝利がいかに歓喜であったかがわかると思われる。
決勝トーナメントに進出した日本はベスト16で前回準優勝のクロアチアと対戦。前半43分に前田大然がゴールを決めてドーハの歓喜は続くと思われたが後半追いつかれ、延長戦でも決着がつかずPK戦に突入。そこで日本は3人が失敗し、ベスト8に届かなかった。一方「1位通過だとベスト8でブラジルと当たるので、それを避けるため2位通過を狙った」と言われていたスペインであったが、こちらもダークホースのモロッコ相手にPK戦で3人が外して敗退。日本によって「死の組」と化したグループEの国はここで全滅となった。ちなみに日本を破ったクロアチアであるが、ベスト8でスペインが避けるほど強いと言われていたブラジル(実際ベスト16で韓国相手に前半だけで4点を取り、後半は体力を温存して4-1と快勝)相手にPK戦までもつれ込んで勝利しており、(グループステージを含めて)日本のくじ運が最悪だった可能性が浮上している(とはいえベスト8に残ってるメンツ見たらどこも勝てる気がしないところばかりだけど)。
直近の日本代表の状況や強豪を倒したこと、またドーハの悲劇のイメージからこの試合の勝利は歓喜であるといえるが、奇跡であるかについては意見が分かれる。
まず対戦時のFIFAランキングでドイツは11位に対して日本は24位と思ったより差が開いておらず、抽選でもドイツがポット2に対し日本はポット3と隣り合っている。これはドイツは2018 FIFAワールドカップで韓国に敗れるなどグループリーグ敗退、EURO2020でもベスト16止まりとランキングを落としたためで、2010 FIFAワールドカップで日本が3-1で勝利したデンマーク(10位)より下回っている。また、ヨアヒム・レーヴの長期政権からの脱却を始めたばかりで世代交代の最中であり、マヌエル・ノイアーやトーマス・ミュラーなど2014 FIFAワールドカップで優勝した時のベテランが多く残っている状況であった。
番狂わせの指標としてアメリカのグレースノート社が各種資料をもとに発表している勝利確率にて日本がドイツに勝利する確率は25.5%とされ、これは2018 FIFAワールドカップでコロンビアに勝利した時の18.5%よりも高く、BBCのサッカー解説員も「能力的に日本は過小評価」と評し試合前には「日本はドイツに勝利する」と予言するなど奇跡と呼べるほどではないとされている。
スペインに関してもアンドレス・イニエスタやダビド・ビジャなどがいた2008年から2012年頃はワールドカップやUEFA欧州選手権で優勝するなどしていたが、2014 FIFAワールドカップではグループリーグ敗退、2018 FIFAワールドカップではベスト16敗退とかつての無敵艦隊ぶりは影を潜めている。ちなみに対戦時はFIFAランキング7位で日本とは17位差あるから奇跡ではと思われるが、先述の2018 FIFAワールドカップではコロンビアが16位だったのに対し日本は61位(前回大会でグループリーグ未勝利敗退、AFCアジアカップ2015でもベスト8止まりなど低迷しており、当時の本大会出場国ではサウジアラビアの67位に次ぐ低ランクだった)と45も差があり、ランキングベースではコロンビア戦に勝った時のほうが奇跡である。
また、サッカー日本代表で「奇跡」と呼ばれる試合は1936年のベルリンオリンピックで大学生中心の日本が金メダル候補だったスウェーデン相手に3-2で勝利したベルリンの奇跡や、1996年のアトランタオリンピックでU-23日本代表が1994 FIFAワールドカップの優勝メンバーもいたブラジル相手に1-0で勝利したマイアミの奇跡があるが、たとえばWikipediaではこの2つの奇跡すら日本語版しか作られていない(ちなみにドーハの悲劇は日本語以外でも12言語で記事が作成されている)。日本は奇跡として扱いすぎる風潮があるため、多用は慎重になったほうがよい。
ちなみにドイツ戦の前日(22日)にサウジアラビアがリオネル・メッシ擁するアルゼンチンに2-1と逆転勝利しているが、FIFAランキングでアルゼンチンが3位(ポット1)に対してサウジアラビアは51位(ポット4)と明らかに戦力差があり、先述の勝利確率も8.7%と過去最高の番狂わせとされている。こちらの勝利は(試合会場がルサイルスタジアムであることから)ルサイルの奇跡と呼ばれており、サウジアラビアは翌23日に急遽国民の祝日になったほどである。
ドーハの歓喜と称される各試合の会場はすべてハリーファ国際スタジアムであるが、実はこのスタジアムはドーハではなくライヤーン行政区のバーヤという場所にある(ドーハの悲劇の会場はアル・アリ競技場で、こちらはドーハにある)。そのためドーハの歓喜という言葉は地理的に正しくなく、ハリーファの歓喜またはバーヤの歓喜が正しいのではという意見もある。ただバーヤはドーハに隣接しており、日本でいうならドーハが東京ならバーヤは千葉県浦安市に位置する場所で、「これダメなら(浦安市にある)東京ディズニーランドもダメでは」ということになりかねない。
そもそも論として、カタールは総国土面積11,570平方キロと、日本の都道府県では秋田県の11,612平方キロとほぼ等しい程度の面積でしかない。さらに総人口293万人の8割強にあたる238万人が面積132平方キロのドーハに集中している、という点で、ほぼ「ドーハ及びその周辺」と「それ以外」に分かれるような環境である。秋田県の総人口96万人に対し、面積906平方キロの秋田市に居住するのが30万人と3割強であることと比較すると、カタールにおけるドーハへの一極集中ぶりが容易に理解できよう。
このような国土のため、大会の開催会場もドーハから50km(およそ東京都心から東京ドイツ村(千葉県)への距離に相当)離れているアル・ホールを除けばすべてのスタジアムがドーハとその周辺に所在しているという、ワールドカップでも近年に例を見ないほどのコンパクトな大会である。例えて言うなら「秋田ワールドカップ」が開催されて秋田市に試合会場を集中させ、1会場だけ秋田県第2の都市である横手市にしているような大会である。よって(広義的意味合いから)ドーハとして扱っても問題はない。
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最終更新:2024/12/24(火) 00:00
最終更新:2024/12/23(月) 23:00
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