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1. しくみ(摩擦帯電・接触帯電) 異なる物質が触れて離れると、表面の「電子を渡しやすさ/受け取りやすさ」(仕事関数・電子親和力・表面状態)が違うため、電子が一方から他方へ移動します。離れた時に電子を受け取った側がマイナス、失った側がプラスに帯電します。 2. なぜプラスチック(エボナイト等)はマイナスになりやすいか ・多くの樹脂表面には、余分な電子を安定に「捕まえる深いトラップ(欠陥準位)」や、電子を引き寄せる官能基(特にフッ素化、高硫黄化など)があり、受け取った電子が逃げにくい。 ・樹脂は絶縁性が高く、移動した電荷が中に拡散せず表面に留まりやすい。 → その結果、電子を貯め込んでマイナスに帯電しやすい。 3. なぜガラス棒はプラスになりやすいか ・ガラス(SiO2)表面は –OH(シラノール)や吸着水で覆われ、接触時に電子を相手へ渡しやすく、逆に正電荷(あるいはプロトン移動による表面の正電性)が残りやすい。 ・ガラスは表面に深い電子トラップが少なく、受け取った電子を保持しにくい。 → 結果として電子を失い、プラスに帯電しやすい。 4. 重要な補足(「物質そのもの」の要因と現実のゆらぎ) ・帯電のしやすさは主に表面の化学(官能基、吸着分子、欠陥準位、実効仕事関数)という“物質そのもの”の性質に由来します。 ・ただし実際は、湿度(吸着水が増えるとプラス寄り・放電しやすくなる)、表面の汚れ・酸化、粗さ、温度、相手材料、こすり方(圧力・接触面積・剥離速度)で容易に変わります。 ・そのため経験的な「帯電列」はある程度当たりますが、条件次第で順序が入れ替わることもあります。 まとめ エボナイトや多くのプラスチックは表面が電子を安定に保持できる(受け取り側)ためマイナス、ガラスは電子を渡しやすく保持しにくい(供与側)ためプラスになりやすい。決め手は表面の電子親和性・トラップの有無と絶縁性で、環境条件が結果を強く左右します。
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質問者からのお礼コメント
回答ありがとうございます!
お礼日時:10/1 14:43