ベストアンサー
原作ではレゼが乗ろうとしたのは「新幹線つばさ 山形行き 11時8分発」で、実際の東京駅発の時刻表とも一致しています。 これは都会(東京)から田舎(山形)へ向かうレゼの選択を示しており、デンジとレゼ、同じタイミングでアキと天使が「都会のネズミ・田舎のネズミ」の話をしていたこととリンクします。 天使は「田舎のネズミ」を選んだ側の存在でしたが、実際にはマキマに都会へ強制的に連れて来られています。 一方でレゼは自らの意思で「田舎」を選び、山形へ逃げようとしました。 しかし、田舎を望んだはずの天使自身の手で、田舎を選んだレゼが殺されるのは大きな皮肉が込められていると考えます。 すなわち「田舎のネズミ」を選んだとしても、結局は都会(=支配)の力に絡め取られ、自由にはなれないという宿命を暗示し、また、殺し方が天使が槍を左胸(ハート)に放つというやり方でどこまでも皮肉がきいた描写でした。 また、作者・藤本タツキ氏の母校(大学)が山形にあり、原作で山形が選ばれたのは自然な流れでしょう。 一方で劇場版で仙台に改変されたのは、観客にとって分かりやすい東北の入口としての「仙台」の知名度を優先したためと考えられます。 さらに東北の厳しい冬のイメージは、レゼの出身地であるソ連の寒さとも重なります。 もっと考察を深めれば上記の部分の描写中に他にも関係や因果などがあるかと思われますが、他も含めると質問者様の求めるものから遠く離れていきそうなのでここで折り合いをつけ、私なりの考察とさせていただきます。
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質問者からのお礼コメント
とても納得のいく回答ありがとうございます 改めて原作をもう一度読み返してみようと思います
お礼日時:10/8 12:12