【ハルコ】です。 ジジスキ殿に謹んでお伺い致します。 「致す (いたす)」の漢字/仮名表記につきまして、真に学識をお持ちの常駐参加者氏が下に引用したような御解説をなさっていますが、これに関する御意見をお聞かせ下さい。 飽くまでも一般論です。 ㅤ ㅤ 《 補助動詞であろうとなかろうと、「いたします」の「致す」は「常用漢字表」に掲げられている字種ですので、学校教育では、漢字で書こうが平仮名で書こうが自由です。 ◆「常用漢字表」(平成 22.11.30・内閣告示第2号) https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kijun/naikaku/pdf/joyokanjihyo_20101130.pdf u【漢字】【音訓】........【例】 ..致......チ..........誘致、合致、風致 ..........いたす........致す ㅤ 公用文では「常用漢字表」(平成 22.11.30・内閣告示第2号) に掲げられている漢字は漢字で書くようになっていますが、常用漢字表」に掲げられている漢字であっても、仮名書きする語が決められています。 ◆『公用文における漢字使用等について』(平成 22.11.30・内閣訓令第1号) https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kijun/sanko/koyobun/pdf/kunrei.pdf ㅤ および、最新の ◆『「公用文作成の考え方 (建議)」(付)「公用文作成の考え方 (文化審議会建議)」解説』 (令和 4.1.7・文化審議会) https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/hokoku/93650001_01.html ㅤ いずれにも、「いたす」は仮名書きにする例語として掲げられていませんし、【補助動詞は平仮名で書く】という文言はいっさい記載されていません。 (「補助動詞」という語も使われていません。) ㅤ ただし、「文部科学省 用字用語例」(平成23年3月・大臣官房総務課) のは、漢字と平仮名の用例が示されています (下記参照)。 この例は、文部科学省で公用文を作成する上での参考にするため、「常用漢字表」、「公用文における漢字使用等について」に基づき、一般に類を要する用字用語例の標準を示したもの、です。 ㅤ 【見出し】......【書き表し方】【備考】 ..いたす........致す..........致し方ない、繁栄を致した原因 ..........いたす..........御紹介をいたします ..........…いたす.......御案内いたします ㅤ ここでも「公用文」の作成の場合です。 公用文以外の表記に適用するものではありませんので、このような書き分けは学校教育では学習しません。 また、上記の例の2行目は、動詞「する」の謙譲語「いたす」ですので、本動詞にもかかわらず平仮名で表記しています。 3行目が補助動詞の例ですが、これも平仮名で表記しています。 このことからも【補助動詞は平仮名で書く】というのは、ふさわしくない表現であることがわかります。 ㅤ また、『公用文における漢字使用等について』は「内閣訓令」ですので、公務員が業務上の書類を作成する場合の基準ですが、それ以外の表記にはこだわる必要はありません。》 ㅤ ㅤ