回答(6件)

日本で海外からソーセージやハンバーガー、真空パック肉などの畜産加工品の持ち込みが厳しく禁止されている主な目的は、家畜伝染病の国内侵入を防ぐためです。 これは人の食中毒対策ではなく、あくまでも動物(家畜)への感染防止に焦点を当てた措置です。 輸入禁止の法的根拠と対象 この輸入禁止措置は家畜伝染病予防法に基づいています。この法律により、外国で製造・加工された肉製品(生か加熱済かを問わず)の個人による持ち込みは原則として禁じられています。 持ち込みが例外的に許されるのは、輸出国政府が発行した厳格な動物検疫証明書(検査証明書)が添付されているものに限られます。空港検疫で証明書のない肉製品が発見された場合、没収・焼却処分の対象となります。 病原体侵入のリスクと加熱の問題 海外では、日本には存在しない口蹄疫ウイルス(牛・豚など)、アフリカ豚熱(ASF)ウイルス、高病原性鳥インフルエンザウイルス、そしてBSE(牛海綿状脳症)の原因であるプリオンなど、農業・畜産に甚大な損害を及ぼす家畜伝染病の病原体が広く分布しています。 これらの病原体は、人には感染しなくても、一度国内家畜に入ると深刻な影響を及ぼします。 病原体は肉の中や脂肪、さらには真空パックの内部にも残る可能性があり、問題となるのは加熱済みであっても完全な不活化(無害化)が保証できない点です。 耐熱性の問題: ASFウイルスなど一部のウイルスは非常に耐熱性が高く、通常の調理温度である60〜70℃で数十分加熱しても完全に死滅しないことがあります。 加熱殺菌の限界: BSEの原因物質であるプリオンのように、通常の加熱殺菌では不活化が極めて困難な病原体も存在します。 加熱ムラ: 真空パック内部や脂肪層では加熱にムラが生じやすく、現場レベルで確実な無害化が証明できないため、予防的な措置として全面的に持ち込みが禁止されています。実際に、過去には海外から持ち込まれた加熱済ソーセージからウイルスが検出された事例もあります。 人間への影響と注意点 検疫が問題視しているのは家畜感染のリスクであり、人間が海外でハンバーガーなどを食べる行為自体に問題はありません。 しかし、食べ残し、その包装、あるいは手に付着した病原体が日本国内に持ち込まれ、それが畜産現場に広がるリスクがあるため、農林水産省の動物検疫所は、入国後はしばらく家畜や動物との接触を控えるよう注意を呼びかけています。

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1152284931さん 日本は肉製品の輸入を原則として禁止しているのです。 それは病原体が外国から日本に入るのを防ぐためです。 「病原体」なので、加熱殺菌できるカビとか細菌だけではなく、ウイルスや はてはプリオン[例)狂牛病の病原体)]まで意味的には含みます。 加熱殺菌済となっていても、病原体が残存していない保証はない、というのが 日本の検疫のスタンスです。 日本に輸入ができるものは、輸出国側の政府機関が発行した「検査証明書」が ある場合です。例えば大手の企業が海外から輸入している肉製品はこの 検査証明書があるものを取り扱っているのです。 ソーセージや真空パックの肉の場合には、他の回答者様が既にお答えですが 外観で完全に病原体が不活化できているかの判断ができません。 実際、持ち込まれて没収された加熱済みとおぼしきソーセージから 病原体ウイルスが発見された例があるとのことです。 https://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo/FAQ.html#q1-4 また空港や機内食とかで入手したハンバーガーのようなものの場合は 「検査証明書」がなければ持込みが許可できないのでダメです。 空港の免税売店で「これは持ち込めるよ」等と説明されても「検査証明書」が キチンとつけられていなければ持込み不可で没収されます。 あくまでも動物に対する感染を引き起こす病原体なので、人間には無害、と いう例も多くあります。ですから帰国前に空港のショップとかでハンバーガーを 食べるのは対象外なわけですね。検疫対象の病原体が仮に付着していても 人間本人には異常を引き起こしません。 ただ人間に付着し残っているウイルスなどが、人間が動物に接触したときに 感染源となる可能性はないわけではないので、入国後しばらく(一週間 くらい?)はふれあい動物園のような施設や家畜等との接触は控えるよう 呼びかけられているようです。 https://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo/FAQ.html#q2-1

家畜の伝染病の防疫のためなんですが、 それらがしばしば食中毒の感染源になるということからも、病原体の媒体になり得ることは容易に想像できるでしょう?

加熱が本当に充分か?全ての物を確認するのが難しいからだそうです。実際に加熱加工のソーセージから伝染病が検出されたケースも有るらしく、日本の家畜、食肉、それに伴う食品流通、経済を守る為に、念には念を…と言う事の様です。