難波和彦
住宅|2004年
[鼎談]
なぜ「技法」なのか? 今村──今回の「建築の技法」という特集は、建築について語る時、建築家によるコンセプトにそのまま寄り掛かるのではなく、また建築の技術について...後松之山「森の学校」キョロロ》 ・難波和彦《箱の家83》 ・苫田ダム 制度─都市 共通認識としての社...
『10+1』 No.35 (建築の技法──19の建築的冒険) | pp.72-87
[現代住宅論 1]
この連載では、現代の住宅が抱えているさまざまな課題について考えてみたい。できるだけ広いコンテクストで考えるつもりだが、僕自身、実際の設計に携わっている立場なので、視点の偏向を免れることはできない。しかしあえて特定の視点から出発し、徐々に視点を拡大しながら最終的には自分の視点を相対化する方向へ進むように努力するつもりであ...
『10+1』 No.44 (藤森照信 方法としての歩く、見る、語る。) | pp.200-209
[スタディ]
リチャード・バックミンスター・フラー(1895-1983)は、20世紀最大のテクノロジストであり哲学者である。彼は近代建築の巨匠ル・コルビュジエ(1887-1965)やミース・ファン・デル・ローエ(1886-1969)より少し若いが、彼らとほとんど同時代を生き抜いた。アメリカで生まれ育ったフラーは、ヨーロッパ生まれのモ...
『10+1』 No.49 (現代建築・都市問答集32) | pp.155-166
[対談]
素材/エンジニアリング 難波和彦──今日の対談のテーマは、素材がどう建築を変えるかという問題なんだけども、実を言えば素材が建築を変える時代はもう終わっているというのが一般的な結論で、これから建築を変えていくのは素材よりもエネルギーというか室内気候のような条件なのではないかと言われている。つまり目に見える条件よりも、目に...
『10+1』 No.28 (現代住宅の条件) | pp.58-73
[現代住宅論 5]
序 先頃、東京で開催された展覧会「ル・コルビュジエ展:建築とアート、その創造の軌跡」において、ル・コルビュジエの《パリのアトリエ》、《小さな休暇小屋(カップ・マルタン)》、マルセイユの《ユニテ・ダビタシオン》の住戸単位の三つの空間の現寸大模型が展示された。それぞれ内部に入ることが可能であり、実際の空間のスケールを把握で...
『10+1』 No.48 (アルゴリズム的思考と建築) | pp.226-233
[現代住宅論 6]
『建築的無意識』は一九九一年に出版された僕にとって初めての本のタイトルである。この本は一九八〇年代に書いたエッセイをまとめたもので、住まいの図書館出版局から「住まい学体系」第三九号として出版された(現在は絶版になっている)。副題に「テクノロジーと身体感覚」とあるように、テーマは一九世紀以降に急速に進展したテクノロジーが...
『10+1』 No.49 (現代建築・都市問答集32) | pp.206-213
[現代住宅論 4]
最近、若い建築家や建築研究者がクリストファー・アレグザンダーのデザイン理論に注目している。大きな潮流になっているわけではないが、彼らの紹介を通じて、アレグザンダーのデザイン理論は再び見直されるような予感がする。彼らは現時点でのアレグザンダーのデザイン理論に注目しているが、それだけでは彼の理論の可能性を十分にくみ取ること...
『10+1』 No.47 (東京をどのように記述するか?) | pp.213-222
[現代住宅論 7]
前回の「建築的無意識」では、ヴァルター・ベンヤミンの「複製技術時代の芸術作品」からヒントを得て、建築空間が身体化・無意識化され、さらに、それが形による働きかけを通して揺り動かされるプロセスについて論じた。今回はこのアイディアをさらに先へ推し進め、「建築的無意識」を揺り動かし再編成する作業としてのデザイン行為と、それを支...
『10+1』 No.50 (Tokyo Metabolism 2010/50 Years After 1960) | pp.277-285
[現代住宅論 3]
「アルミエコハウス」の開発・実験プロセス 伊東豊雄を座長として「住まいとアルミ研究会」が発足したのは一九九八年二月である。佐々木睦朗と筆者が参加を要請され、アルミニウム構造に造詣の深い構造家・飯嶋俊比古とアルミニウムのデザインを手がけてきた内山協一を加えた小さな委員会がスタートした。会の目的はアルミニウム合金を構造に使...
『10+1』 No.46 (特集=宇宙建築、あるいはArchitectural Limits──極地建築を考える) | pp.209-221
[建築家的読書術]
五年前、はじめて大学に研究室を持つことになったとき、研究室の方向性を明確に示すために「難波研必読書二〇」をリストアップすることにした。大学生にはちょっと無理かもしれないが、大学院生ならばこのくらいの本は読んでいて欲しいと考えたからである。 なぜ二〇冊なのか。特に理由はない。一〇冊に絞るのは難しいが、三〇冊では多すぎると...
『10+1』 No.38 (建築と書物──読むこと、書くこと、つくること) | pp.86-88
[現代住宅論 2]
今回はサステイナブル・デザインの理論的根拠について考えてみたい。そのために、まず建築を総合的にとらえるマトリクスを提案することから始めよう。 ローマ時代の建築家ウィトルウィウスは、建築を三つの条件によって定義している。「強・用・美」つまり、強さ、実用性、美しさである。ウィトルウィウスによる建築の定義は、そのまま近代建築...
『10+1』 No.45 (都市の危機/都市の再生──アーバニズムは可能か?) | pp.225-233
[技術と歴史 5]
素材と技術革新 安田──今日お話しすることは「ものづくり」の経験から得た素材に関連した話です。これまでさまざまな建築に出会って大きな影響を受けてきましたが、影響...な形態の違いは歴然としているのは確かです。 難波和彦──ルドルフの《イェール大学美術・建築学部...
『10+1』 No.43 (都市景観スタディ──いまなにが問題なのか?) | pp.212-221
[技術と歴史 4]
石山──今日は前半で設計などの考え方のべース、後半では開放系技術を実際にどのように表現しているかについて話したいと思います。 初めに、ロケット開発の歴史について...部をまかなうというものではないと思います。 難波和彦──鈴木博之流に言うと、技術はユニヴァーサ...
『10+1』 No.42 (グラウンディング──地図を描く身体) | pp.175-185
[作品構成]
アルゴリズム的思考を用いると従来の建築とどう変わるのだろうか? 僕自身これまで、「関数空間/Algorithmic Space」と題していくつかプロジェクトを発...ごとに「法」は洗練されていく。僕のなかでは難波和彦の「箱の家」シリーズをこのような生成プロセ...
『10+1』 No.48 (アルゴリズム的思考と建築) | pp.155-160
[技術と歴史 7]
グリッド批判 伊藤毅──都市にはインフラストラクチャーや都市計画などいろいろな技術がありますが、超時代的に存在してきた都市のかたちはグリッドです。グリッドは時代...ちになるところに問題があると思うのですね。 難波和彦──それを単純化していうと、政治的な権力関...
『10+1』 No.45 (都市の危機/都市の再生──アーバニズムは可能か?) | pp.213-224
[技術と歴史 3]
一九世紀的建築観の転倒 今日は「技術と装飾」がテーマですが、私にとっての装飾と技術との問題は、近代の問題と関わっています。装飾は近代とは二律背反のものであり、さ...鈴木先生の本質的なとらえ方だと思いました。 難波和彦──大変興味深い話をありがとうございました...
『10+1』 No.41 (実験住宅) | pp.177-187
[技術と歴史 10]
シミュレーション技術の向上と設計の変化 野沢正光──一九七〇年代、第一次、第二次と立て続けに「オイルショック」という問題が起きました。一九七二年には、ローマクラ...の興亡』(NTT出版、一九九六) 質疑応答 難波和彦──僕はこれまでに野沢さんの話を断片的には...
『10+1』 No.48 (アルゴリズム的思考と建築) | pp.215-225
[インタヴュー]
WikiとWikipedia 柄沢祐輔──江渡さんは現在Wikiを研究されており、その成果を昨年書かれた論文「なぜそんなにもWikiは重要なのか」(『Mobil...ないかと読み直されている気がします。例えば難波和彦さんは前期のアレグザンダーの思想には可能性...
『10+1』 No.48 (アルゴリズム的思考と建築) | pp.118-125
[福岡]
福岡リビングコンディション 「福岡リビングコンディション(以下FLC)」は、第二回福岡アジア美術トリエンナーレ二〇〇二に招待されたアトリエ・ワンと九州芸術工科大...ョン:住宅┼鰻の寝床 住所:博多区神屋町 • 難波和彦設計の箱の家集合住宅 • 単身赴任者をターゲッ...
『10+1』 No.30 (都市プロジェクト・スタディ) | pp.156-171
[技術と歴史 12]
山名善之──ジャン・プルーヴェは、家具デザイナー、エンジニア、プレファブの始祖という言い方がされてきています。もちろん、彼のデザインは個人の卓越した才能によって...はどうしようもないことだったとも思います。 難波和彦──今日はプルーヴェとフランスの話が中心で...
『10+1』 No.50 (Tokyo Metabolism 2010/50 Years After 1960) | pp.252-262
[技術と歴史 11]
...一──http://www.plea-arch.net/plea/home.aspx 質疑応答 難波和彦──今日出席したみなさんはサステイナブル・...
『10+1』 No.49 (現代建築・都市問答集32) | pp.180-189
[キーワード]
連続と切断の言語風景── 1990年代の都市と建築をめぐって 南泰裕 たったいま終わりを告げたばかりの、1990年代の都市と建築を切り出して、「何かが確実に変わ...スレッサー『エコテック──21世紀の建築』(難波和彦監訳、鹿島出版会、1999)、Miguel Ruano, EcoUrbanism, Su...
『10+1』 No.19 (都市/建築クロニクル 1990-2000) | pp.68-87
[現代住宅研究 2-4]
... 箱の家シリーズ第一作である《箱の家─I》(難波和彦、一九九五)[図9]とSOHO型個人用居住単位の別... ...されることになるのではないだろうか。 9──難波和彦《箱の家─I》 上から2階平面図、1階平面図、断...
『10+1』 No.19 (都市/建築クロニクル 1990-2000) | pp.21-25
[インタビュー]
...ミだけでストラクチャーをつくる住宅の研究を難波和彦さんや佐々木さんとやっています。 槻橋──ア... ...けになり、モデルをつくることになりました。難波和彦さん、佐々木睦朗さん、それにアルミ構造に造...
『10+1』 No.16 (ディテールの思考──テクトニクス/ミニマリズム/装飾主義) | pp.70-79
[1990年代以降の建築・都市 6]
...な空間をめざし、断面の構成を強く意識した。難波和彦は、さまざまな制限のなかで、「融通無碍な畳... ...号8──池辺陽《立体最小限住居》外観 出典=難波和彦「戦後モダニスム建築の極北」9──チャールズ...
『10+1』 No.30 (都市プロジェクト・スタディ) | pp.184-193
[技術と歴史 1]
...学的視点を提案したいと考えています。 文責:難波和彦 二〇〇四年一月 設立メンバー(五〇音順)... ...木博之(東京大学)、中川武(早稲田大学)、難波和彦(東京大学)、松村秀一(東京大学)、安田幸...
『10+1』 No.38 (建築と書物──読むこと、書くこと、つくること) | pp.180-193
[インタヴュー]
アトリエ・ワンと私──最初の出会い 永江朗──私の場合もそうでしたが、施主は設計を依頼するにあたってまず手紙を書くというアプローチが多いと思います。受け取ったと...れていく過程と一致すると思います。最近では難波和彦さんの《箱の家》はそういう個人化した規範を...
『10+1』 No.28 (現代住宅の条件) | pp.74-85
[批評]
《バルセロナ・パヴィリオン》[図1]や《チューゲントハット邸》において用いられた、四本のアングルを組んでクロームメッキのプレートで包まれた十字柱は、ミース・ファ...─同《IIT同窓会館》 Mies van der Rohe 註 ★一──難波和彦「柱と皮膜──ミース問題の展開」(『建築文...
『10+1』 No.16 (ディテールの思考──テクトニクス/ミニマリズム/装飾主義) | pp.110-112
[建築を拓くメディア]
跳躍台としての言葉 建築は、言葉では建たない。 千言万語を華麗に費やしてみても、建築が現実につくられゆく情況のなかで、言葉はモノの具体性に対して塵ほどの力も持ち...てはトーマス・ヘルツォーク、日本においては難波和彦といった建築家をはじめとして、多くの建築家...
『10+1』 No.38 (建築と書物──読むこと、書くこと、つくること) | pp.106-110
[キーワード]
レンタル──住まいを借りるということ このような話を聞いたことがある。東京では家賃が高いから、物を持っているとその分広い場所を借りなければならずランニングコスト...手できるようになっている。このサイトでは、難波和彦や谷内田章夫、梅林克といったいわゆる「建築...
『10+1』 No.28 (現代住宅の条件) | pp.100-119
[論考]
もしアレグザンダーが批判的まなざしを通して再召喚されているのだとしたら有意義でしょう。しかし先ずは忘れ去られた経緯について書いておくべきでしょう。 クリストファ...セヴェラルネス』鹿島出版会、二〇〇五)。 ●難波和彦「クリストファー・アレグザンダー再考」(『1...
『10+1』 No.49 (現代建築・都市問答集32) | pp.144-145