2025-01

2024・12・14(土)新国立劇場 モーツァルト:「魔笛」

       新国立劇場オペラパレス  2時

 4回公演の今日は3日目。ウィリアム・ケントリッジのドローイング・アニメを舞台美術に使い、彼自身が演出したプロダクションで、2018年10月、2022年4月に次いで今回が3度目の上演。

 この舞台に関しては、プレミエの年に観た公演(☞2018年10月3日)の際に書いたことに尽きる。ケントリッジの美術も、以前の「鼻」(ショスタコーヴィチ)や、「ルル」と「ヴォツェック」(ベルク)などとは比較にならぬほど平凡だし、演出に至っては、たとえ素人演出家でもこのくらいは簡単に出来るだろう、といった程度のものだ。ケントリッジの本領を紹介したいなら、前記の3つの作品のどれかを上演した方がいい。

 今回の指揮は、トマーシュ・ネトピル。新国立劇場での2012年の「さまよえるオランダ人」の指揮の時には、オケとの相性の問題もあったのか惨憺たる出来だったが、その後読響への何度かの客演指揮で名誉挽回を果たしていた。今回のオーケストラは東京フィルハーモニー交響楽団で、序曲は少々か細く頼りない演奏だったものの、全体としてはまず無難な出来だったと言えようか。
 とはいえ、かつてバイエルン州立劇場で聴いた「ファウスト博士」での名演を思い出すと、彼はもっと闊達な音楽をつくれる人だという気がするのだが━━。

 歌手陣は以下の通り━━パヴォル・ブレスリック(タミーノ)、駒田敏章(パパゲーノ)、九嶋香奈枝(パミーナ)、安井陽子(夜の女王)、マテウス・フランサ(ザラストロ)、升島唯博(モノスタトス)、清水宏樹(弁者他)、種谷典子(パパゲーナ)、今野沙知枝・宮澤彩子・石井藍(3人の侍女)、前川依子・野田千恵子・花房英里子(3人の童子)、秋谷直之(僧侶他)。
 安井陽子はこのプロダクションでは3度目の「夜の女王」だが、今回も熱演して気を吐いていた。新国立劇場初出演の種谷典子が爽やかな味を出して成功。

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