2025-01

2024・12・1(日)リオネル・ブランギエ&ミハイル・プレトニョフ

       東京オペラシティ コンサートホール  7時

 紀尾井ホールから新宿のオペラシティへ移動。こちらは、リオネル・ブランギエが東京フィルハーモニー交響楽団を指揮、ミハイル・プレトニョフが久しぶりにソリストとして協演する、という「夢の共演」(プログラム冊子表紙)が売り物。

 事実、ブランギエの指揮が水際立っていた。このフランス出身の若手は以前(☞2019年9月22日)東京交響楽団に客演した際に聴いただけだが、なかなかいい指揮者だという印象を得ていたのである。今日のムソルグスキー~ラヴェル編の「展覧会の絵」でも、オーケストラの音響的バランスを完璧に近いほど整え、切れのいいリズム感で明快に全曲を統一してみせた。所謂「胸のすくような演奏」の一例といえただろう。

 それはいいのだが、前半でプレトニョフがソロを弾いた、ウクライナ出身のアレクセイ・ショールとプレトニョフの合作とかいう「ピアノと管弦楽のための組曲第2番」には些か閉口した。
 「ダルタニャン」とか「トム・ソーヤ―」などの副題が付けられているところからすると、そういうジャンルの音楽か(それはそれでいいのだが)という予想はしていたが、実際に聴いてみると、ごくごく平凡な手法による一種の伴奏音楽のようなものに過ぎなかったのである。

 まあ、1回聴けばもういい、という程度の曲だったのだが、プレトニョフはブランギエとともに、その曲の中から、何とご丁寧にも4回もアンコールとして抜粋演奏をしてくれたのには、全く辟易させられた。演奏時間30分の作品を2曲だけという奇怪なプログラム構成の意味は、このアンコールに20分をかけるということにあったのだ━━。

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