2024・12・1(日)「新ダヴィッド同盟」
紀尾井ホール 2時
水戸芸術館・専属楽団「新ダヴィッド同盟」は、2010年に吉田秀和氏の命名により、庄司紗矢香(vn)を中心に結成されたものの由。
私は水戸芸術館に近年あまり足を運んでいなかったので、この「楽団」の活動については詳しく承知していないが、ロベルト・シューマンが音楽活動において、空想の中で創設したあの名高い革命集団の名に因んだものであれば、その意欲も意図も推察できようというものである。
今日の演奏会は、その庄司紗矢香を中心に、ピアノの小菅優と、かつてその名を世界に轟かせた東京クァルテットのメンバーだった池田菊衛(vn)と磯村和英(va)、それにスティーヴン・イッサーリス(vc)が加わるという豪華な顔ぶれによるものだったので、期待していた。
プログラムも、ベートーヴェンの「弦楽三重奏曲Op.9-3」、フォーレの「ピアノ三重奏曲Op.120」、シューマンの「ピアノ五重奏曲」という魅力たっぷりなものだったのである。
ベートーヴェンの「弦楽三重奏曲」冒頭がこれほど不思議な凄味を湛えて開始されたのを聴いたことはほとんど無かったし、フォーレの「三重奏曲」は━━些か洒落っ気の少ない演奏だったとはいえ━━この作曲家の魅力を味わうには充分なものだった。
圧巻は、やはり最後のシューマンの「五重奏曲」であったろう。この曲の場合、どんな演奏家がやっても著しくヴォルテージの高い音楽になるものだが、今日もその例に漏れず。特に第4楽章後半での追い込みと来たら、噴火山のような勢いにあふれて、久しぶりにスリリングな気分を味わわせてくれた。
アンコールは予想通り、その第3楽章。演奏の熱量の高さに、昔(1976年だったか)、フィンランドのクフモ音楽祭で、舘野泉さんがこの第3楽章の最初を、何を思ったか物凄い速さで弾き始めたため、他の協演者が泡を食って、それでも何とか最後まで弾き切り、演奏後に顔を見合わせて爆笑していた光景をふと思い出した。今日の小菅優さんのピアノは、もちろんそんな物凄いテンポではなかったが。
水戸芸術館・専属楽団「新ダヴィッド同盟」は、2010年に吉田秀和氏の命名により、庄司紗矢香(vn)を中心に結成されたものの由。
私は水戸芸術館に近年あまり足を運んでいなかったので、この「楽団」の活動については詳しく承知していないが、ロベルト・シューマンが音楽活動において、空想の中で創設したあの名高い革命集団の名に因んだものであれば、その意欲も意図も推察できようというものである。
今日の演奏会は、その庄司紗矢香を中心に、ピアノの小菅優と、かつてその名を世界に轟かせた東京クァルテットのメンバーだった池田菊衛(vn)と磯村和英(va)、それにスティーヴン・イッサーリス(vc)が加わるという豪華な顔ぶれによるものだったので、期待していた。
プログラムも、ベートーヴェンの「弦楽三重奏曲Op.9-3」、フォーレの「ピアノ三重奏曲Op.120」、シューマンの「ピアノ五重奏曲」という魅力たっぷりなものだったのである。
ベートーヴェンの「弦楽三重奏曲」冒頭がこれほど不思議な凄味を湛えて開始されたのを聴いたことはほとんど無かったし、フォーレの「三重奏曲」は━━些か洒落っ気の少ない演奏だったとはいえ━━この作曲家の魅力を味わうには充分なものだった。
圧巻は、やはり最後のシューマンの「五重奏曲」であったろう。この曲の場合、どんな演奏家がやっても著しくヴォルテージの高い音楽になるものだが、今日もその例に漏れず。特に第4楽章後半での追い込みと来たら、噴火山のような勢いにあふれて、久しぶりにスリリングな気分を味わわせてくれた。
アンコールは予想通り、その第3楽章。演奏の熱量の高さに、昔(1976年だったか)、フィンランドのクフモ音楽祭で、舘野泉さんがこの第3楽章の最初を、何を思ったか物凄い速さで弾き始めたため、他の協演者が泡を食って、それでも何とか最後まで弾き切り、演奏後に顔を見合わせて爆笑していた光景をふと思い出した。今日の小菅優さんのピアノは、もちろんそんな物凄いテンポではなかったが。