2025-01

2021・11・28(日)ミュージカル「蜘蛛女のキス」

       東京芸術劇場プレイハウス  6時

 ジョン・カンダ―(曲)&フレッド・エブ(詞)のコンビ━━あの「キャバレー」の作詞作曲コンビである━━によるミュージカル「蜘蛛女のキス」(1991年ロンドンで初演)が、今回は日澤雄介の演出、石丸幹二(ゲイの囚人モリーナ)、安蘭けい(蜘蛛女、オーロラ)ほかの出演で制作された。若い革命運動家の囚人バレンティンはダブルキャストで、今日は村井良大の出演。

 なお小編成のオーケストラはPAから音が流れるのみだったが、上方左右にあるモニターテレビからは、ピアノを弾きつつ指揮している人の姿(プログラム冊子には飯田緑子とクレジットされている)が見えていた。
 11月26日から12月12日までの上演で、17~19日には大阪(梅田劇場)でも行われる由。

 あのマヌエル・プイグの原作戯曲が、よくまあこういうミュージカルに仕立てられたものだと改めて感心してしまう。しかもミュージカルだと、オペラよりもずっとリアルなイメージが濃くなるので、やはりシリアスな物語としてわれわれに迫って来る。
 何しろ、刑務所の牢獄の中で━━原作では確かアルゼンチンのブエノスアイレスの刑務所だったが、このミュージカルでは「ラテンアメリカの刑務所」となっている━━繰り広げられるドラマゆえ、拷問やら何やらの陰惨なシーン(私の好みではない)もあるのだから。

 だがとにかく、石丸幹二の妖しい色気に満ちた演技の細やかさたるや、見事なものだった。音楽は、私の主観では、やはり60年代の「キャバレー」の方が傑作ではないかと思われるのだが━━。
 今回はPAが過度に音量を上げることのないレベルだった(つまり、耳を聾する大音響でなかった)ことも有難かった。

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