最後の番人、事例4。昨年は全く歯が立たなかった。今年はなんとか喰らい付きたい。
試験開始前に解答用紙が配られる。ちょっとだけ透けて見えるのは、なんと損益分岐点のグラフ。今年も一筋縄ではいかない予感。ちなみに昨年までは少し透けて読めていた問題冊子ですが、今年から紙質が変更されたのか透けません。
第1問
定番の経営分析。昨年と同じ配点40点、かつ長所または短所で重要なもの3つ。今年も長所きたか。まあ、予想の範疇なので驚きませんが、小数点以下桁数の指定が見当たらない。どういうことだ?と思いながら与件文を読み進めると、最後に「計算の結果は小数点第3位を四捨五入せよ」と指定があった。結局、いつも通りなのね。収益性、効率性、安全性の3つに注目して分析を進める。
< 収益性 >
売上総利益率、営業利益率、経常利益率で同業他社と一番差がついているのは経常利益率4.46%。
従業員多いけど販管費比率も良い。原価率、営業外損益も良いので経常利益率で決まり。
- 同業他社と比べて収益性が高い
- 高品質製品の安定受注で売上高く、原価、販管費、営業外損益も良好
< 効率性 >
同業他社と差が付いているのは売上債権回転率が悪い。固定資産、有形固定資産、棚卸回転率は若干良い程度。あとは与件の言葉を使って60字の説明が書けるかどうかの判断が必要。
売上債権に関する記述が与件で見つけられない。「売上の多くをZ社に依存している」くらいだ。依存が良くないというなら、売上債権回収失敗リスクより、売上高減少リスクの方が大きいか?とにかく、与件に無いことを勝手に考えるのは止めよう。
有形固定資産回転率だと、内部留保を設備投資に振り向けて成長してきたこと、遊休資産売却をリストラをしたことが、生産能力に余裕があることが使えそう。なので、思い切って有形固定資産回転率2.84回にした。
- 同業他社と比べて有形固定資産の効率性が良い
- 遊休資産売却によるリストラクチャリング、積極的設備投資で生産能力が高い
< 安全性 >
当座比率が89.66%と目安100%を割っており悪い。自己資本比率は34.93%と他社より良い。うーん。どちらを選ぶべきか
当座比率なら短期安全性が低い。自己資本比率なら長期安全性が高い。短期と長期がアンバランスだな…
ここも与件分からの書きやすさで自己資本比率を選択した。
- 同業他社と比べて長期的安全性が高い
- 獲得した利益を内部留保としてきた
- 内部留保が設備投資の源泉となり成長してきた
おいおい、指標3つとも「同業他社と比べて良い」になっちゃったよ・・・
第2問
(設問1)
設問文「原価構造は現状と変化がない」という文章を読んで、なぜか頭の中で「変動費『比率』と固定費は変わらないんだな」と誤った解釈をしてしまった。
そのため「損益分岐点売上高を所定の解答欄に求めよ」という要求に対して、
「変動費比率と固定費が不変なら、売上が変わっても利益が上下するだけで、分岐点は変わらないはずだ」と、ちょっとしたパニック状態に。
「きっと自分は何か勘違いしているぞ。落ち着いて設問を読み返せ」と考えて、先に問4の解答を試みるも、国債なんて知らねーっ!
ということで、第2問を続けることにした。
結局「価格」が20%下がるだけで生産量が変わるわけではないから、変動費と固定費が不変であることに気がついた。なるほどオッケー!これなら解けるぜ!いやっほう!
でも「小数点以下桁3桁を四捨五入」する縛りを忘れて、思いっきり百万円単位に丸めたぜ 計算全滅だぜ そこんとこよろしく!
財務会計で国語能力の無さを痛感するとは思わなかった。
グラフの総費用曲線は、もちろん定規なんて忘れましたよ。ええ。受験票で代用です。ここで失点したくないから、丁寧に丁寧に線を引きましたよ。問題用紙のグラフにね!危うく解答用紙のグラフに書き忘れるところでした。なんだろう、すごく集中力が落ちてる気がする。
(設問2)
- 納入価格を30%引き下げた案を受け入れる。理由は発注量2倍により売上高が損益分岐点を越え、利益が黒字化するからである。
第3問
(設問1)
小数点以下桁の指定無視で、計算問題全滅です。あー、やだやだ。
NPVは小数点に関係なく、もっと恥ずかしい勘違いをしているので論外。
(設問2)
- 設備投資を行い新たな生産方法を採用すべき。
- 理由は、損益分岐点比率が低下し、利益を生みやすい経営体質になるからである。
第4問
(設問1)
金利が上昇した場合、利付国債の市場価値がどうなるか、が問われている。
金利が上がるなら利息収入が増えて良いんじゃねーの?
と思いながら設問2を読むと「設問1の影響を軽減するための方策を提案せよ」とある。
『影響を軽減』って!設問1の正解は「市場価値が下がる」しか無いじゃん!答え教えてるようなもんだろ? 何なの この問題…
- 金利上昇で保有債券の市場価値は低下する。
(設問2)
軽減するための方法が思い浮かばない。金利や国債に関することを思い出してみる。
金利を上げるのは投資の抑制。逆に不景気時は金利を下げて投資を促す。住宅ローンとか。
債券買うなら預金しておけ、ってことか?うーん。それだと投資の意味あるのかな。
「5年満期の利付国債」について考える。基本的に満期まで継続する。利が付く。どんな利息だろう。変動制?固定制?
「影響を軽減する」について考える。満期利付国債では損がでるので、検討中の2億円でリスクヘッジしろってことだよね。為替だと為替予約、オプション取引。ここから何か連想したい。為替予約みたいに、購入時に価格が決まっていれば良いということか?わからないなあ。実務で国債いじってる人には楽勝なんだろうなあ。
- 手元資金の2億円で固定金利の債権を購入し、リスク分散を図る。
やはり最後の事例4が鬼門っすなあ・・・