第6回　論理的なのか、非文法的なのかーー本多勝一の日本語論〈後編〉 | 晶文社スクラップブック

第6回　論理的なのか、非文法的なのかーー本多勝一の日本語論〈後編〉 | 晶文社スクラップブック

日本語がもつ法則 文法上の常識にとらわれず、日本語によりふさわしい新しい文法を提案しようとするラガ...概要を表示 日本語がもつ法則 文法上の常識にとらわれず、日本語によりふさわしい新しい文法を提案しようとするラガナの発想は本多にも通じる。それこそ本多の『日本語の作文技術』を成立せしめているものだった。 『日本語の作文技術』が優れているのは、誤読されないために、日本語が内在している法則性を抽出して示したことだ。中でも秀逸だと思うのは、修飾の順序を決定する「技術」とテン（句点）の位置を決める「技術」についてだ。 『日本語の作文技術』の特徴は西欧起源の文法概念を用いないこと。西欧起源の文法観に支配された日本語文法の主流が、たとえば学校文法を非実用的なものにし、森のような植民地型知識人を生み出した。そんな悪しき轍を踏んではならない。それぞれの言語にはそれぞれの論理があるのであり、日本語には日本語の論理がある。その論理に迫るには西欧の文法理論から離れた日本語独特の文法が必要だ。そう考える本多は独自の文法論を展開