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大正4年の冬に北海道の三毛別で起こった「三毛別羆事件」は、日本最大の獣害として名高い。 三毛別の川... 大正4年の冬に北海道の三毛別で起こった「三毛別羆事件」は、日本最大の獣害として名高い。 三毛別の川の支流である六線沢に体長三メートル近い巨大な羆が出現し、家の中に侵入して人を襲った事件だ。 「羆嵐」は、実際に起きたこの事件を元にしており、そこに作者が自分の想像力からの物語性を付与した「ノンフィクションノベル」だ。 このジャンルは、カポーティの「冷血」が元祖であると言われている。「冷血」も何度も繰り返して読みたくなる本だ。 自然の脅威に震え戦くことしかできない、人間本来の姿 「羆嵐」は、現代の人が忘れた「畏怖」という感情を思い出させてくれる。 全編を覆っているのは、未知のモノに対する「恐怖」だ。 自然という人間には理解できない理不尽で強大なものに対する無力さ、闇の中で炎の周りに固まることでしか恐怖に耐えることができない、人間の小ささを細部に至るまで描いている。 人間というのは本来、自然に対し
2017/08/20 リンク