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認識不可能の領域。 精神病の領域。 象徴界に出現しなかったものが現実界に出現する、という言葉は、な... 認識不可能の領域。 精神病の領域。 象徴界に出現しなかったものが現実界に出現する、という言葉は、なによりも精神病の幻覚妄想を意味している。 象徴界を成立させるのが父ならば、現実界を具現するのは母である。 現実界は、たとえば耐え難い外傷との出会い、という形で、象徴的に反復される。 (レジュメより) 精神病においては、象徴界が機能不全を起こしている。 「象徴界には穴が開いている」とか、ラカンの有名なキーワード「対象a」なども、現実界と関連が深い。つまり、部分的には認識できるが、それ自体は認識の対象ではない。 人間の言語では接近できない。 それぞれに説明限界が存在する。 精神分析にできるのは、象徴界について記述することまでであって、ことが現実界に及んでしまうと、記述は不可能になってしまう。 たとえば、「文脈の認識」であるとか、「学習がなぜ起こるか」といったことは、精神分析の理論では説明できない(