エントリーの編集
エントリーの編集は全ユーザーに共通の機能です。
必ずガイドラインを一読の上ご利用ください。
エントリーの編集は全ユーザーに共通の機能です。
必ずガイドラインを一読の上ご利用ください。
注目コメント算出アルゴリズムの一部にLINEヤフー株式会社の「建設的コメント順位付けモデルAPI」を使用しています
「ロメナがどうして王都に?」 すぐ前を歩く男についていきながら、エステルはおどおどと尋ねる。向かい... 「ロメナがどうして王都に?」 すぐ前を歩く男についていきながら、エステルはおどおどと尋ねる。向かい風が強く、少し歩きにくい。 学園の寮の隣を通ったが、残念ながら誰も外には出ておらず助けは求められなかった。赤い夕陽に照らされている通りにも通行人はいない。ここは元々、学園の生徒以外あまり人は通らないのだ。 魔法使いのローブを被った男はエステルの質問には答えずに黙って進み、やがて少し広い通りに出た。 そこには古びた馬車が停まっていて、若干みすぼらしい格好をした中年の男が御者台に座っている。 「乗ったらすぐに出せ」 「はいよ」 ナトナを抱いたエステルを馬車に押し込むと、男は自分も中に乗り込む。通りにはまばらに通行人がいたが、エステルが誘拐されそうだと気づいた者はいなさそうだった。 (このまま言いなりになっていていいのかしら) 不安はあったが、ロメナが人質に取られているとしたらこうするしかないのだ。