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宮田昇『新編 戦後翻訳風雲録』(みすず書房)を読む。これが滅法おもしろかった。著者は早川書房に勤め... 宮田昇『新編 戦後翻訳風雲録』(みすず書房)を読む。これが滅法おもしろかった。著者は早川書房に勤め、のち著作権代理店のタトル・モリ エージェンシーに移り、その後海外著作権エージェントの代表者になる。 宮田が付き合った翻訳者で、まず田村隆一が語られる。田村は戦後詩人の偉大な3人の一人だ(他は鮎川信夫と吉本隆明)。その田村を宮田は激しく糾弾する。田村隆一は金に困り、ある計画を立てる。 田村はまず、再婚を宣言し、ずいぶん先の結婚の日を定め、つぎに式場を予約しながら、やたらに吹聴して、花嫁のいない披露宴招待状もどきを配り、著者、翻訳者、友人、出版社から祝い金を集めまくって、飲んだりして散じた。(中略) 結婚式と予告してあった日が、1、2か月後に迫ったとき、さすがの田村も慌てた。思いあまって相談したのが福島(正美)であったという。ほっといて、人格的にも財産的にも破産者であることを知らしても、おそらく
2012/12/02 リンク