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戦争を挟んだ時期に創作活動をしていた作家には、「旧字旧仮名」にこだわった人たちが多い。最近接した... 戦争を挟んだ時期に創作活動をしていた作家には、「旧字旧仮名」にこだわった人たちが多い。最近接した文学作品の作家について言えば、内田百間(ひゃっけん=「けん」は正しくは門構えに月)、斎藤茂吉、石川淳などがそうだ。斎藤茂吉の倅・北杜夫の処女長編『幽霊』(自費出版)も旧字旧仮名で書かれていたそうだが、その後商業誌に小説を発表するに当たって、新進の作家たちはみな新字新仮名を使っていたので、自分もそうしないと新進作家として評価されにくいかもしれないと思って新字新仮名を用いているうち、旧字旧仮名を忘れてしまったとのこと(もちろん北のこの言葉を真に受けてはならないが)。それでも、『幽霊』が新字新仮名表記に書き換えられた時には、自作が汚されたような気がしたらしい。 もっとも、今では内田百間も石川淳も文庫本は新字新仮名表記になっている。1987年に亡くなった石川淳晩年の作品『狂風記』(1980年)は、初出の
2014/05/08 リンク