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八代尚宏『新自由主義の復権――日本経済はなぜ停滞しているのか』(中公新書、2011年)は、経済財政諮問... 八代尚宏『新自由主義の復権――日本経済はなぜ停滞しているのか』(中公新書、2011年)は、経済財政諮問会議などで活躍した著名な経済学者による政治的パンフレットである。その主たる眼目は、「官から民へ」「民間にできることは民間に」をスローガンとした小泉政権期の一連の改革を擁護し、同じ路線を継承した更なる改革を訴えることにある。 著者によれば、近年しばしば「市場原理主義」と同一視され、小泉改革を貫いたイデオロギーとされる「新自由主義(neo-liberalism)」は、必ずしも市場を万能視するものではない。著者によって現代経済学の標準的立場に等しいものとして位置づけ直されたこの考え方は、「政府の失敗」を強く問題視はするが、市場を健全に機能させるためのルールとしての規制の必要性は認めている。新自由主義は、一部集団の特殊権益など多くの非効率を生む過剰な政府介入を、人々のインセンティブを巧みに刺激する
2012/07/15 リンク