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以前にも少し紹介した酒井隆史の『自由論』という本は、2001年に出版され、90年代の終わりからこ... 以前にも少し紹介した酒井隆史の『自由論』という本は、2001年に出版され、90年代の終わりからこの年までに書かれた論考を収めているのだが、いま現在日本で起こっている状況について理解するためには、もっとも重要な本のひとつだろうと思う。 とくに、後半のいくつかの章に収められた文章は、現代のこの国における新たな「貧困」の状況を、アメリカなどの例をひきながら予見したような内容になっている。その一節をヒントにして、少し考えてみたい。 「自由」の言説 たとえば、「<セキュリティ>の上昇」と題された章のなかで、「アンダークラス」と呼ばれるアメリカの新たな貧困層についての言説を分析しながら、酒井はネオリベラリズムについて次のような特徴を指摘する。 ネオリベラリズムは、福祉国家的理念やケインズ主義を特徴づける社会保険や社会化するリスク管理の形態を拒絶して、リスクを個人化することで「個人を責任主体に形成し、競
2006/08/02 リンク