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中世哲学への招待―「ヨーロッパ的思考」のはじまりを知るために (平凡社新書) 平凡社 2000-12 売り上げ... 中世哲学への招待―「ヨーロッパ的思考」のはじまりを知るために (平凡社新書) 平凡社 2000-12 売り上げランキング : 290729 Amazonで詳しく見る by G-Tools めちゃくちゃ面白かった。題名は『中世哲学』と大きく謳っているが、中身は「このもの性」または「個体性」の概念を切り開いた中世ヨーロッパの哲学者ヨハネス・ドゥンス・スコトゥスの議論の紹介にかぎられている。しかしここに「ヨーロッパ的思考」のはじまりがあるのだという著者の断定が、ぐいぐい迫力をもって迫ってくる。 個物の個別性の起源をめぐって、トマス・アクィナスはアリストテレス以来の思考を踏襲し、それを質料的なものだという。このとき、個物の本質(実体)が形相起源であることには何ら異論はない。これに対して、個物の個別性の起源が質料にあるということには微妙な問題がある。単なる物体とはちがって、「人間のような半分精神
2010/05/14 リンク