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先日、NHKの『10ミニッツ・ボックス』という教育番組で、魯迅の「故郷」を紹介していた。教科書にも載... 先日、NHKの『10ミニッツ・ボックス』という教育番組で、魯迅の「故郷」を紹介していた。教科書にも載っている超有名作だというのだが、じつは僕はこの作品のことを覚えていなかった。岩波文庫の竹内好訳『阿Q正伝・狂人日記(吶喊)』は若い頃に読み、「狂人日記」や「阿Q正伝」の強烈な印象はいまも残っている。たとえば「狂人日記」で、語り手が中国のさまざまな文献を読むと、それらすべての字間に「食人」という文字が隠されているのが立ち上ってきたというあの不快きわまるイメージなどだ。同じく岩波文庫の『魯迅評論集』も拾い読みして、遺言とされる「死」というエッセイの苦々しさが気に入った。でも「故郷」にはまるで印象がない。たぶん、読み飛ばしていたのだろう。 そんなわけで、藤井省三による新訳版の『故郷/阿Q正伝』を読んだ。「故郷」は、僕以外のたいていの人は知っているのだろうが、いまは都会に住む語り手が幼い頃住んでい
2010/04/10 リンク