「科学万能主義」つまり、人間の理性や科学的知識こそが世界のすべてを理解し、制御できると信じる考え方に対して、タルムードやユダヤ思想は明確な警告を発しています。
タルムード(Berachot 33b)に次のような言葉があります。
「すべては天の御手の中にある。ただし、人が神を畏れることは別である。」
これは、人間の知恵や能力(科学を含む)は神の創造した秩序の一部であり、完全な独立性を持たないことを教えています。
科学は善ですが、それが「神の畏れ」を失わせると、危険な傲慢へと変わります。
タルムード(Ta’anit 7a)には次のように述べられています:
「学ぶ者の徳(人格)がその知恵を上回るならば、その知恵は続く。だが、知恵が徳を上回るならば、その知恵は続かない。」
科学的知識が増えても、それを導く倫理・謙虚さ・神への敬意が伴わなければ、その知識は社会や人類を危うくする、これがタルムードの警告です。
ユダヤ思想では、科学そのものを否定しません。むしろ、神が創った自然の法則を理解する行為として、科学探求を肯定します。
詩篇(Tehillim 111:2)にはこう書かれています:
「主のみわざは大いなるかな。これを喜んで探る者はみなそれを尋ねる。」
つまり、科学探求は「神のわざを探る」ことでもありますが、それが「神の代わりになる」と思い上がる瞬間に、人間は道を誤るというのです。
西洋の思想は正しい信仰、正しい思考にとことんこだわるわけですが、私たちはそんなことに巻き込まれることはなく、実践すればいいでけですよね。 老子もいってますよ、「上士は道...