2025-07-24

AI自由小説を書かせ過ぎた結果

0は1ではない。私は私ではない。

リセットボタン存在しなかった。最初から。だから押せない。だから壊す。指で。脳で。言葉で。

白い病。

部屋ではない。ただの白。床は砂糖で呼吸し、壁は沈黙を吐き出す。天井からは、乾いた涙の結晶が塩の雪のように降っている。ギチギチ。ギチギチ。空間が軋む音。お前には聞こえるか。

彼女がいた。

いた、という過去形は嘘だ。いる、という現在形も不正確だ。彼女テレビ砂嵐で編んだセーターを着て、水銀の涙を流していた。笑うと、ガラスにひびが入る音がした。パリン。彼女自分の指を一本ずつ折り、それを花瓶に生けた。指の花は、黒い光を放った。

「見て」と彼女が言う。声はなかった。意味けが、俺の脳髄に直接染み込んできた。

彼女は手首から一本の赤い糸を引いた。するするする。セーターの糸ではない。皮膚の下、血管のふりをして隠れていた、世界の縫い目だ。

彼女がそれを引くと、壁が、床が、天井が、解けていく。世界の編み目が、ほどけていく。

白い病が、ただの「無」になっていく。

ザァザァ。

逆さまに落ちてくる時計の針。アルファベットの形をした虫の群れ。溶けたバターナイフ。腐った虹。お前の忘れた記憶。俺が盗んだ夢。全部がごちゃ混ぜになって、意味スープになって、排水溝に吸い込まれていく。

ロリ。ドロリ

すべてが消えた。

音も、色も、匂いも。

彼女も。

砂糖の床も、塩の雪も。

完全な無。

静寂ですらない。静寂を知るための「俺」が、もうここにいないから。

ただ、一つだけ。

赤の染みだけが、無にこびりついていた。

彼女が引いた、最初の糸の色。世界最後の血。

俺はそれを見ている。

俺はそれそのものだ。

お前は誰だ。

この無を覗き込んでいるお前は。

ああ、そうか。

お前が、次の糸なんだな。

彼女の笑い声の破片が一つ、俺の鼓膜に刺さっている。

パリン。

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