漫画の違法配信サイト「漫画時間」が閉鎖された。違法サイトの閉鎖自体は珍しくないが、このサイトは一風変わっていた。
「漫画村」以降、この手のサイトは量産型のUIでの金儲け目的が主流となったが、「漫画時間」はどこか自己顕示的だった。運営はブログを通じてユーザーとコミュニケーションを取り、閉鎖に際しても律儀に挨拶文を掲載している。
しかも、よくあるテンプレートを流用せず、サイトのUIや構成はオリジナル。閉鎖文では「広告・課金・プロモーション等を一切設けず、常にシンプルでクリーンなページ構成を保ってきた」と自負しており、ユーザーフレンドリーで“清潔感のある”違法サイトを目指していたようだ。そういった点が漫画村を想起させた。
黙って消えていく違法サイトが多いなか、どこか“思想”を感じさせる終わり方だった。
商業漫画の海賊版が多数掲載されていた違法漫画サイト。WebArchiveに記録されたキャッシュの最古日時などから、2024年5月に公開されたとみられる。
他の違法漫画サイトが収益重視で多数の広告をつけるのに対して、広告・課金要素を排除したシンプルかつ軽快なUIなことからユーザーの支持を集め、短期間で急成長。2025年5月時点のSimilarWeb調査では、日本国内アクセス数ランキングで17位にランクイン。これは違法サイトとしてはXvideosやPornhubを上回りトップの順位で、違法漫画サイトとして漫画村以来の存在感となっていた。※1
違法サイトとしては珍しく、日本語で公式ブログを開設していた。
2025年6月に突然閉鎖を発表。7月までに閉鎖された。ブログでは「今後、移転・再開・後継サイトの立ち上げなどは一切行わない」と明言した。
※1 https://web.archive.org/web/20250707072641/https://www.similarweb.com/top-websites/japan/