2019年の討論会では、トランプとバイデンが96回も互いに割り込んだというのに、2024年には互いに割り込まず、自分の順番を守った。
この規律正しい光景は、おそらく新たなスタンダードになるのだろう。
ただし、そこにもたらされた規律は、両候補者の良心のおかげでも、政治文化が進化したからでもない。
単にボリューム調整したからだ。
前回の米国選挙で試験的に導入された手法を完全に実施し、候補者のマイクは指定された発言時間中のみ機能するようになった。
つまり、一度に1人の発言者しか聞こえないようにしたのだ。
候補者の自制心や司会者の差配に頼るのではなく、ミュートボタンという技術的な規制にアウトソーシングされたのである。