ドキドキ!プリキュア・第24話『衝撃!まこぴーアイドル引退宣言!』感想
アン王女を探す為に。そして、歌を聴いてくれるファンの為に。
プリキュアとして活躍しながら、トップアイドルとして歌い続けていた真琴。
しかし、未だに目覚めないとは言え、アン王女を取り戻した真琴は、歌う意味を失いかけていました。
セバスチャンが用意してくれた桃のロールケーキを食べながら、謎の存在・キュアエースについて考えるマナ達。
其処に、キュアエースの正体である少女・円 亜久里が訪れました。
ロールケーキを頬張りながら、セバスチャンの心遣いに感心する亜久里。
その一方で、真琴の最近の歌に関しては、『愛の欠片も無い』と酷評しました。
自分が迷いを抱えている事を見抜かれ、次のコンサートで歌手を引退する発表をする事を決意した真琴。
何とか思い留まらせようとする、マナ達。
しかし、コンサート当日になっても真琴はまだ、自分の進路について迷っていました。
そんな真琴の迷いに目を付け、芸能レポーターを操り、コンサートを混乱に陥れたリーヴァ。
ファンの悲鳴を聞き、咄嗟に駆け付けようとした真琴は、アイちゃんと衝突。
アイちゃんは真琴に新たなキュアラビーズを手渡し、真琴に使う様に頼みました。
真琴がキュアラビーズを使った瞬間、起こった奇跡。その詳細は――?
歌の収録を終えた真琴に、次のコンサートのチケットが完売し、追加公演のオファーもある事を報告するDB(ダビィ)。
しかし真琴は、『自分の歌は、王女様を探す事に繋がらなかった』と、浮かない顔。
「大勢のファンが、あなたの歌を楽しみにしてるのよ。」というダビィの言葉を聞いても、その表情が晴れる事はありませんでした。
真琴が悩んでいる根本的な理由はやはり、救出したアン王女が未だに目を覚まさない事にあると思います。
歌を一番捧げたい人の笑顔が見られないと言うのは、真琴にとっては、何よりも寂しい事なのでしょう。
収録後、『ぶたのしっぽ亭』に合流した真琴とダビィは、マナ達と一緒に、突然現れたキュアエースの事について話し合っていました。
『トランプ王国に残っていたプリキュアは、ソードだけだった筈』というダビィの報告を聞き、「一体何者?」と頭を悩ませるマナ達。
「とにかく、変身前の姿は、私達より年下だったよね。小学校3年生…。」「――4年生です!」
六花が推測した学年を、『4年生です!』と強い語気で訂正したのは、キュアエースの正体の少女。
どうやら彼女は、たとえ一歳違いでも、『子供』に見られる事が我慢出来ない性分の様です。
そんな所がまた子供っぽい証拠ですが、当の本人はまだ気付いていない様子。
口調は強くても、この辺がまた、可愛らしい感じがします。
例えるなら、『おしゃまな親戚の少女』と言った感じでしょうか?
「わたくしの名前は、円 亜久里ですわ。」
突然現れて自己紹介する亜久里の姿に、唖然とするマナ達。
マナ達と少し遅れて、驚いた反応を見せた真琴。しかし、少しボンヤリとしています。
真琴がマナ達より反応が遅れたのはきっと、アン王女の事で頭が一杯で、亜久里の情報が脳に伝わったのが遅れたからだと思います。
「ところであなた達!これは何ですか!?」
アイちゃんと喜びの抱擁を交わした直後、アイちゃんを抱っこしながら亜久里が指差したのは、セバスチャンのお手製・桃のロールケーキ。
ありすが説明を終えたと同時に、さり気無く追加のロールケーキと座席をセッティングしたセバスチャン。
「どうぞ。お召し上がり下さい。」と椅子を引き、亜久里を座席に案内しました。
「頂きます。」と、座るなりロールケーキを1口食べた亜久里。
直後に謎のポーズを取り固まる彼女をマナが心配した瞬間、「美味し~い!」と、頬を緩めました。
「程良く焼き上がった、ふわふわのスポンジ!濃厚ながら甘過ぎない、生クリーム!惜しげも無くふんだんに散りばめられた、旬の桃!」
「全てが優しく抱き合って、爽やかな初夏を感じます!これは、愛のハーモニー!!」
興奮の余り、マナの頭を抱く亜久里。そのテンションに反応し切れないのか、珍しく顔をしかめるマナ。
「亜久里ちゃんは、スイーツが大好きなんですね!」
喜びを顕わにする亜久里に、笑顔を見せるありす。
レジーナには『さん』付けだったのに、レジーナと同学年っぽい亜久里には『ちゃん』付けで呼んでいます。
何となく雰囲気が似ているので、亜久里とレジーナは同学年だと思っていましたが、レジーナの方が年上なのかも知れません。
「パティシエ顔負けの、見事な腕前!何より、食べる相手を喜ばせようとする愛を感じます。ブラボーですわ!」
「更に言えば、突然の来客にも動じず、サラリと受け入れる手際の良さ。まさに、執事のプロフェッショナル!」
「…それに比べて、あなたは本当にプロですの?」
セバスチャンの手を握り締め、その手際を絶賛する亜久里。その直後、真琴に向かって、辛辣な言葉を投げ付けました。
「昨日TVで、あなたの歌を聴かせて頂きました。正直、ガッカリですわ。」
ロールケーキを食べながら、真琴の歌に対する態度を批判した亜久里。
その言葉を聞き、マナ達は一斉に、亜久里に反論しました。
「ちょっと待ってよ!まこぴーは、凄く人気がある歌手なんだよ!」
「歌唱力に定評がある実力派よ!」
「トランプ王国でも、一番の歌姫なんだビィぃい~!!!」
地団太を踏み、亜久里に飛び掛かるダビィを手で押さえながら、亜久里は言葉を続けました。
「世間の評価は知りません。ただ、昨日のあなたの歌からは、一欠片の愛も感じませんでした。わたくしが感じたモノは…迷い!」
「あの様な歌を歌って、プロとして恥ずかしくないのですか?」
自分の悩みを指摘され、ハッとなる真琴。
「まこぴーは頑張ってるよ!歌いながら、プリキュアもやってるし!」
「プリキュアとしても、半人前ですわ。わたくしが助けなければ、あなた達はジコチュー負けていた!違いますか?」
「それは…。」図星を刺され、ぐうの音も出ないマナ。
「全ては、中途半端なのです。今のままでは、キングジコチューに勝つ事など、到底不可能ですわ!」
亜久里の指摘に、誰も反論出来ませんでした。
「ごちそうさまでした。では、わたくしはこれで失礼します。」
クリームの付いた口をハンカチで拭い、席を立つ亜久里。呼び止めようと駆け寄る、マナ。
しかし、マナが表に出た時はもう、亜久里の姿は、何処にも見えませんでした。
一体、どうやって移動したのでしょうか?亜久里の謎が、また一つ増えました。
「まこぴー。今度のコンサート、楽しみにしてるからね!」
夕方になり、家路につく真琴を励ます様に語り掛けたマナ。
真琴は、そんなマナに対し、自分の悩みと決意を打ち明けました。
「私…。プロ失格だわ。キュアエースの言った通り、最近ずっと迷っていたの。王女様が見付かった今、何の為に歌うのか。そんな曖昧な気持ちで歌ってはいけないって…。」
「私…。歌手を辞めるわ!今度のコンサートで、引退を発表する!」
追い縋り、引退を撤回する様に勧めるマナと六花。
しかし、真琴の決意は固く、2人を遮る様に車のドアを閉め、真琴はダビィの運転する車で去りました。
「駄目だよ…。まこぴーは、歌を辞めちゃ…。絶対絶対ダメだよ!!」
去って行った車を見送りながら、苦しげに語るマナ。
その声が聞こえていたのか、車中の真琴は、寂しそうな表情をしていました。
「ねえ?本当にやるの?」「勿論!『まこぴーを歌わせよう作戦』、レッツゴー!」
翌朝。下駄箱の陰で真琴が来るのを待ち構えている、マナと六花。
不安気な表情を見せる六花を余所に、自信満々のマナ。果たして、その作戦とは――?
「まこぴー。」自分を呼ぶ声に振り向いた瞬間、ギョッとした表情を見せる真琴。
真琴が目にしたのは、幼稚園児の工作っぽいお面を被った、マナの姿でした。
「まこぴー。歌を辞めてはいけませんわ。絶対絶対、辞めてはいけま…わぁっ!」
「マナ…何のつもり?」マナのお面を引き上げ、呆れつつ怒りを顕わにする真琴。
アン王女を敬愛する真琴にとって、この作戦は逆効果でした。
「ああ、いやぁ…。王女様から止められれば、思い直すんじゃないかと思って…。何でバレたの?」
「王女様は、私を『まこぴー』と呼ばないわ…。」
作戦がバレた理由に本気で気付かないマナに、呆れながら答える真琴。
不機嫌な顔のまま、真琴は教室に向かいました。
「しまったああああ~!!!」
「いや、他にも色々、無理が…。」本気で頭を抱えるマナを見て、思わずツッコむ六花。
そして、放課後――。
校門前に突然現れた、『四葉フィルハーモニー管弦楽団』のフルオーケストラの一団。
そのチューニングの様子を見て、またもギョッとする真琴。
「う、歌わないって言ってるでしょ!」
「さあ!歌って下さいな!」と提案するありすを振り切る様に、恥ずかしそうな表情を浮かべて走り去った真琴。
その様子を見て、「思わず、歌いたくなる音色だと思うんですけど…」と、首を捻るありす。
マナと同様にありすもまた、何処か天然の様です。
もし真琴が普段通りの心境でも、こんな状況ではきっと歌えなかったでしょう。
本当に真琴に歌わせようとするなら、もっと、さり気無い雰囲気に持ち込むべきだと思います。
「ギャー!嫌ぁアあああ~!!!」
聞き取れない程の絶叫を上げるダビィに気付かず、ひたすらランニングに打ち込む真琴。
思い詰めた表情で走っていると、赤ちゃんの泣き声に気付きました。
「眠~れ~!ね~むれ~!母の…。」
階段の踊り場近くで腰掛け、子守唄でアイちゃんをあやすマナ。
しかし、アイちゃんは泣き止まないどころか、号泣してしまいました。
「どうしたのかなぁ…?アイちゃん?」
自分が重度の音痴だと言う自覚の無いマナは、泣き止まないアイちゃんを見て、困り果てていました。
その直後、真琴の足音に気付いたマナは、真琴にアイちゃんの為に子守唄を歌ってくれる様に依頼。
しかし、寂しそうな表情を浮かべ、真琴はマナの依頼を断りました。
「どうして?皆、まこぴーの歌を聴きたいのに?」
「歌手は、私だけじゃないわ…。」
そのまま去ろうとする真琴に、マナは静かに、自分の気持ちをぶつけました。
「楽しくなかった?まこぴー。歌ってるまこぴーは、いつも、とっても楽しそうだったよ!それを見てると、何だか私も胸がポカポカして。楽しくなって…。」
「楽しんでる暇は無いわ…。」その場を立ち去る真琴。
「歌ってる暇なんて無い…。マナ達は、プリキュアとしての自覚に欠けるわ…。」
「皆、真琴に歌を続けて欲しいんだビィ。」
寂しそうに道端を歩く真琴に、言葉を選びながら告げるダビィ。
「ダビィ。あなたもそうなの?」暗い表情で訊く真琴に、ダビィは笑顔で答えました。
「真琴には、やりたい事をやって欲しいビィ!ダビィは、それを、応援するビィ!」
ダビィの言葉が嬉しくて、そして、胸に突き刺さって…。
自分の心の迷いを振り払う様に、真琴はまた、ランニングを再開しました。
その頃、ジコチューのアジトでは――。
「そお~れ!」シルクハットを投げ付け、ボーリングのピンを両断するリーヴァ。
「ア~ン。う~ん、不味い。」ボーリング球を齧りながら、ぼやくグーラ。
そんな2人の様子を見て、呆れた様子を見せるイーラとマーモ。
しかし、「解っててやってるのよ。」と、嘲笑うリーヴァとグーラ。
どうやらこの2人、相当に性格が悪い様です。
「とっとと、王女捜しでもしてらっしゃい?」
「お前達に命令される覚えはない!」リーヴァに反論するベール。
しかし、グーラの「キングジコチュー様のご命令なんだよ!」の一言でぐうの音もでなくなり、イーラとマーモと一緒に王女捜しをする羽目に。
「ふうん…。面白そう…!」
デジタル放送全盛にも拘らず、謎の技術でモノクロのアナログ放送で、歌う真琴の姿を確認したリーヴァ。
怪しげな笑みを浮かべ、何やら企んでいる様です。
そして、真琴のコンサート当日。
開催地・四葉ドームの控室に、真琴はまだ到着していませんでした。
「ええっ!まこぴー、まだ来てないの!」
ありすから真琴がまだ会場入りしていない事を知らされ、驚くマナ。
マナ達は、セバスチャンや警備員達と協力して、真琴の捜索に当たりました。
捜査の目を掻い潜り、公園のベンチで佇む真琴。
引退を決意したにも拘らず、真琴はまだ、自分の決断に迷っていました。
そんな最中、騒ぎを聞きつけた芸能リポーターの女性は、控室前の入口に張り付き、突撃取材を敢行しようとしました。
「流石にそれは、ルール違反だわ!」直前で思い留まった、女性レポーター。
しかし、その心の隙をリーヴァに突かれ、彼女のプシュケーは黒く染められ、マイクジコチューとして利用されました。
「皆さ~ん!今日のステージの主役は私!そして…!」
「ジコチューでーす!皆~!ジコチューしてるか~い!」「イエーイ!!」
しかし、まこぴーファンで埋め尽くされた観客は、オッサンと怪人には無反応。
観客の態度に腹を立てたリーヴァは、ジコチューの怪音波で、観客を攻撃しました。
苦痛に歪む観客を救う為、マナ達は真琴の捜索を中止し、プリキュアに変身しました。
「此処は、まこぴーのステージだよ!」ジコチューを蹴り上げ、ドーム外まで弾き飛ばしたキュアハート。
その様子を目の当たりにし、真琴は仲間の許へ直走りました。
『プリキュア、突撃リポート!!』
キュアハートの前で突然、マイクを向けるジコチュー。
そして、3人のプリキュアに次々と、質問をぶつけました。
「恋人は居ますか?」「はぁ…?」
「テストは何点だったんですかぁ?」「そんなの今、関係無いでしょ!」
「貯金は、幾らあるんですか?」「さぁ?数えた事、ありませんわ。」
「ちゃんと答えて、下さ~い!!」
「きゃあああ!!!」
誰一人として質問に答えなかった為、腹立ち紛れに攻撃を仕掛けるジコチュー。
プライバシーの侵害をするジコチューに腹を立てる、プリキュア達。
しかし、ジコチューの攻撃は強く、3人は捕まってしまいました。
「皆っ!」仲間達の近くまで駆け寄ろうとした瞬間、アイちゃんにぶつかった真琴。
アイちゃんの手には、新たなキュアラビーズが。
「ダビデ・ダビデ・ダビィ!」「キュピラパキュピラパ、プー!」
ダビィとアイちゃんの力により、キュアラビーズから召喚されたのは手鏡。
真琴が鏡を覗き込むと、其処には真琴の名を呼ぶアン王女の姿が。
「王女様!?目覚められたのですか!?」
食い入るように鏡を覗き込む真琴。
しかし、残念ながら、アン王女が真琴と通信出来たのは、アイちゃんの力を借りた一時的なモノでした。
「キュアソード。私の為に、そちらの世界でも歌ってくれていましたね。あなたの歌、あなたの気持ち、届いていましたよ。」
「動く事も、声を上げる事も出来ず、希望を失いかけた私を励ましてくれたのは、ソード。あなたの歌でした。」
「あなたの歌を聴くと、胸がポカポカして、元気が出て来たのです!――本当に有難う!」
「まだ目覚める事は出来ませんが、ジョナサンが傍に居てくれるので、私は大丈夫です!」
「ですからこれからは、自分の為に歌って下さい!昔の様に楽しみながら。あなた楽しいと、私も嬉しいわ。」
「歌って下さい。キュアソード!」
光を放ち、鏡に映っていたアン王女の姿は消えました。
これまでの自分の行為が無駄では無かった事を知り、涙を溢す真琴。
「王女様もマナも、同じ事を言ってるビィ!王女様もマナもダビィも、皆、真琴の歌が大好きなんだビィ!」
「楽しく歌う真琴の歌を、聴きたいんだビィ!」
ダビィとアイちゃんに見詰められた真琴は、遂に、自分の心に正直になりました。
「私…歌いたいっ…!」「応援するビィ!」「きゅぴ~!」
「有難う…!」ダビィとアイちゃんを抱き、心から感謝する真琴。
捕らえられ、ピンチに陥ってもなお、諦めずにジコチューに立ち向かおうとするキュアハート達。
その瞬間、仲間の心意気に応える様に、キュアソードのホーリーソードが、3人の縛めを解きました。
「皆、私の為に。有難う。」
「プリキュアなのに、どうして歌ってるんですかぁ~?それでも、プリキュアですかぁ~!!」
新たな取材相手を見付けたジコチューは、キュアソードに突撃取材を敢行。
しかし、取材慣れしているキュアソードには、その攻撃は通じませんでした。
「私は、歌うプリキュアよ!!」
凛とした態度で答える、キュアソード。その心を揺さ振ろうと、リーヴァはキュアソードに問い掛けました。
「歌なんて歌って、何になるの?な~んの役にも立たないのに?」
「役に立たないかも知れない!無意味かも知れない!でも、楽しかった!嬉しかった!!私は歌う事が好きだから、だから歌って来たの!」
「歌いたいから歌うなんて、随分ジコチューね。」
「そうね。でも、こんな私を応援してくれる人が居る!だから、その人達の為に、自分の為に…私は歌う!!」
『歌う事が好き』と言う自分の心と向き合い、認めたキュアソード。
その瞬間、キュアソードの身体からオーラが溢れ出ました。
「愛に目覚めた様ですね?キュアソード。」
「プリキュアの力は、愛から生まれます。大好きな事を直向きに続ける事。それも愛なのです。」
「迷いが愛の力を妨げていましたが、あなたは迷いを乗り越え、新たな力・更なる大きな愛に目覚めた。」
「お見事です。――プリキュア・5つの誓い!1つ、『愛は与えるもの!』」
「あなたは、歌で世界に愛を与えていた。これからも、世界に響かせて下さい。愛の歌を!」
亜久里の助言に首肯する真琴。そして亜久里は、アイちゃんと一緒にキュアエースに変身しました。
「好きなスイーツは、何ですかぁ~ああっ!?」
ジコチューのインタビューを無視し、跳び蹴りを喰らわせるキュアエース。
手下を吹き飛ばされ、「此処は、私のステージよ!」と、怒りを顕わにするリーヴァ。
「独り善がりのステージは、迷惑です。――はっ!」
「あなたの行為に、愛は感じませんわ!」
身勝手なリーヴァの言い分に怒り心頭のキュアエース。さあ、お仕置きの時間です。
「彩れ!ラブキッスルージュ!」
以前とは違い、紫色に変化したラブキッスルージュ。
どうやら、プリキュアが覚醒する毎に、その能力を変える様です。
「ときめきなさい!エースショット!――ばきゅーん!!」
キュアエースが放った今回の攻撃は、敵を行動不能にする効果でした。
「ソード、今ですわ!」キュアエースの掛け声で、チャンスに気付いたキュアソード。
パワーアップしたスパークルソードを放ち、ジコチューを浄化しました。
「やるじゃない。面白くなって来たわ。」
敗北を喫したものの、まだまだ余裕を見せるリーヴァ。
彼が本気を出した時はやはり、ジコチュートリオと同様に『ビーストモード』になるのでしょうか?
リーヴァの本気は観てみたい。でも、カッコ悪い姿は観たくない。
少し、複雑な気分になりました。
「やっぱり、まこぴーはスゴイよ!歌で皆を、こんなんに笑顔に出来るんだもん!」
「そうね!笑顔はジャネジーを消して行く。まこぴーは、歌で世界を救っているのかも知れないわ!」
真琴のステージを観ながら、その歌の力に感心するマナ達。
「歌から、愛が溢れています!ブラボーですわ~!!」
そして亜久里もまた、『まこぴー親衛隊』の背中に隠れつつ、一緒に身体を揺らして歌に聞き惚れていました。
「私は、歌う事が大好きです!歌っていると、楽しくて!嬉しくて!幸せな気持ちになります!!」
「そんな気持ちを、皆にも感じて貰いたい!だから、歌います!!」
真琴の言葉を聞き、更に大歓声に包まれる場内。
観客の笑顔の風を受けながら、真琴もまた、満面の笑みを浮かべました。
映画化のお知らせの後、次回予告。
今回の感動が覚めやらないなか、その内容はとんでもないモノでした。
『キュアセバスチャン』って、一体~!
そして、謎の貴婦人・キューティーマダムの正体は~!!
今回の感動を打ち消しかねない、とんでもない予告でした。
6人目のプリキュア・キュアセバスチャンの活躍に、期待せずには居られません!
※年上のマナ達に対して毅然とした態度を取りつつも、幼く見られた事に腹を立てたり、ロールケーキを食べて喜んだりと、年相応の態度も見せる亜久里。
まだまだ謎が多い存在ですが、これからどんな一面を見せてくれるのか、これからが楽しみです。
亜久里の人物像が顕わになって行く反面、謎もまた増えました。
最大の謎はやはり、ぶたのしっぽ亭から忽然と消え去る事が出来る移動力と、アイちゃんとの関係性だと思います。
果たして亜久里は、人間なのでしょうか?
それとも、何者かが作り出した存在なのでしょうか?
話の展開の速さからすると、亜久里の謎が明らかにされる日は案外、もうすぐなのかも知れません。
そして、マナ達がレジーナとの友情を取り戻す日も。
亜久里とレジーナの関係性も不明ですが、2人が仲良くマナ達と一緒に微笑んでいる光景を、一刻も早く観たいと思いました。
何とか周回遅れだけは逃れたかったのですが、遂に感想を書くのが周回遅れに。
7月27日は大阪で『ドキドキ!プリキュア ミュージカルショー』がある為、次回の感想は遅れる訳には行きません。
体調は戻って来たので、次回の感想は、何とか数日中に書こうと思います。
また遅れてしまった時は、申し訳ありません。
(※実際には1周遅れの感想になりましたが、日付は20日のままにしています。)
プリキュアとして活躍しながら、トップアイドルとして歌い続けていた真琴。
しかし、未だに目覚めないとは言え、アン王女を取り戻した真琴は、歌う意味を失いかけていました。
セバスチャンが用意してくれた桃のロールケーキを食べながら、謎の存在・キュアエースについて考えるマナ達。
其処に、キュアエースの正体である少女・円 亜久里が訪れました。
ロールケーキを頬張りながら、セバスチャンの心遣いに感心する亜久里。
その一方で、真琴の最近の歌に関しては、『愛の欠片も無い』と酷評しました。
自分が迷いを抱えている事を見抜かれ、次のコンサートで歌手を引退する発表をする事を決意した真琴。
何とか思い留まらせようとする、マナ達。
しかし、コンサート当日になっても真琴はまだ、自分の進路について迷っていました。
そんな真琴の迷いに目を付け、芸能レポーターを操り、コンサートを混乱に陥れたリーヴァ。
ファンの悲鳴を聞き、咄嗟に駆け付けようとした真琴は、アイちゃんと衝突。
アイちゃんは真琴に新たなキュアラビーズを手渡し、真琴に使う様に頼みました。
真琴がキュアラビーズを使った瞬間、起こった奇跡。その詳細は――?
歌の収録を終えた真琴に、次のコンサートのチケットが完売し、追加公演のオファーもある事を報告するDB(ダビィ)。
しかし真琴は、『自分の歌は、王女様を探す事に繋がらなかった』と、浮かない顔。
「大勢のファンが、あなたの歌を楽しみにしてるのよ。」というダビィの言葉を聞いても、その表情が晴れる事はありませんでした。
真琴が悩んでいる根本的な理由はやはり、救出したアン王女が未だに目を覚まさない事にあると思います。
歌を一番捧げたい人の笑顔が見られないと言うのは、真琴にとっては、何よりも寂しい事なのでしょう。
収録後、『ぶたのしっぽ亭』に合流した真琴とダビィは、マナ達と一緒に、突然現れたキュアエースの事について話し合っていました。
『トランプ王国に残っていたプリキュアは、ソードだけだった筈』というダビィの報告を聞き、「一体何者?」と頭を悩ませるマナ達。
「とにかく、変身前の姿は、私達より年下だったよね。小学校3年生…。」「――4年生です!」
六花が推測した学年を、『4年生です!』と強い語気で訂正したのは、キュアエースの正体の少女。
どうやら彼女は、たとえ一歳違いでも、『子供』に見られる事が我慢出来ない性分の様です。
そんな所がまた子供っぽい証拠ですが、当の本人はまだ気付いていない様子。
口調は強くても、この辺がまた、可愛らしい感じがします。
例えるなら、『おしゃまな親戚の少女』と言った感じでしょうか?
「わたくしの名前は、円 亜久里ですわ。」
突然現れて自己紹介する亜久里の姿に、唖然とするマナ達。
マナ達と少し遅れて、驚いた反応を見せた真琴。しかし、少しボンヤリとしています。
真琴がマナ達より反応が遅れたのはきっと、アン王女の事で頭が一杯で、亜久里の情報が脳に伝わったのが遅れたからだと思います。
「ところであなた達!これは何ですか!?」
アイちゃんと喜びの抱擁を交わした直後、アイちゃんを抱っこしながら亜久里が指差したのは、セバスチャンのお手製・桃のロールケーキ。
ありすが説明を終えたと同時に、さり気無く追加のロールケーキと座席をセッティングしたセバスチャン。
「どうぞ。お召し上がり下さい。」と椅子を引き、亜久里を座席に案内しました。
「頂きます。」と、座るなりロールケーキを1口食べた亜久里。
直後に謎のポーズを取り固まる彼女をマナが心配した瞬間、「美味し~い!」と、頬を緩めました。
「程良く焼き上がった、ふわふわのスポンジ!濃厚ながら甘過ぎない、生クリーム!惜しげも無くふんだんに散りばめられた、旬の桃!」
「全てが優しく抱き合って、爽やかな初夏を感じます!これは、愛のハーモニー!!」
興奮の余り、マナの頭を抱く亜久里。そのテンションに反応し切れないのか、珍しく顔をしかめるマナ。
「亜久里ちゃんは、スイーツが大好きなんですね!」
喜びを顕わにする亜久里に、笑顔を見せるありす。
レジーナには『さん』付けだったのに、レジーナと同学年っぽい亜久里には『ちゃん』付けで呼んでいます。
何となく雰囲気が似ているので、亜久里とレジーナは同学年だと思っていましたが、レジーナの方が年上なのかも知れません。
「パティシエ顔負けの、見事な腕前!何より、食べる相手を喜ばせようとする愛を感じます。ブラボーですわ!」
「更に言えば、突然の来客にも動じず、サラリと受け入れる手際の良さ。まさに、執事のプロフェッショナル!」
「…それに比べて、あなたは本当にプロですの?」
セバスチャンの手を握り締め、その手際を絶賛する亜久里。その直後、真琴に向かって、辛辣な言葉を投げ付けました。
「昨日TVで、あなたの歌を聴かせて頂きました。正直、ガッカリですわ。」
ロールケーキを食べながら、真琴の歌に対する態度を批判した亜久里。
その言葉を聞き、マナ達は一斉に、亜久里に反論しました。
「ちょっと待ってよ!まこぴーは、凄く人気がある歌手なんだよ!」
「歌唱力に定評がある実力派よ!」
「トランプ王国でも、一番の歌姫なんだビィぃい~!!!」
地団太を踏み、亜久里に飛び掛かるダビィを手で押さえながら、亜久里は言葉を続けました。
「世間の評価は知りません。ただ、昨日のあなたの歌からは、一欠片の愛も感じませんでした。わたくしが感じたモノは…迷い!」
「あの様な歌を歌って、プロとして恥ずかしくないのですか?」
自分の悩みを指摘され、ハッとなる真琴。
「まこぴーは頑張ってるよ!歌いながら、プリキュアもやってるし!」
「プリキュアとしても、半人前ですわ。わたくしが助けなければ、あなた達はジコチュー負けていた!違いますか?」
「それは…。」図星を刺され、ぐうの音も出ないマナ。
「全ては、中途半端なのです。今のままでは、キングジコチューに勝つ事など、到底不可能ですわ!」
亜久里の指摘に、誰も反論出来ませんでした。
「ごちそうさまでした。では、わたくしはこれで失礼します。」
クリームの付いた口をハンカチで拭い、席を立つ亜久里。呼び止めようと駆け寄る、マナ。
しかし、マナが表に出た時はもう、亜久里の姿は、何処にも見えませんでした。
一体、どうやって移動したのでしょうか?亜久里の謎が、また一つ増えました。
「まこぴー。今度のコンサート、楽しみにしてるからね!」
夕方になり、家路につく真琴を励ます様に語り掛けたマナ。
真琴は、そんなマナに対し、自分の悩みと決意を打ち明けました。
「私…。プロ失格だわ。キュアエースの言った通り、最近ずっと迷っていたの。王女様が見付かった今、何の為に歌うのか。そんな曖昧な気持ちで歌ってはいけないって…。」
「私…。歌手を辞めるわ!今度のコンサートで、引退を発表する!」
追い縋り、引退を撤回する様に勧めるマナと六花。
しかし、真琴の決意は固く、2人を遮る様に車のドアを閉め、真琴はダビィの運転する車で去りました。
「駄目だよ…。まこぴーは、歌を辞めちゃ…。絶対絶対ダメだよ!!」
去って行った車を見送りながら、苦しげに語るマナ。
その声が聞こえていたのか、車中の真琴は、寂しそうな表情をしていました。
「ねえ?本当にやるの?」「勿論!『まこぴーを歌わせよう作戦』、レッツゴー!」
翌朝。下駄箱の陰で真琴が来るのを待ち構えている、マナと六花。
不安気な表情を見せる六花を余所に、自信満々のマナ。果たして、その作戦とは――?
「まこぴー。」自分を呼ぶ声に振り向いた瞬間、ギョッとした表情を見せる真琴。
真琴が目にしたのは、幼稚園児の工作っぽいお面を被った、マナの姿でした。
「まこぴー。歌を辞めてはいけませんわ。絶対絶対、辞めてはいけま…わぁっ!」
「マナ…何のつもり?」マナのお面を引き上げ、呆れつつ怒りを顕わにする真琴。
アン王女を敬愛する真琴にとって、この作戦は逆効果でした。
「ああ、いやぁ…。王女様から止められれば、思い直すんじゃないかと思って…。何でバレたの?」
「王女様は、私を『まこぴー』と呼ばないわ…。」
作戦がバレた理由に本気で気付かないマナに、呆れながら答える真琴。
不機嫌な顔のまま、真琴は教室に向かいました。
「しまったああああ~!!!」
「いや、他にも色々、無理が…。」本気で頭を抱えるマナを見て、思わずツッコむ六花。
そして、放課後――。
校門前に突然現れた、『四葉フィルハーモニー管弦楽団』のフルオーケストラの一団。
そのチューニングの様子を見て、またもギョッとする真琴。
「う、歌わないって言ってるでしょ!」
「さあ!歌って下さいな!」と提案するありすを振り切る様に、恥ずかしそうな表情を浮かべて走り去った真琴。
その様子を見て、「思わず、歌いたくなる音色だと思うんですけど…」と、首を捻るありす。
マナと同様にありすもまた、何処か天然の様です。
もし真琴が普段通りの心境でも、こんな状況ではきっと歌えなかったでしょう。
本当に真琴に歌わせようとするなら、もっと、さり気無い雰囲気に持ち込むべきだと思います。
「ギャー!嫌ぁアあああ~!!!」
聞き取れない程の絶叫を上げるダビィに気付かず、ひたすらランニングに打ち込む真琴。
思い詰めた表情で走っていると、赤ちゃんの泣き声に気付きました。
「眠~れ~!ね~むれ~!母の…。」
階段の踊り場近くで腰掛け、子守唄でアイちゃんをあやすマナ。
しかし、アイちゃんは泣き止まないどころか、号泣してしまいました。
「どうしたのかなぁ…?アイちゃん?」
自分が重度の音痴だと言う自覚の無いマナは、泣き止まないアイちゃんを見て、困り果てていました。
その直後、真琴の足音に気付いたマナは、真琴にアイちゃんの為に子守唄を歌ってくれる様に依頼。
しかし、寂しそうな表情を浮かべ、真琴はマナの依頼を断りました。
「どうして?皆、まこぴーの歌を聴きたいのに?」
「歌手は、私だけじゃないわ…。」
そのまま去ろうとする真琴に、マナは静かに、自分の気持ちをぶつけました。
「楽しくなかった?まこぴー。歌ってるまこぴーは、いつも、とっても楽しそうだったよ!それを見てると、何だか私も胸がポカポカして。楽しくなって…。」
「楽しんでる暇は無いわ…。」その場を立ち去る真琴。
「歌ってる暇なんて無い…。マナ達は、プリキュアとしての自覚に欠けるわ…。」
「皆、真琴に歌を続けて欲しいんだビィ。」
寂しそうに道端を歩く真琴に、言葉を選びながら告げるダビィ。
「ダビィ。あなたもそうなの?」暗い表情で訊く真琴に、ダビィは笑顔で答えました。
「真琴には、やりたい事をやって欲しいビィ!ダビィは、それを、応援するビィ!」
ダビィの言葉が嬉しくて、そして、胸に突き刺さって…。
自分の心の迷いを振り払う様に、真琴はまた、ランニングを再開しました。
その頃、ジコチューのアジトでは――。
「そお~れ!」シルクハットを投げ付け、ボーリングのピンを両断するリーヴァ。
「ア~ン。う~ん、不味い。」ボーリング球を齧りながら、ぼやくグーラ。
そんな2人の様子を見て、呆れた様子を見せるイーラとマーモ。
しかし、「解っててやってるのよ。」と、嘲笑うリーヴァとグーラ。
どうやらこの2人、相当に性格が悪い様です。
「とっとと、王女捜しでもしてらっしゃい?」
「お前達に命令される覚えはない!」リーヴァに反論するベール。
しかし、グーラの「キングジコチュー様のご命令なんだよ!」の一言でぐうの音もでなくなり、イーラとマーモと一緒に王女捜しをする羽目に。
「ふうん…。面白そう…!」
デジタル放送全盛にも拘らず、謎の技術でモノクロのアナログ放送で、歌う真琴の姿を確認したリーヴァ。
怪しげな笑みを浮かべ、何やら企んでいる様です。
そして、真琴のコンサート当日。
開催地・四葉ドームの控室に、真琴はまだ到着していませんでした。
「ええっ!まこぴー、まだ来てないの!」
ありすから真琴がまだ会場入りしていない事を知らされ、驚くマナ。
マナ達は、セバスチャンや警備員達と協力して、真琴の捜索に当たりました。
捜査の目を掻い潜り、公園のベンチで佇む真琴。
引退を決意したにも拘らず、真琴はまだ、自分の決断に迷っていました。
そんな最中、騒ぎを聞きつけた芸能リポーターの女性は、控室前の入口に張り付き、突撃取材を敢行しようとしました。
「流石にそれは、ルール違反だわ!」直前で思い留まった、女性レポーター。
しかし、その心の隙をリーヴァに突かれ、彼女のプシュケーは黒く染められ、マイクジコチューとして利用されました。
「皆さ~ん!今日のステージの主役は私!そして…!」
「ジコチューでーす!皆~!ジコチューしてるか~い!」「イエーイ!!」
しかし、まこぴーファンで埋め尽くされた観客は、オッサンと怪人には無反応。
観客の態度に腹を立てたリーヴァは、ジコチューの怪音波で、観客を攻撃しました。
苦痛に歪む観客を救う為、マナ達は真琴の捜索を中止し、プリキュアに変身しました。
「此処は、まこぴーのステージだよ!」ジコチューを蹴り上げ、ドーム外まで弾き飛ばしたキュアハート。
その様子を目の当たりにし、真琴は仲間の許へ直走りました。
『プリキュア、突撃リポート!!』
キュアハートの前で突然、マイクを向けるジコチュー。
そして、3人のプリキュアに次々と、質問をぶつけました。
「恋人は居ますか?」「はぁ…?」
「テストは何点だったんですかぁ?」「そんなの今、関係無いでしょ!」
「貯金は、幾らあるんですか?」「さぁ?数えた事、ありませんわ。」
「ちゃんと答えて、下さ~い!!」
「きゃあああ!!!」
誰一人として質問に答えなかった為、腹立ち紛れに攻撃を仕掛けるジコチュー。
プライバシーの侵害をするジコチューに腹を立てる、プリキュア達。
しかし、ジコチューの攻撃は強く、3人は捕まってしまいました。
「皆っ!」仲間達の近くまで駆け寄ろうとした瞬間、アイちゃんにぶつかった真琴。
アイちゃんの手には、新たなキュアラビーズが。
「ダビデ・ダビデ・ダビィ!」「キュピラパキュピラパ、プー!」
ダビィとアイちゃんの力により、キュアラビーズから召喚されたのは手鏡。
真琴が鏡を覗き込むと、其処には真琴の名を呼ぶアン王女の姿が。
「王女様!?目覚められたのですか!?」
食い入るように鏡を覗き込む真琴。
しかし、残念ながら、アン王女が真琴と通信出来たのは、アイちゃんの力を借りた一時的なモノでした。
「キュアソード。私の為に、そちらの世界でも歌ってくれていましたね。あなたの歌、あなたの気持ち、届いていましたよ。」
「動く事も、声を上げる事も出来ず、希望を失いかけた私を励ましてくれたのは、ソード。あなたの歌でした。」
「あなたの歌を聴くと、胸がポカポカして、元気が出て来たのです!――本当に有難う!」
「まだ目覚める事は出来ませんが、ジョナサンが傍に居てくれるので、私は大丈夫です!」
「ですからこれからは、自分の為に歌って下さい!昔の様に楽しみながら。あなた楽しいと、私も嬉しいわ。」
「歌って下さい。キュアソード!」
光を放ち、鏡に映っていたアン王女の姿は消えました。
これまでの自分の行為が無駄では無かった事を知り、涙を溢す真琴。
「王女様もマナも、同じ事を言ってるビィ!王女様もマナもダビィも、皆、真琴の歌が大好きなんだビィ!」
「楽しく歌う真琴の歌を、聴きたいんだビィ!」
ダビィとアイちゃんに見詰められた真琴は、遂に、自分の心に正直になりました。
「私…歌いたいっ…!」「応援するビィ!」「きゅぴ~!」
「有難う…!」ダビィとアイちゃんを抱き、心から感謝する真琴。
捕らえられ、ピンチに陥ってもなお、諦めずにジコチューに立ち向かおうとするキュアハート達。
その瞬間、仲間の心意気に応える様に、キュアソードのホーリーソードが、3人の縛めを解きました。
「皆、私の為に。有難う。」
「プリキュアなのに、どうして歌ってるんですかぁ~?それでも、プリキュアですかぁ~!!」
新たな取材相手を見付けたジコチューは、キュアソードに突撃取材を敢行。
しかし、取材慣れしているキュアソードには、その攻撃は通じませんでした。
「私は、歌うプリキュアよ!!」
凛とした態度で答える、キュアソード。その心を揺さ振ろうと、リーヴァはキュアソードに問い掛けました。
「歌なんて歌って、何になるの?な~んの役にも立たないのに?」
「役に立たないかも知れない!無意味かも知れない!でも、楽しかった!嬉しかった!!私は歌う事が好きだから、だから歌って来たの!」
「歌いたいから歌うなんて、随分ジコチューね。」
「そうね。でも、こんな私を応援してくれる人が居る!だから、その人達の為に、自分の為に…私は歌う!!」
『歌う事が好き』と言う自分の心と向き合い、認めたキュアソード。
その瞬間、キュアソードの身体からオーラが溢れ出ました。
「愛に目覚めた様ですね?キュアソード。」
「プリキュアの力は、愛から生まれます。大好きな事を直向きに続ける事。それも愛なのです。」
「迷いが愛の力を妨げていましたが、あなたは迷いを乗り越え、新たな力・更なる大きな愛に目覚めた。」
「お見事です。――プリキュア・5つの誓い!1つ、『愛は与えるもの!』」
「あなたは、歌で世界に愛を与えていた。これからも、世界に響かせて下さい。愛の歌を!」
亜久里の助言に首肯する真琴。そして亜久里は、アイちゃんと一緒にキュアエースに変身しました。
「好きなスイーツは、何ですかぁ~ああっ!?」
ジコチューのインタビューを無視し、跳び蹴りを喰らわせるキュアエース。
手下を吹き飛ばされ、「此処は、私のステージよ!」と、怒りを顕わにするリーヴァ。
「独り善がりのステージは、迷惑です。――はっ!」
「あなたの行為に、愛は感じませんわ!」
身勝手なリーヴァの言い分に怒り心頭のキュアエース。さあ、お仕置きの時間です。
「彩れ!ラブキッスルージュ!」
以前とは違い、紫色に変化したラブキッスルージュ。
どうやら、プリキュアが覚醒する毎に、その能力を変える様です。
「ときめきなさい!エースショット!――ばきゅーん!!」
キュアエースが放った今回の攻撃は、敵を行動不能にする効果でした。
「ソード、今ですわ!」キュアエースの掛け声で、チャンスに気付いたキュアソード。
パワーアップしたスパークルソードを放ち、ジコチューを浄化しました。
「やるじゃない。面白くなって来たわ。」
敗北を喫したものの、まだまだ余裕を見せるリーヴァ。
彼が本気を出した時はやはり、ジコチュートリオと同様に『ビーストモード』になるのでしょうか?
リーヴァの本気は観てみたい。でも、カッコ悪い姿は観たくない。
少し、複雑な気分になりました。
「やっぱり、まこぴーはスゴイよ!歌で皆を、こんなんに笑顔に出来るんだもん!」
「そうね!笑顔はジャネジーを消して行く。まこぴーは、歌で世界を救っているのかも知れないわ!」
真琴のステージを観ながら、その歌の力に感心するマナ達。
「歌から、愛が溢れています!ブラボーですわ~!!」
そして亜久里もまた、『まこぴー親衛隊』の背中に隠れつつ、一緒に身体を揺らして歌に聞き惚れていました。
「私は、歌う事が大好きです!歌っていると、楽しくて!嬉しくて!幸せな気持ちになります!!」
「そんな気持ちを、皆にも感じて貰いたい!だから、歌います!!」
真琴の言葉を聞き、更に大歓声に包まれる場内。
観客の笑顔の風を受けながら、真琴もまた、満面の笑みを浮かべました。
映画化のお知らせの後、次回予告。
今回の感動が覚めやらないなか、その内容はとんでもないモノでした。
『キュアセバスチャン』って、一体~!
そして、謎の貴婦人・キューティーマダムの正体は~!!
今回の感動を打ち消しかねない、とんでもない予告でした。
6人目のプリキュア・キュアセバスチャンの活躍に、期待せずには居られません!
※年上のマナ達に対して毅然とした態度を取りつつも、幼く見られた事に腹を立てたり、ロールケーキを食べて喜んだりと、年相応の態度も見せる亜久里。
まだまだ謎が多い存在ですが、これからどんな一面を見せてくれるのか、これからが楽しみです。
亜久里の人物像が顕わになって行く反面、謎もまた増えました。
最大の謎はやはり、ぶたのしっぽ亭から忽然と消え去る事が出来る移動力と、アイちゃんとの関係性だと思います。
果たして亜久里は、人間なのでしょうか?
それとも、何者かが作り出した存在なのでしょうか?
話の展開の速さからすると、亜久里の謎が明らかにされる日は案外、もうすぐなのかも知れません。
そして、マナ達がレジーナとの友情を取り戻す日も。
亜久里とレジーナの関係性も不明ですが、2人が仲良くマナ達と一緒に微笑んでいる光景を、一刻も早く観たいと思いました。
何とか周回遅れだけは逃れたかったのですが、遂に感想を書くのが周回遅れに。
7月27日は大阪で『ドキドキ!プリキュア ミュージカルショー』がある為、次回の感想は遅れる訳には行きません。
体調は戻って来たので、次回の感想は、何とか数日中に書こうと思います。
また遅れてしまった時は、申し訳ありません。
(※実際には1周遅れの感想になりましたが、日付は20日のままにしています。)