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2024年8月30日 (金)

ディープフェイク(偽情報)が日本企業をカモにする

今年1月の世界経済フォーラム(ダボス会議2024)において、企業における短期リスクランキングの第1位が「偽情報の蔓延」ということでして、ディープフェイクは今や世界的に重大な企業リスクと評価されています。とりわけ、本日(8月29日)の日経記事「ディープフェイク 国内で28倍に急増 崩れる日本語の壁」では、「生成AIを利用して偽の動画を作るディープフェイクによる詐欺被害のリスクが日本で急激に高まっている」と報じられており、日本では被害拡大のスピードがとても速いようです。

言語として難しいとされる日本語の壁を越えて、生成AIによるディープフェイクが日本にも大きな詐欺被害を及ぼしていることは驚きかもしれませんが、ただ生成AIが今後日本の企業文化を正しく学んだ場合、おそらく日本企業は偽情報によるカモにされるのではないでしょうか。

法務担当者が担当役員に新しいビジネスの提案をする場合(つまり私がビジネスを持ち掛ける場合ですが)、法務担当者がどんなに素晴らしいかを説明しても「他の会社では採用しているの?大手の法律事務所も推奨しているの?」とか「これまでの実績はどうなの?採用して結果は出ているの?」といった質問ばかりで、役員ご自身で素晴らしいかどうかを理解しようとはしません。つまり大きな企業の場合、とくに管理部門で役員にまでなれた人は減点主義をくぐり抜けて、責任を回避する能力に長けた人が多い。←まぁ、私自身もそのような「有事における責任転嫁への布石」を教示することで収入を得ているのであまり強くは言えませんが(#^.^#)。

そこで法務担当者には「他の会社でもやってますよ」「権威のある●●教授(●●弁護士でもよい)が推奨していますよ」と言って担当役員を説得することをお勧めしています。つまりリスク回避優先社会であるがゆえに、おそらく(いざという時に責任を転嫁する好材料として)ディープフェイクに飛びつくはずです。あの売上3兆円企業である天下の積水ハウス社だって、悲しいかな稚拙な偽情報を駆使した地面師に騙されたのです。「こうありたい!」と願う方向にフェイクニュースが飛び込んでくれば誰だって信じてしまう(信用できる正当な理由を考えついてしまう)のが日本の企業社会の性(さが)なわけでして、このあたりを生成AIが学習した暁にはとんでもない事件に御社も巻き込まれるかもしれません。

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2024年8月29日 (木)

セブン&アイへの買収提案-「日本株式会社の本気度」が試されている

台風10号が大阪にいつ来るのか(来ないのか)、予想が立たないので仕事もやりづらいですね。皆様はどうされていますでしょうか。

8月28日のブルームバーグニュース「7&iHDのコア業種申請、試される『日本株式会社』改革の本気度」を読みました。セブン&アイHDが日本政府に対し、「外国為替及び外国貿易法」(外為法)で最も規制が厳しい「コア業種」分類への格上げを申請したことが、関係者への取材で分かった、とのこと。セブン&アイHDはアリマンタシォン・クシュタール(以下「クシュタール」といいます) から買収提案を受けた後に格上げ申請をしたそうで、仮に認められればクシュタールにとって買収のハードルが上がる可能性もある、とのこと。

上記ブルームバーグが伝えるところが真実だとすれば、セブン&アイとしては「特別委員会を設置する等により『企業買収における行動指針』に従っているようにはみせているが、企業買収による企業価値向上といったことよりも、なにがなんでも買収されてはいけない、という経営判断のほうが先行している」ものと(少なくとも外からは)みえます。私は8月20日付け「海外の事業会社と経産省「企業買収における行動指針」との相性」なるエントリーで素朴な疑問を呈しましたが、やはり海外大手事業会社と日本の事業会社との買収には経産省「企業買収における行動指針」は相性があまり良くなさそうですね。

これは私個人の意見ですが、企業買収には「日本の正義」があるのと同様、訴訟やロビー活動(圧力)で解決する「アメリカの正義」もあると思うのです。短期的な利益を上げることが目的の海外投資家であれば「日本の正義」にとりあえず乗っかることが得策かもしれませんが、本気で中長期の事業拡大を狙う海外事業会社(およびその背後の年金基金)であれば「アメリカの正義」でやってきますよね。どうしてもダメならまた時期を変えて、というのもあるかもしれません。

となると、今度は財務省が格上げを認めるかどうか、つまり(このブルームバーグの記事にあるように)日本政府の企業統治改革の本気度が問われるということになるのでしょうね。外資を獲得するだけの(つまり時価総額を上げるためだけの)「なんちゃって企業統治政策」なのか、外資に飲み込まれることはあっても(つまり海外事業会社に相応のリスクをとってもらって)限られたヒト・モノ・カネの最適配分のために個々の日本企業のサステナビリティを向上させる本気度があるのか。「コンビニはもはや日本の防衛に不可欠なインフラである」といった理屈はあるかもしれませんが、おそらく(海外の事業会社に投資をしている)海外の巨大年金基金などは、今回のクシュタールの買収案件を「日本企業は本当に買収できるのか」を試す好例として注目しているのではないでしょうか。

デジタルの世界では米国のプラットフォーマーが「地主」であり、日本のIT企業は「小作人」と表現され、価格決定力が存在しない以上はどこまでいっても貿易赤字が減りませんが、これからは事業会社の世界でも「地主」と「小作人」の関係が形成されてしまうのでしょうか。私はそうならないために、まずは海外事業会社が抱えているルールメイキングのための法務部門、つまりロビー活動や例外的取扱いの提言等で政府に圧力をかけることができる数百名規模の戦略法務部門を日本の事業会社にも構築することが必要と考えます。

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2024年8月26日 (月)

SCOPE3開示で15年ぶりによみがえるJ-SOX(財務報告内部統制)

今週は大型台風が近畿に接近する可能性が高いので、東京出張はキャンセルしてリモートによる面談とさせていただきます。ちなみに事務所もお休みにして、自宅からのリモートの可能性もありそうです。

さて先週、某団体の講演でも申し上げましたが、サステナビリティ情報開示の一環としてサプライチェーンにおけるGHG排出量開示(いわゆるSCOPE3)が義務化されることになりますね。東証プライム企業にとってもハードルが高いわけでして、第三者のデータに依存せざるを得ないところもあるので民事上および刑事上の虚偽記載責任については「セーフハーバー・ルール」が適用されることはご存じの方も多いと思います。

ということは「なんちゃってSCOPE3」疑惑については、SNSや同業他社・アクティビストから指摘することが容易となり、事実上の制裁はレピュテーションリスクの顕在化(社会的課題解決に後ろ向きの企業)ということになります。第三者保証が行われるとなれば、監査法人も批判されることになりますね。たとえばこちらの電通のレポートにも見られるように、民事・刑事上の有報虚偽記載責任が問われずとも日本よりも海外で企業の信用が毀損されるリスクは高いはずです。

こういったリスクを想定すると、財務報告内部統制(いわゆるJ-SOX)の有効性確認の重要性が高まるものと思われます。昨年のJ-SOX改訂により、財務報告内部統制の基本的枠組みが「財務報告の信頼性」から「報告の信頼性」に訂正され、サステナビリティ情報開示における内部統制にも通用する考え方となりました。

つまり、SCOPE3の情報開示にはデータ分析上の限界があるために、どうしても推論や見積りが必要となるわけですが、J-SOXにおける内部統制の実施基準に沿った整備・運用のもとで公表された情報であるならば、虚偽記載責任は問われない、つまり重要な部分において投資判断を誤らせないだけの合理的な理由があると主張でき、事実上の制裁(レピュテーションリスクの顕在化)からも解放される確率が高くなります。

もちろんサステナビリティ情報のすべてがセーフハーバー・ルールによるものではありませんが(財務報告と同様、虚偽記載の法的責任が問われるものもありますが)、GHG排出量開示という極めて重要な非財務情報についての金融庁判断が示されたわけですから、いよいよ15年ぶりにJ-SOXの重要性が見直される契機となりそうであります。

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2024年8月24日 (土)

日経ビジネス最新号(8月26日号)にインタビュー記事が掲載されました。

M66766041478_1_512 8月26日発売の日経ビジネス(2024年8月26日号)の特集「失敗を生かす経営 トヨタ・小林製薬・三菱電機の教訓」におきまして、「『告発』に発展する前に情報が集まる『内部通報制度』の作り方」と題するインタビュー記事(2頁)を掲載していただきました。

社内に設置する内部通報窓口への連絡が少ない──。一見良いことに思えるが、安心して使える制度になっていないためかもしれない。改善しなければ、従業員が社外へと訴え出る「内部告発」に発展しかねない。情報が集まる制度づくりのポイントを専門家に聞いた。

とのリード文のとおり、日ごろの内部通報制度の構築支援において第1フェーズで目標としている「通報を増やすための対策」についてお話しております。ちなみに第2フェーズは「通報が増えたはよいが、制度目的とは異なる通報ばかりで担当者が疲弊した場合はどうするか」といった悩みへの対策でございます(こちらが実はなかなかむずかしい)。

公益通報への対応体制を整備・運用することに悩む企業がとても多いですね。とりわけ昨今の兵庫県知事によるパワハラ問題への報道などをみていても、経営陣による不適切行為への杜撰な通報対応はいわゆる「二次不祥事」に発展します(ちなみに「一次不祥事」は経営陣による不適切行為です)。実は一次不祥事よりも、こちらの二次不祥事のほうが企業のレピュテーションリスクを顕在化させます。ご興味がございましたらご一読いただけますと幸いです。

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2024年8月20日 (火)

海外の事業会社と経産省「企業買収における行動指針」との相性

8月14日にこちらのエントリーで「JR九州グループ会社はさすがにマズいのでは?」と書きましたが、やはり8月15日にグループ会社のHPにて「お詫び」と題して事案の説明がリリースされましたね。まだ国交省の検査が続いているそうです。

さて、すでに各メディアにて大きく報じられておりますが、カナダの大手コンビニ事業会社がセブン&アイHDに対して買収提案を行ったそうです。年間売上高はほぼ同じ程度ですが、時価総額はカナダの事業者のほうがかなり大きい、とのこと。セブン&アイは経産省「企業買収における行動指針」に準拠して特別委員会を設置して、この買収提案に応じるかどうか慎重に判断するそうです。

本当に素朴な疑問なのですが(といいますか、前から疑問に思っていたのですが)、日本ではソフトローと言われる「企業買収行動指針」については、日本の証券市場に関係する利害関係者、つまり上場企業や国内外のファンドについてはルールとしての実効性があるのですが(スチュワードシップコードを併せて)、外国の事業会社にとっては実効性はあるのでしょうか?

そもそもガバナンス・コードや経産省各種指針はEUや英国のルールに基づいて作られたものですよね。アメリカにはコードはなくて訴訟や支配権市場で決着をつけるはずです。では、カナダの事業会社としては、日本のソフトローに従うメリットはどこにあるのでしょうか?以前のように「同意なき買収などけしからん!」といった時代であればともかく、昨年公表された「企業買収における行動指針」は企業価値を向上させる同意なき買収はウエルカムという思想だと理解しています。実際、日本企業どうしでも異業種による同意なき買収提案はされています。このカナダの事業会社によるセブン&アイへの買収提案は3年ぶり2度目ということですから、それなりに協議はすでになされているとも思われます。ということは、日本のソフトローに粛々と応じるメリットが海外事業者にあるようには思えないのですが・・・

私もかつて何社か(事業再編時の)特別委員会の委員をしましたが、本件のような海外の同業者による買収提案のケースで、買収提案者はどこまで特別委員会のプロセスを尊重してくれるのか、あまり知見がないためにわからないのです。まだ前交渉のレベルかもしれませんが、今後の進展は注目ですね。しかし「これがM&Aの世界だ」と言われればそれまでですが、(機関投資家の要請に応じるままに)祖業であるイトーヨーカ堂の多くを閉鎖して、さらに西武・そごうを手放して(つまり一番しんどい仕事を完了して)「選択と集中」を実現したところで買収対象になる、というのもちょっとセブン&アイにとっては気の毒だと思いました。経営の効率性がなかなか上がらず、株価がさえないためにターゲットになっているのでしょうかね。

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2024年8月19日 (月)

今後、調査委員会の設置が要請される重要インシデントについて

アラン・ドロンさんの代表作といえば「太陽がいっぱい」。悪事を隠し通して我が世の春を謳歌していたとしても、最後には(思いもつかないところで)悪事が露見して全てを失う・・・というのはビジネスの世界でも全く同じですね。ということで、不正疑惑が発覚した時点において、企業は大けがをしないためにも自ら調査委員会(社内もしくは社外)を設置することがトレンドになっております。その調査委員会設置の必要性は、今後ますます高まるものと思っておりまして、以下のような場面でも設置要請が増えるはずです。

まず、外部通報や株主の意見に基づく会計不正疑惑です。エネチェンジ社の例(外部通報)やレーザーテック社の例(大株主による疑惑表明)が典型ですね。会計監査人への外部通報については2015年「監査における不正対応基準」があるので当然かもしれませんが、大株主が詳細な分析をもとに会計不正疑惑を指摘した場合などは、会社としての真摯な回答が必要になってくるのではないかと。

つぎに政策保有目的株式か純投資目的株式か、外部調査によって保有目的を判断することが要請されることが増えそうです。アクティブ投資家だけでなく、パッシブ投資家からも要請が強くなってきましたね。日経の記事で「純投資株式」と言われる株式の中にも多くの政策保有株式が含まれていると考えている機関投資家が圧倒的に多いという事実からも、外部調査委員会による調査要請が株主から要請されることが増えると思われます。

さらに(非開示のままで)経営陣によるセクハラ・パワハラに関する調査の需要は増えそうです。兵庫県知事の問題に代表されますが、とくに最近の発覚事案では経営陣のハラスメントは一発レッドカードとなることが多いので、会社としても通報や告発によって経営者のハラスメント疑惑が生じた場合には、独立性の高い調査委員会によって評価を行い、その後(辞任勧告や公表の要否も含めて)会社対応を検討する、という方向性が考えられます。

これらの問題に共通することは、アクティビスト投資家の行動に、(議決権行使結果が開示されるようになった)パッシブ運用投資家が追随する(追随せざるを得ない?)ような話題だという点です。調査委員会を設置するかどうかは会社側の判断になりますが、エンゲージメントによって上記のような委員会設置の要望がアクティビスト側から提案されることが多くなるように思います。

最後に「親会社経営陣のグループ不正問題への責任判断」についても調査委員会設置が要請されることが増えそうな予感がします。損保業界では保険代理店問題によって、大手銀行ではグループ間の顧客情報漏えい問題によって、さらにはトヨタ自動車ではグループ全体において品質不正問題が発覚したことから、世間的には親会社役員の責任追及があって当然との機運が高まっています。一方、みずほフィナンシャルグループにおける子会社反社不適切管理への株主代表訴訟では「親会社役員の法的責任」は否定されたことから法的責任追及には限界があることが認識され、今後は調査委員会による経営責任判断への要請が強まるのではないでしょうか。

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2024年8月15日 (木)

原爆裁判-アメリカの大罪を裁いた三淵嘉子

Img_20240814_194557271_512 (本日はビジネス法務とは関係ありません)さて、NHK朝ドラ「寅に翼」も、今週はいよいよ寅子が原爆裁判を担当するところとなりました。原爆の被害を受けた原告が、日本国による米国との平和条約によって一方的に(米国政府に対する)損害賠償請求権を奪われたとして、日本国を被告として提訴した裁判です。その原爆裁判について語られた書籍が「原爆裁判-アメリカの大罪を裁いた三淵嘉子」(山我浩著 毎日ワンズ 1,400円税別)。ちなみに本書の前半はアメリカにおける原子爆弾投下までの経緯が詳細に記されており、とくに原爆を投下する候補都市を絞り込むあたりの記述は読んでいて胸が苦しくなりました(よって、ご一読はあまりお勧めしません)。

三淵判事が原爆裁判を裁いた、とありますが、実際には東京地裁民事第24部の合議体で審理をしていますので、合議体として裁判に加わった、ということになります。ただ提訴された昭和30年から判決が下された38年まで、裁判長と左陪席は何名か交代しているにもかかわらず、8年間ずっと三淵判事は右陪席として審理に加わっていますので、事実上は判決まで三淵判事が中心的な役割を担っていたことは間違いなさそうです(著者も、同様に推測しておられます)。

なお、三淵判事は原爆裁判の審理過程についてはどこにも記録を残していませんし、また誰にも話をしていないので(合議体の守秘義務)、ドラマの原作や脚本も完全にオリジナル創作によるものだと思われます。実は原爆裁判の記録(訴訟審理の正式記録)は東京地裁にも保管されておらず(すでに廃棄済み)、原告代理人である松井康浩弁護士(ドラマでは塚地武雅さんが演じていますね)の事務所に残された「控え」だけが法律家団体のもとで保管されている、とのこと。

判決文は、正直申し上げて法律的な素養がないと読み込めないほどに精緻であり、格調の高いものです。原告らの原爆による被害に関する賠償請求権は、国際法上、国内法上いずれにおいても認められるものではない、としたうえで「原爆投下は国際法違反である」ことを(世界ではじめて)認めた内容になっています。政治的な配慮ではなく、法理論的に詰めた結論であるところに特徴がありますが、(請求権を認めることで)個別の裁判が多数起こされるという混乱を回避しつつ、原爆被害者への立法・行政による早急な対応を厳しい言葉で求めた点においてはとてもバランスに配慮した判決内容だと思います(実際、この判決直後に「原爆特別措置法」が法制化され、さらに「被爆者援護法」の制定にもつながります)。

三淵判事といえば、少年事件や家事事件を通して「家庭裁判所」でのご活躍が語られますが、この原爆裁判こそ、三淵嘉子という法律家としての才能を知るうえで重要な記録だと思います。ちなみに原爆裁判における国側の指定代理人(訟務検事、つまり三淵さんと同じエリート裁判官ですね)と三淵判事とのやりとりについてもドラマで見ることができれば興味深いですね。

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2024年8月14日 (水)

JR九州グループ会社の危機対応(さすがにこれはマズイのでは?)

JR九州グループ会社であるJR九州高速船社が、旅客船「クイーンビートル」で浸水が発生していることを隠して3か月以上運航を継続していた問題が国交省の抜き打ち検査で発覚しました(読売新聞ニュースはこちらです)。毎日新聞ニュースでは、国交省への報告を怠っていたことだけでなく、データ改ざんなども行われていたことも報じられており、相当に根深い問題があったように思われます。

専門家ではないので、この浸水隠しがどれほど安全性に影響を及ぼすものなのかは不明ですが、乗客の生命に関わる事故に関する隠ぺい・改ざんが行われていたというのは今後の事業継続にも関わる問題と言えます。ところが、問題発覚後の同グループ対応をみるに、私にはそのような危機感が感じられません。これほどの事態となればJR九州のトップが謝罪会見を開くのが当然と思われますが、常務執行役員による会見ということで驚きました。

さらに、JR九州およびJR九州高速船のホームページを閲覧しましたが、8月14日午後1時現在、発覚した浸水隠しに関するリリースがなく、「当面運行を停止します(8月9日付けリリース)」「子会社社長を交代させます」としか説明がありません。ええ!?なぜでしょうか?ちょっと信じられない対応です。親会社であるJR九州にはたくさんの社外取締役さん(もちろん監査等委員である社外取締役さん)もいらっしゃいますが、このリリースはご存知なのでしょうかね?早急にリリースを修正したほうが良いと思うのですが・・・。

仕事中なのであまりコメントを書く余裕はありませんが、本件も国交省への内部告発による発覚の可能性がありますね。ちょっと今後のJR九州グループとしての対応、国交省の対応については注目しておきたいと思います。私個人としては「さすがに現状ではマズイ」との印象はぬぐえません。

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2024年8月 6日 (火)

最近の諸々(もろもろ)について

残暑(?)お見舞い申し上げます。本業は東京と大阪を行ったり来たり、ということでボチボチ忙しい程度なのですが、いくつか原稿執筆の締め切りが迫っておりましてブログを更新する時間もとれません(単なる言い訳ですが)。

それにしてもほんのささやかな個人投資家としては、(個別株への影響を見ながら)株価乱高下で一喜一憂している毎日です(笑)。当面、こんな感じなんでしょうかね(>_<)。

そういえば7月26日に「やっぱり記者会見は必要では?」と書きましたが、8月8日に現社長、次期社長による記者会見が開催されるようですね(指名報酬委員会の委員長さんは会見しないのでしょうかね?)。

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