iPS細胞とは? わかりやすく解説

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アイピーエス‐さいぼう〔‐サイバウ〕【iPS細胞】


iPS細胞

 京都大学iPS細胞研究センター長の山中伸弥教授が、ヒトの皮膚細胞からiPS細胞をつくることに成功した発表してから11月半ば1年経過しました。この1年間で、世界多く研究者から相次いで研究成果報告されました。知的財産権問題含め多く話題振りまいています。iPS細胞は世界的にも、いま最もホット研究テーマ一つといって過言ではないでしょう
 iPS細胞は人工多能性幹細胞とか人工万能幹細胞かいわれ、単に万能細胞呼ばれることもあります幹細胞とは、神経心臓などのさまざまな細胞をつくり出すことができる万能細胞のことです。幹細胞にはES細胞というのが以前からありました。これは胚性幹細胞といわれるように、ヒトの受精卵を使います。そのために生命倫理上の問題指摘されいました
 幹細胞神経心臓などの細胞がつくり出せるのですから、難病やけがの再生医療病気の原因解明患者ごとに最適な開発などに有効と期待されています。さらに自分皮膚などからできるため、移植したときに拒絶反応がないという利点あります
 日本では文部科学省中心に研究支援知的財産権確保などが打ち出されました。国の施策としては異例スピードオールジャパンでの研究体制整備なども行われました科学技術振興機構JST)は世界最大規模資金有する米国カリフォルニア再生医療機構(CIRM)とiPS細胞を中心とする幹細胞研究に関する協力覚書11月18日結びました山中教授両者に話を持ち込んだのが7月いいますから、これも異例スピードでした。
 JSTとCIRMの国際協力意義は、資金助成の裏けがある国際協力による研究加速あります安全性含め、iPS細胞の医療創薬への応用までの道のりはまだ長いでしょうが、これを縮めることが期待されます。
 同じ18日には山中教授申請していた「iPS細胞医療応用加速プロジェクト」が政府先端医療開発特区スーパー特区)に選ばれました。このプロジェクトには京大をはじめ東大理化学研究所武田薬品工業アステラス製薬島津製作所などが参加してます。さらに12月10日には京大iPS細胞研究センター米国幹細胞エンジニアリング企業研究協力することで合意してます。
 山中教授は「iPS細胞の目標患者さんを救うという一点尽きる。競争知財大事だが、それらは研究応用実現アクセルになるものであってブレーキになって意味がないと言います世界中研究者正々堂々競争し必要な部分では積極的に協力して一刻も早く目標到達することが求められています。
 

(掲載日:2008/12/22)

iPS細胞

【英】: Induced Pluripotent, Stem Cell, iPS Cell
京都大学山中伸弥教授らの研究チームは、ヒトの皮膚細胞から胚性幹細胞ES細胞)と遜色のない能力持った人工多能性幹細胞(iPS細胞)の開発成功した2007年11月発表した

胚性幹細胞ES細胞)は、高い増殖能とさまざまな細胞へと分化できる多能性を持つことから、再生医学分野では大きな期待集めている。しかし、ES細胞ヒトの受精卵から作製するために慎重な運用求められまた、患者移植する拒絶反応起ってしまう。そこで、ヒト体細胞から直接ES細胞と同じ能力持った幹細胞樹立することが求められていた。

研究チームでは、これまで4つ因子組み合わせてマウス体細胞導入することにより、高い増殖能とさまざまな細胞へと分化できる多能性を持つiPS細胞の樹立成功しマウス同定した同じ因子ヒト成人皮膚由来する線維芽細胞導入することにより、ヒトES細胞形態増殖能、遺伝子発現分化能力などにおいて類似したヒトiPS細胞の樹立成功した

ヒトiPS細胞は患者自身皮膚細胞から樹立できることから、脊髄損傷若年型糖尿病など多く疾患対す細胞移植療法につながるものと期待されるまた、ヒトiPS細胞から分化させる心筋細胞肝細胞は、有効で安全な薬物探索にも大きく貢献する期待されている。

ES細胞

全能性

体細胞クローン


人工多能性幹細胞

(iPS細胞 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/20 01:32 UTC 版)

人工多能性幹細胞(じんこうたのうせいかんさいぼう、: induced pluripotent stem cells[注 2])は、体細胞へ4種類の遺伝子導入することにより、ES細胞(胚性幹細胞)のように非常に多くの細胞分化できる分化万能性 (pluripotency)[注 3]と、分裂増殖を経てもそれを維持できる自己複製能を持たせた細胞のこと。2006年平成18年)、山中伸弥率いる京都大学の研究グループによってマウス線維芽細胞(皮膚細胞)から初めて作られた。




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