SI基本単位
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SI基本単位(エスアイきほんたんい、フランス語: fr:unités de base du Système international、英語: base units of the SI 又はSI base units)とは、国際単位系(SI)において、基本単位として位置付けられている7つのSI単位である。これらは国際量体系(ISQ)において基本量として位置付けられている7つの物理量に対する単位である。
- 1 SI基本単位とは
- 2 SI基本単位の概要
SI基本単位
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詳細は「SI基本単位の再定義 (2019年)」を参照 7つの定義定数の数値の固定によるSIの定義では、SI基本単位の定義は定義定数を用いて導き出される。 SI基本単位は秒 (s)、メートル (m)、キログラム (kg)、アンペア (A)、ケルビン (K)、モル (mol)、カンデラ (cd) であり、対応する基本量はそれぞれ時間、長さ、質量、電流、熱力学温度、物質量、光度である。 この7つの基本単位のうち、キログラム (kg)、アンペア (A)、ケルビン (K)、モル (mol) の4つについては2018年11月16日の国際度量衡総会(CGPM)においてその定義が根本的に改定された。残りの秒 (s)、メートル (m)、カンデラ (cd) については定義は本質的にはこれまでと同じであるが、表現が改められた。基本単位の新しい定義は、2019年5月20日に発効された。 なお、基本単位の列挙順序は2019年に、以下の表のとおり、時間・長さ・質量・・・となった。これは時間の基本単位である秒の定義が他のどの基本単位にも依存しておらず、最初に掲げられるべき物理量であるからである。それ以前には、18世紀以来の伝統的な列挙順序である、長さ・質量・時間・・・の順序であった。 SI基本単位の量、名称、記号とその定義量基本単位定義名称記号時間 秒(second) s セシウム周波数 ∆νCs、すなわち、セシウム 133 原子の摂動を受けない基底状態の超微細構造遷移周波数を単位 Hz(s−1 に等しい)で表したときに、その数値を 9192631770 と定めることによって定義される。 長さ メートル(metre) m 真空中の光の速さ c を単位 m s−1 で表したときに、その数値を 299792458 と定めることによって定義される。 質量 キログラム(kilogram) kg プランク定数 h を単位 J s(kg m2 s−1 に等しい)で表したときに、その数値を 6.62607015×10−34 と定めることによって定義される。 電流 アンペア(ampere) A 電気素量 e を単位 C(A s に等しい)で表したときに、その数値を 1.602176634×10−19 と定めることによって定義される。 熱力学温度 ケルビン(kelvin) K ボルツマン定数 k を単位 J K−1(kg m2 s−2 K−1 に等しい)で表したときに、その数値を 1.380649×10−23 と定めることによって定義される。 物質量 モル(mole) mol 1 モルには、厳密に 6.02214076×1023 の要素粒子が含まれる。この数は、アボガドロ定数 NA を単位 mol−1 で表したときの数値であり、アボガドロ数と呼ばれる。系の物質量(記号は n)は、特定された要素粒子の数の尺度である。要素粒子は、原子、分子、イオン、電子、その他の粒子、あるいは、粒子の集合体のいずれであってもよい。 光度 カンデラ(Candela) cd 周波数 540×1012 Hz の単色放射の視感効果度 Kcd を単位 lm W−1(cd sr W−1 あるいは cd sr kg−1 m−2 s3 に等しい)で表したときに、その数値を 683 と定めることによって定義される。 上の表の中には、単位の定義の中に別の単位を用いているものがある。例えば、メートルの定義には秒の定義が前提とされている。単位の定義に求められるのは何より実用性、すなわち現在の社会生活に必要かつ十分な精度を持ち、定義値が容易に実現できることである。このため、定義の独立性は意味を持たない。
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