軍事政策
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軍事政策(ぐんじせいさく Military policy)は、軍事目的を達成するための政策をいう。国防政策、防衛政策とも言う。
概要
軍事政策は狭義では、軍事行政において作戦行動に必要な軍事力の造成を目的とする政策を指すが、軍事目的を達成するための政治的な行動方針でもある。国防省の管轄にある事項であり、軍事活動における抑止・排除政策を包括する政策である。これは軍事戦略に基づき、安全保障政策や外交政策で規定される。軍事政策は仮想敵国を設定して諜報活動を行って軍事情報を収集し、その軍事力を分析し、これに対抗するための軍事計画を準備する。ただし軍事政策はしばしば外交政策と対立することがある。国益のための軍事的な行動は国際社会にとっては疑惑の対象となるからである。
軍事政策は、その国の地理的な特性や政治文化、国家理念や軍備などに基づいている。特に地理的な特性は軍事地理学的な影響が大きく、軍備の配置や作戦計画に関連する。さらに陸海空軍のどれを重視しているのかも国によって大きく異なっており、大陸国家は陸軍力を、海洋国家は海軍力を重点的に整備する場合もあるが、これは戦争の形態や国家戦略などによっても左右される。
関連項目
軍事政策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/10/11 13:40 UTC 版)
軍事政策は外交、戦略、戦術に属さない軍の政策事項を含む。敵国民のもつ強烈な敵愾心の鎮圧と自国民の精神の高揚をジョミニは強調する。戦争の正当な理由や勝利で自信を得た指揮官は部隊の士気を高めることに寄与することができる。一般に軍の統制に関する内閣の活動は作戦を制限するが、政治権力によってその行動の自由が封じられた将軍が自由に意思決定する将軍と比べてよりも軍事的に不利である。 軍事政策にとって軍事制度は最重要である。その条件としてジョミニは以下の12点を列挙する 優秀な徴募組織を持つ 優れた編制組織である 国民的予備役がよく組織されている 戦闘や幕僚または行政管理についての教範類が善い 厳正な軍紀と服従の精神がある 競争心を刺激する褒賞制度が準備されている 錬度が高い砲兵・工兵などの特技兵科がある 可能な限り敵に勝る装備を保有する 装備を利用する能力を持ちかつ担当する将校を教育するよき参謀組織がある 兵站と一般行政管理のための体系がある 指揮の権限委譲と戦争指導に適切な政治的体系、国民の精神を喚起して維持する 以上の条件はどれも不可欠なものである。 政府にとって軍事は要注意の事項である。行政府が最善の軍制を認めていない場合であったとしても、ジョミニは軍事だけに専心してはならないが文明国家の政府ならば常に有事即応の準備をしておかなければならないと主張する。軍が堕落しやすい平時においては監視を行い、常に軍人精神を維持して戦闘力を高めるように教育訓練しなければならない。つまり政治家は政治と軍事の両方について教育を受け、国家の元首たる人物は戦時において政治家と将軍を兼ねなければならない。政治家が軍を率いないかぎりは優れた将軍に委託し、参謀本部は戦争の危機に備えて平時から戦争計画を研究する。
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