よう‐みゃく〔エフ‐〕【葉脈】
葉脈
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/01 17:48 UTC 版)
葉脈(ようみゃく、英: vein, nerve)とは、葉における維管束であり、葉の表面に筋として見える構造である(図1)。葉脈は茎の維管束につながり、水や栄養分を葉に行き渡らせ、葉での光合成によってつくられた有機物を葉から運ぶ通路となる。また葉脈は細胞壁が硬化した細胞を含み、葉の機械的支持にも機能している。
注釈
出典
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葉脈
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 14:41 UTC 版)
詳細は「葉脈」を参照 葉にはたくさんの筋が入っているのが普通である。これは、茎から葉に入った維管束であり、葉脈と呼ばれる。普通は葉柄から葉の先端へと中心になる脈(主脈、中肋とも)が走り、その途中で側方へと枝の脈(側脈)が伸びる。側脈からはまた枝が出て、それぞれの先でぶつかり、全体として鳥の羽の筋のような(羽状)、あちこちで網目を作る(網状脈)形になることが多い。 単子葉植物では、主脈と側脈が共に葉の根元から先端へと向かい(平行脈)、それらをつなぐ細い脈が横に走る形になるものが多い。 シダ植物門やイチョウでは、葉脈は二又分枝的なものが多い。特にイチョウでは、葉脈はほぼ完全に二又分枝の繰り返しからなる。これは原始的特徴と考えられている。 葉脈の断面を見ると、葉の表側には道管を中心とする木部が、裏面側に師管を中心とする師部がある。これは、葉の表側が茎の中心を向いていること、茎では木分が中心側にあることを考えれば、当然の配置である。 茎の維管束が葉へと入るため、葉の上側では茎の維管束に隙間が生じる。これを葉隙という。
※この「葉脈」の解説は、「葉」の解説の一部です。
「葉脈」を含む「葉」の記事については、「葉」の概要を参照ください。
「葉脈」の例文・使い方・用例・文例
- (花について)葉脈に似た紫を見せる
- 植物の葉脈に関連するさま
- 葉の葉脈の間または昆虫の翅脈の間の部分のような組織またはある部分の小さな空間
- 植物か動物の肋骨状の部分(葉の真ん中の葉脈や、昆虫の翅の肥厚した翅脈のような)
- 1枚の子葉と葉脈が平行に走る葉を持つ胚をつくる種子植物からなる:イネ、ユリ、ヤシ、ランを含む
- 多く枝分かれした高木状のあるいは低木状のサボテンで、明らかな葉脈と円くなった麺状のとげを持ち、通常白の夜咲きの花をつける
- 紫の葉脈がある葉が根元から出てロゼットをつくるミヤマコウゾリナ属の多年草
- 特に金属系の白または金色の葉脈をもつビロードのような葉のために育てられるいくつかの繊細なアジアランのどれか
- 暗色の葉脈のある黄色がかった褐色の花を持つラン
- 各小花に6か8の雄ずい、1年で成熟するどんぐりと葉の端を超えて決して伸びない葉脈を持つ多くの旧世界とアメリカのオークのどれか
- 各小房に4つの雄しべを持つ多くアメリカオークの総称で、ドングリは成熟までに2年を要し、葉脈は通常葉の縁までのびて先端部を形成しているか生い茂っている
- 熱帯常緑の高木と低木の科で、厚みと輝きのある、葉脈の平行した葉を持つ
- 柔らかく軟毛で覆われた葉と茎と、茶色から紫色の葉脈のあるはっきりした黄色い花を有する北アメリカ東部のスミレ
- 葉脈のある長細い葉を持つ、ヨーロッパ原産のオオバコで、広く温帯地域に定着している
- 白がかった紫色の葉脈がある花をつけるアカンサスでヨーロッパ南部で広く栽培されている
- 葉の中央にある葉脈
- 胞子嚢を持つ遊離性葉脈のある熱帯着生シダ
- 叉状に分岐した葉脈
- 側脈という,葉脈の主脈から側方へ分岐した脈
- 植物の葉脈としての平行脈
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