翻案権とは? わかりやすく解説

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ほんあん‐けん【翻案権】

読み方:ほんあんけん

著作権の一。著作物翻案する権利


翻案権(ほんあんけん)


翻案”とは、元の著作物ストーリ性を変えることなく具体的な表現変えることをいう(著作権法27条)。脚色化や映画化も「翻案」に該当するまた、オリジナル文章ダイジェスト化することも含む。

著作権法アイデア保護せず、その表現保護するのであるので、元の著作物伺いしれる程度越え変更については、もはや新たな著作物であり、翻案とはいえない。なお、翻案結果創作され著作物二次的著作物という。二次的著作物については、翻案した者だけでなく、現著作物著作者翻案者と同等権利有する


翻案権

二次的著作物の創作権第27条)の一つです。著作物創作性加えて別の著作物作成する権利のことをいい、原作脚本にしたり(脚色化)、映画にしたり(映画化)、文書要約したりする場合に働く権利です。

翻案権

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/01 08:02 UTC 版)

翻案権(ほんあんけん)とは、著作権の支分権の一つであり、著作物を独占排他的に翻案する権利をいう。

概要

翻案とは、既存の著作物に依拠し、かつ、その表現上の本質的な特徴の同一性を維持しつつ、具体的な表現形式を変更して新たな著作物を創作する行為であると解されている[1]。翻案の例としては、小説を映画化やゲーム化する行為、一話完結形式の漫画の連載において同一のキャラクターを用いて新たな続編を創作する行為[2]などが挙げられる。翻案権は独占排他権であるから、翻案権者に無断で著作物を翻案する行為は、原則として翻案権の侵害となる。

複製権と同様に制限があり、私的使用や学校教育など一定の目的の元で使用する場合には自由に翻訳、編曲、変形、翻案を行うことができる[3][4]

翻案権で問題となるのは、既存の著作物のアイデアを用いて新たな著作物を創造することとの区別(翻案権侵害にならない)である。翻案に当たるのは、あくまで著作物となる思想又は感情を創作的に表現した部分の表現上の本質的な特徴を直接感得できる場合だけであり、思想・感情・アイデア・事実・事件などが酷似していてもそれだけでは翻案には当たらない[1]

またプログラムの翻案については、昭和48年の文化庁の第2小委員会(コンピユーター関係)報告書で「プログラムの翻案とは、既存のプログラムの基本的な筋、仕組等に変更を加えず、表現を変えて新たなプログラムを創作することである。」とされている[5]

著作権法の改正によって、検索サービスは必要範囲内で複製と翻案ができるようになった (許可されている改変はあくまで翻案のみ)。ただし、「当該検索結果提供用記録に係る著作物に係る送信可能化が著作権を侵害するものであること(国外で行われた送信可能化にあつては、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものであること)を知つたときは、その後は、当該検索結果提供用記録を用いた自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行つてはならない」とされている。

著作権管理団体においては、翻案権の管理をしていない団体が存在する (JASRAC[6]など)。

なお、著作物の改変を禁止する権利は、著作権ではなく著作者人格権同一性保持権によって定められており、一身専属性となっている。場合によっては私的改変[注釈 1]も同一性保持権の侵害となり、他人の使用によるそれを惹起するツールの提供は不法行為となる[7][8]。ただし、既存の著作物を素材として使い、新たな著作物を作る行為については、「他人の著作物を素材として利用しても、その表現形式上の本質的な特徴を感得させないような態様においてこれを利用する行為は、原著作物の同一性保持権を侵害しないと解すべきである」とされている[9][10]

他国の例

  • 英語圏では、adaptation right と呼ばれる[11]

脚注

注釈

  1. ^ このページにおいて「私的改変」とは、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用するために、著作物を改変し、又は翻案することをいう。

出典

  1. ^ a b  最高裁判所第一小法廷判決  平成13年6月28日 民集55巻4号837頁、平成11年(受)第922号、『江差追分事件』。判決全文 (PDF, 13KB)
  2. ^ 最高裁判所第一小法廷判決 平成9年7月17日 民集51巻6号2714頁、平成4年(オ)第1443号、『著作権侵害差止等』。判決全文 (PDF, 19KB)別紙1 (PDF, 65KB)
  3. ^ 著作物が自由に使える場合”. 文化庁. 2016年4月30日閲覧。
  4. ^ 著作権法(昭和四十五年五月六日法律第四十八号)第四十三条
  5. ^ 第2小委員会(コンピユーター関係)報告書 昭和48年6月 文化庁
  6. ^ JASRACネットワーク課 JASRAC
  7. ^ 『デッド オア アライブ 2』著作権侵害事件 ~最高裁判所の決定により、テクモ完全勝訴確定~” (PDF). テクモ (2004年10月5日). 2014年8月21日閲覧。
  8. ^ 篠原勝美; 岡本岳, 早田尚貴 (2004年3月31日). “平成14年(ネ)第4763号 損害賠償請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成13年(ワ)第23818号)(平成16年2月9日口頭弁論終結)” (PDF) (日本語). 最高裁判所. 2016年4月29日閲覧。
  9. ^ 最高裁判所第二小法廷判決 平成10年7月17日  集民 第189号267頁、平成6(オ)第1082号、『月刊雑誌『諸君!』評論事件』。
  10. ^ 最高裁判所第三小法廷判決 昭和55年3月28日 民集 第34巻3号244頁、昭和51年(オ)第923号、『パロディ・モンタージュ写真事件』。
  11. ^ Kunvay Copyright & IP Assignment Explained: What Copyright Transfer and Assignment of Rights Really Means. http://blog.kunvay.com/copyright-ip-assignment-explained-copyright-transfer-assignment-rights-really-means/ Archived December 8, 2015, at the Wayback Machine.. Retrieved December 2, 2015.

関連項目

外部リンク


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