移動と呼吸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 19:05 UTC 版)
鰭に見当たる脈の高い密度とそれを構成した大量の管状構造は、エーギロカシスはこれらの鰭の動きと形を幅広く操作できた機敏な遊泳性動物であったことを示唆する。大きな甲皮・小さな鰭・背腹に扁平の体・繊毛が生えた長い内突起をもつ前部付属肢などの形質は、一定の速度での長距離の遊泳に最適化されており、急加速や高速遊泳には向いていなかったと思われる。また、エーギロカシスは背腹2セットの鰭をもっているが、上下の鰭を連動すると渦が重ねて推進力が妨げられるため、腹側の鰭のみ遊泳に用いられたと思われる。背側の鰭は遊泳に用いられず、代わりに遊泳中にステアリングやバランスを安定させる機能をもっていたと考えられる。 他のラディオドンタと同様、背側の鰭の付け根に連結しながら胴節の背面に畳んだ setal blades は、ガス交換およびイオン交換(両方またはいずれか一方)に用いられた呼吸器官(鰓)であったと考えられる。それを構成する葉状附属体の柔軟性・細長い形・表面積を増やした両面の皺などの形質は、この機能に裏付ける証拠とされている。
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移動と呼吸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 05:43 UTC 版)
シャコ類は3対の歩脚で歩行し、波打つるように遊泳肢(第1-5腹肢)を前後に羽ばたいて遊泳する。遊泳肢の毛束状の鰓は主要な呼吸器である同時に、顎脚付け根の目立たない副肢も補助的な鰓だと考えられる。 特殊な移動手段をもつ例として Nannosquilla 属の種類が挙げられる。この属のシャコ類は平たく細長い体と短い歩脚で、砂浜に打ち上げられると歩行の代わりに体を垂直の環状に曲げて、逆さまにでんぐり返しながら水のある場所まで移動する。
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移動と呼吸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 15:24 UTC 版)
ワプティアは遊泳性の海棲動物であったと考えられる。頭胸部の歩脚型付属肢はかつて歩行用の脚と思われ、それを踏まえてワプティアも底生性と解釈されたが、その付属肢の形(太く短い)・位置(体の重心からかけ離れた前方にある)・姿勢(前方に畳んで内側を嚙合わせる)はいずれも歩行に不向きであったことを示唆し、むしろ摂食用であった可能性が高い(後述参照)。一方、これらの付属肢は発達した爪を先端にもつため、トンボの脚のように、歩行用ではないが、摂食以外では海底の表面や底生生物(例えば海綿)を掴んで泊まるのに用いられたと考えられる。頭胸部直後6対の羽毛状付属肢は表面積が広く、それを前後に波打つることで遊泳しながら、鰓として機能する縁の葉状構造体で呼吸していたと考えられる。平たい尾叉は遊泳中のバランスを保ちながら左右に動いて推力を調整し、または現生のエビ類の後退行動(Caridoid escape reaction)のように、腹部を急激に腹側に曲げることで後方に飛び跳ね、捕食者から逃げるためにも用いられたと考えられる。滑らかな背甲は、水との摩擦を軽減できたと考えられる。
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