踏まえてとは？ わかりやすく解説

読み方：ふまえて

「踏まえて」とは、ものごとを判断するための前提や根拠としてということを意味する表現

「踏まえて」とは・「踏まえて」の意味

「踏まえて」とは、ものごとを判断する時の要素となる前提や根拠として、または「考慮して」ということを意味する表現である。

「踏まえて」の語源は動詞の「踏まえる」であり、連用形の「踏まえ」に接続助詞の「て」が付いたものである。動詞の「踏まえる」には、「しっかりと踏む」「足で踏みつける」「しっかり押さえる」という意味があり、転じて「ある考えや事実の上に立つ」「よりどころにする」「前提とする」という意味として用いられる。

動詞の「踏む」には、「ペダルを踏む」というような「上から足で体重をかける」「足を動かす」の他に、「場数を踏む」などのように用いられる「実際に経験する」「目的を果たすための過程」といった意味がある。一方で、「踏まえる」の場合は「根拠」「前提」という意味を表す。つまり「踏まえて」には動詞の「踏む」が持つニュアンスがなく、動詞の「踏む」を活用させたものと接続詞の「踏まえて」では意味が違ってくるので注意が必要である。接続詞の表記はひらがなが基本であることから、接続詞として「踏まえて」を使用する時には「ふまえて」とひらがなで表記することが望ましい。

ビジネスシーンでは「ものごとを判断する根拠として」という意味や「事実の上にたって考慮する」といったニュアンスで使われることが多い。「踏まえて」の前には、何を踏まえるのかを表す「結果」「反省」「経験」などの名詞がくる。

「踏まえて」は、自分の行為に対して用いられる言葉であり、自分がへりくだることで相手に敬意を表す謙譲語である。そのため、相手の行為に対して用いるのは失礼にあたると考える人も少なくない。「踏まえて」は目上の人に使っても問題はない言葉ではあるが、相手に対して使わなければいけない場合は、敬語表現に言い換えて使用することができる。「踏まえて」の敬語表現は、丁寧語の「ます」を使用した「踏まえまして」、または接頭語の「お」を付け「いただく」の謙譲語「いただき」を加えて「お踏まえいただき」などがある。

「踏まえて」の読み方

「踏まえて」は、「ふまえて」と読む。

「踏まえて」の熟語・言い回し

それを踏まえてとは

状況や話題などを指す「それ」を前提として、または判断の拠り所としてということを意味する。

経験を踏まえてとは

これまでに見聞きしたことや体験したことを根拠として判断を下すことを意味する。

授業内容を踏まえてとは

授業で教わったこと、あるいは教えたことを前提として、または考慮してということを意味する。

反省点を踏まえてとは

過去の言動について良くなかったことを自覚したり省みたりしたポイントを考慮して、または根拠としてということを意味する。

内容踏まえてとは

文章などで表現されている事柄を考慮して、前提としてということを意味する。

色々踏まえてとは

ひとつのことだけでなく様々なことについて考慮することを意味する。

「踏まえて」の使い方・例文

・それぞれの要望を踏まえて、結論を出そう。
・会議の結果を踏まえて、計画案を修正することになった。
・トラブルの原因を踏まえて、対策案を練ることにした。
・これまでの経験を踏まえて、転職を決意した。
・遠方から参列する人たちの事情を踏まえて、結婚式の会場を変更することになった。
・スケジュールを詰め込みすぎて会議に遅刻した経験を踏まえて、余裕を持ったスケジュールを組むようになったよ。
・昨年開催したイベントの反省点を踏まえて、今年は誘導係の人員を増やそう。
・その件に関しては、前例を踏まえて判断した方がいいと思う。
・前回の注意点を踏まえて、今回の作業に取り組む。
・市場調査のデータを踏まえて、営業戦略を立て直す。

読み方：ふまえて

ある事柄を前提として。あらかじめ考慮に入れて。