海難
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/10 18:22 UTC 版)
すでに台風の接近は報じられており、9月26日朝の気象情報により、午後には艦隊と台風が遭遇することが明らかになった。そのため、反転して回避する案も出されたが、すでに海況は悪化しており、多数の艦の回頭による接触・衝突も懸念された。また、「大戦において、台風という荒天下での開戦もあるはず」という台風の克服も艦隊の練度向上になると判断され、予定通りに航行を続けた。主力部隊は台風の中心に入り、最低気圧960mbar(1mbar(ミリバール) = 1hPa(ヘクトパスカル))と最大風速34.5m/sを観測、右半円に入った水雷戦隊は36m/sを記録し、波高20mに達する大波(三角波)が発生した。その結果、転覆・沈没艦は無かったものの、参加艦艇(41隻)の約半数(19隻)が何らかの損傷を受けた。 特に主力部隊から約200km南東を進んでいた水雷戦隊は、台風右側の危険半円に入っており、最大瞬間風速は45~50 m/sに達して大きな被害を受けた。水雷戦隊にいた最新鋭の吹雪型(特型)駆逐艦2隻(「初雪」「夕霧」)は、波浪により艦橋付近から前の艦首部分が切断されるという甚大な被害を受けた。なおこの際、初雪の艦首を発見した那智は、曳航を試みるものの高波のため断念した。更に艦首部には暗号解読表などの機密書類を保管している電信室があり、漂流した結果他国の手に渡ってしまう事態を回避するため、艦首部に居ると推測された生死の確認が取れない24名の乗員は救出の見込みもない状況ではあったが、状況的にも全員死亡している可能性が高いと判断され、やむなく艦砲射撃で沈めている。
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「海難」の例文・使い方・用例・文例
- 海難
- 海難審判所.
- そのあらしで海難事故が多く出た.
- 彼らは暗礁で海難にあった.
- 貨物を満載した船は海難事故にあい海の藻屑と消えた.
- 海難に逢う
- 海難審判庁という行政機関
- 海難審判法という法律
- 高等海難審判庁という,海難審判を行う行政機関
- 海難事故中に投げ捨て浮かび上がらなかった貨物
- 近世,海難救助の報酬
- 霧鐘という,海難防止用に設置された鐘
- 最寄りの浦で発する遭難廻船についての海難証明書
- 海難の際に用いる救助用の箱
- 海難の原因と責任を明らかにするために行う審判
- 彼らは海難救助のエキスパートであり,命にかかわる状況にたびたび直面する。
海難と同じ種類の言葉
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