油回収
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/01/06 20:07 UTC 版)
海翔丸が担っているもうひとつの重要な任務、それは流出油の回収である。最初に記述してある通り、ナホトカ号油流出事故の被害を拡大させてしまったことへの反省から、世界で初めて2種類の油回収器を搭載したが、ひとつは舷側設置式油回収器といい、写真中、艦橋後部に左右一つずつ見える赤いものである。これらを外側へスライドさせ、海面へと降ろして海面に浮いた油を回収する。おもに低粘性の油に適し、波浪に強い。 しかし、海翔丸は船橋が船体前部に設置されていることから油の回収を艦橋の後方で行うため、効率的に回収しながら操船するのは至難の技であった。そこで、2010年の定期検査時に若干の改造を加え、回収器外側上部にノズルを取り付けた。このノズルから水を噴射することでウォーターカーテンを形成し、船首にあたって左右へ逃げるように流れてしまう油を回収器前面へと集めることができるようにした。もうひとつの回収器は投げ込み式油回収器といい、舷側設置式油回収器のすぐ後ろに見える黄色い機械である。こちらは高粘性の油に適しているが、波浪に弱いという難点がある。また、こちらも浮遊油が逃げないよう、集油ブームと呼ばれるものを羽を広げるように海面に降ろし、油の厚みを増加させた中に回収器を浮かべて回収する。 油回収装置油回収器舷側設置式:500m3×2台 投込み式:200m3×2台 回収油水槽容量:1,500m3/h
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