海翔丸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/17 15:30 UTC 版)
海翔丸(かいしょうまる)は、2000年11月に国土交通省九州地方整備局関門航路事務所に配備された、日本最大級のドラグサクション浚渫兼油回収船である[1][2]。 北九州港を母港とし、通常は週5日24時間3交代制で関門航路の浚渫作業を行っているが、大規模な油流出事故が発生し出動要請があれば、現場へ向かい油を回収する。 1997年1月に発生したナホトカ号重油流出事故によって大規模な海洋汚染を引き起こされたことを教訓として、国土交通省によって建造された。他にもこの種の船は名古屋港に「清龍丸」[3] 、新潟港に「白山」[4] がそれぞれ配備され、これら3隻によって日本全国48時間以内に大規模な油流出事故などへの対応が可能となった[5][6]。 なお、日本で「ドラグサクション浚渫船」と呼ぶ船は、日本以外では英語でTSHD(Trailing Suction Hopper Dredger)と呼ばれる[7][8]が「Trailing」も「Drag」も英語では「引きずる」を表し、「ドラグサクション:Drag Suction」を冠して呼ぶのは日本特有の事と考えられる。
- ^ “ドラグサクション船についての土木用語解説”. みんなで作る土木用語辞典. 2008年12月6日閲覧。
- ^ “関門航路事務所 海翔丸”. 国土交通省 九州地方整備局 関門航路事務所. 2008年11月6日閲覧。
- ^ “海域の環境を守る”. 国土交通省 中部地方整備局 名古屋港湾事務所. 2008年11月6日閲覧。
- ^ “大型浚渫兼油回収船「白山」”. 国土交通省 北陸地方整備局 新潟港湾・空港整備事務所. 2008年11月6日閲覧。
- ^ “海洋環境の整備”. 国土交通省 九州地方整備局港湾空港部. 2008年11月6日閲覧。
- ^ “大型浚渫兼油回収船の全国配置”. 国土交通省 北陸地方整備局 新潟港湾・空港整備事務所. 2008年11月6日閲覧。
- ^ “モザンビーク浚渫公社 1,000M3「 トレーリングサクション ホッパー浚渫船「進水「アルカンタラ サントス号」、TSHDは「ドラグサクション浚渫船」とも呼ばれ...” (PDF). 日本造船技術センター. pp. 8/12ページ (2007年4月). 2008年12月6日閲覧。
- ^ “国土交通省調達情報公開システム”. 国土交通省 (2007年4月20日). 2008年12月6日閲覧。
- ^ “石川・輪島港に救助物資を載せた船が5日夕方にも到着 水や食料品など 国交省”. KSBニュース. 2024年1月4日閲覧。
- 海翔丸のページへのリンク