専門家への批判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 21:00 UTC 版)
「ナホトカ号重油流出事故」の記事における「専門家への批判」の解説
当時現場で対策に追われた自治体からは外野の専門家自体への批判も見られる。 石川県水産課は当時漁業被害への関係から対応に忙殺された部署のひとつであるが、本当に有効に機能したのは当時偶々接続回線を設けていたインターネット経由でもたらされたエクソンバルディーズ号原油流出事故の情報で、留学経験のある職員が英語の原情報を日本語に訳し、「沿岸漂着油回収指針」の作成に役立てたと言う。また、当時の水産課には10年以上異動のないベテラン職員が複数おり、彼等はある対策を実行する際、どのような部署に何を要請・連絡すれば良いのか、制度的な仕組みを知悉していた。海難のための訓練で養った知識ではなく、日常業務を円滑にこなすために蓄積された経験知の集積であり、敷田麻美はこうした職員を「通常の行政システムを熟知した専門家」として重要視し、必要に迫られたとは言え専門外の分野までコメントしていた「即席の専門家」達を「冷静さを欠いていた」などと批判している。また、市町村にとっては海上災害防止センターの指示は遅れがちで、一般市民から寄せられた油回収のための「提案」も大半が役に立たなかったと言う。
※この「専門家への批判」の解説は、「ナホトカ号重油流出事故」の解説の一部です。
「専門家への批判」を含む「ナホトカ号重油流出事故」の記事については、「ナホトカ号重油流出事故」の概要を参照ください。
- 専門家への批判のページへのリンク