かく‐の‐ふゆ【核の冬】
【核の冬】(かくのふゆ)
地球規模の核戦争が引き起こされた場合に起きると想定される、大規模な環境破壊。
核兵器の炸裂によって大量の粉塵と水蒸気が発生し、上空に停滞して陽光を遮る。
これによって地上の気温が低下し、規模によっては人為的な氷河期さえ発生し得る。
「核の冬」というネーミングは、上記のような現象が起きうるという仮定からの命名なのだが、別の説では「寒冷化したとしても一時的なものであり、最終的には平均気温が上昇して灼熱の砂漠になる」という説もある。
また、核爆発によって発生した水蒸気はやがて冷えて雨雲となり、漂う粉塵と混ざった雨となって地上に降り注ぐ。
それらは必然、致死的な放射能を持つ放射性物質である。
即ち、土壌や水が放射性物質によって汚染され、植生・生態系に壊滅的な打撃を与える事となる。
このように、急激な気候変化と放射能汚染により、人類を含む数多の生物が絶滅の危機に瀕すると推定される。
そのことから、相互確証破壊理論・核軍拡政策に対する有力な批判・反論材料とみなされている。
核の冬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/06 01:23 UTC 版)
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核の冬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 19:13 UTC 版)
核兵器の大量使用の後には、地表は放射性物質で汚染され、また放射性物質を含む灰(放射性降下物)が降ることになる。巻き上がった灰によって日光が遮られ、地表の気温が低下し、植物が枯れ、人間が生存できない環境になることが指摘された。このような状態は核の冬と呼ばれる。この核の冬を生き延びるための手段は用意されなかった。爆心からある程度離れた地点で、核爆発時の熱、爆風、放射線を逃れ、核爆発後の放射能の減衰を待つための核シェルターと呼ばれる地下施設が考案されたのみである。このように核兵器を使用すること自体が人類の絶滅に直結するため、核兵器の使用につながる戦争を抑止できるとされる。 核兵器の恐怖や核戦争のリスク、放射線による殺傷の残酷さなどは知識人、作家、政治家、政治活動家、一般市民など多くの人々の関心を呼んだ。そのため反核運動が生まれた。一方で、核兵器を廃絶することで通常兵器による戦争が誘発されるため、平和のために核抑止力を維持すべきとの主張もみられる。
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