恥骨
恥骨
【英】:Os pubis,Pubis
寛骨臼の前方約1/5と寛骨の前下方部を形成し、対側の恥骨と恥骨結合面で軟骨(線維軟骨)結合をする。長楕円形の恥骨結合面を含む前上部が恥骨体である。丸みをおびた恥骨体上縁の外側端にある隆起が恥骨結節で、恥骨結節から恥骨結合面へ向かう、恥骨体前面との移行部の粗な隆線が恥骨稜である。恥骨体の上外側から後上外側へ伸び、寛骨臼に達する三角柱状の部分が恥骨上枝である。恥骨上枝上面(櫛状面)は三角形を呈す。恥骨結節から寛骨臼部へいたる、上面外側前方の丸みをおびた隆線が閉鎖稜であり、恥骨結節から後上外側の橈骨との癒合部を示す粗な隆起へいたる、上面内側後方の稜線が恥骨櫛である。腸骨との境界部は肥厚しているが、寛骨臼前下縁にいたる、とくに肥厚した部分が腸恥隆起である。恥骨櫛・恥骨稜は分界線の恥骨部をなす。内側面(骨盤面)は恥骨櫛と、鋭利縁をなす下縁との間の平滑な面で、外側部で幅が狭くなる。下面(閉鎖面)には内側面下後方から下面前下方へ向かう閉鎖溝がある。閉鎖溝は前方が閉鎖稜で、後方は下縁で境される。下縁中央部で、やや後方へ突出した小隆起が前閉鎖結節である。生体では前閉鎖結節と後閉鎖結節との間に、閉鎖膜の上縁をなす線維束が張って閉鎖溝の底となり閉鎖管を形成する。腸骨体の下外側から後下外側方へ伸びる扁平な部分が恥骨下枝で、坐骨枝と癒合し閉鎖溝の下縁をなす。癒合部は粗な隆起部として残ることがある。恥骨下枝の上縁は鋭いが、下縁は被厚し粗面をなす。下縁の内側部が粗に隆起して陰茎稜を示すことがある。ラテン語のPubes(陰部)に由来する。Pubesはpuberty(思春期)の語でわかるように、元来は成人の意味で、これから成人のシンボルである陰毛(pubes)のこととなった。このpubesはやがて陰部を指すようになり、その所有格によって「恥部の骨」os pubisの名が生まれた。
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