引き合い
ひき‐あい〔‐あひ〕【引(き)合い】
引き合い
引き合い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 07:51 UTC 版)
2日深夜11時すぎから大行燈7基で行なわれる引き合い(けんか行燈)は、福野夜高祭のメインイベントで、行燈を曳く若衆はもちろんのこと、観客たちも興奮と、熱気に包まれる。 富山県内で行われる他地区の引き合い(突合せともいう)は、正面から勢いよくぶつかり合い、あんどんの前部(心木)で相手の前面に吊られた(飾られた)吊物を潰しあうのだが、福野の引き合いは狭い道路ですれ違いざまに行燈の上に登った多くの若衆たちが、手や足を使い直接相手の行燈を壊しあうのが大きな特徴である。 7基の大行燈(横町・浦町・上町・新町・御蔵町・辰巳町・七津屋)は上り行灯、下り行燈に分かれ(並び順は毎年変わる)、下り行燈の3町は行燈がぎりぎりですれ違えるほどの狭い上町通りにほぼ等間隔で、上り行燈も合い対し順に並ぶ。なお、御蔵町は中立とされ、下り行燈の最後尾に並ぶが引き合いは行なわない。 並び終えると若衆たちは酒を酌み交わし、福野夜高節を唄い、夜高太鼓を打ち鳴らし、「よいやさ、よいやさ」と威勢のよい掛け声をあげ、観客共々気持ちを昂らせていく。やがて裁許と書かれた提灯を持った世話人が一箇所に集まり打ち合わせが始まる頃になると、多くの若衆達が自町の行燈に登り準備を始め、世話人がそれぞれの町内に戻るといよいよ引き合いが始まる。上り行燈3町が順番に動き出し下り行燈の横を順にすれ違うが、下り行燈側は後部台棒を斜めにずらし上り行燈の行く手を阻む、そのさいお互いの行燈の山車、吊物の骨組みである木枠、竹枠、また和紙を直接手や足で蹴り、破き、引きちぎり壊す。なお神明社の神様は女性で行燈が壊れれば壊れるほど喜ばれ、その後1年が良い年になるといわれており、時には本当の喧嘩、転落事故もおこる約5〜6mの高さで行なわれる激しい空中戦に観客も熱狂し最高潮に達する。そして3町と相対し行燈がぼろぼろに壊れすべての引き合いが終わると、各町の世話人が集まり、祭事が無事執り行われ終了した旨の報告と来年の引継ぎとして、「しゃんしゃんの儀」といわれる手締めが行なわれ祭りは終了する。 なお富山県内の津沢夜高祭り、庄川観光祭(庄川夜高行燈)では1日目、2日目と引き合い(突合せ)が行なわれるが、ここ福野では2日目だけ行なわれる。これは他の地区の引き合い(突合せ)は行燈前部に吊られた吊物だけを潰しあうため予備の物と交換できるが、福野では前述のとおり行燈全体を潰しあうため修復不能になるからである。
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「引き合い」の例文・使い方・用例・文例
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